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【読んだ本】 OKR/クリスティーナ・ウォドキー

この本を一言で言うと...

生産性を高める、新しい目標設定・目標管理の方法を学べる本

読むべき人は...

① MBOがうまく機能せず、サービスや社員の成長が芳しくない組織の人事やマネージャー

② 目標設定しても、すぐに忘れちゃって進捗を管理できていないマネージャー

③ 会社や組織のビジョンや目標に連動した個人目標によって、一致団結したチーム運営をしたいマネージャー

読んで学んだことは...

① OKRの概要

● 明確で定性的な目標(Objective)を1つと、目標の達成度合いを判定するための定量的な指標(Key Results)を3つ設定する。設定する期間は主に四半期ごと。

● OKRの実行を習慣化する。毎週OKRの進捗をチームで確認し、目標達成に向けたタスクや課題を確認し合う。

② OKRの注意点

● OKRの設定期間は四半期がちょうど良い。

● 設定するO(目標)は一つに絞る。さらに、定性的で人を鼓舞する内容にする。

● 難しいが不可能ではない(成功確率50%)のKRを設定する。

● OKRを日常の一部にする。チームMTGや毎週の状況報告メールの中に組み込む。

● 会社の目標やビジョンからブレイクダウンして個人のOKRを設定する。

③ OKRの効能(これまでのMBOとの違い)

● 定性的でワクワクするような目標を設定することで、より本質的でビジョナリーなゴールを目指せる。また会社全体の目標やビジョンとの整合性を取りやすい。

● これまでのMBOはゴールを達成したかが評価に結びつくので、天井の低い目標を設定しがち。OKRは、可能な限り最高の結果にフォーカスし、それに向かっているかが評価されるため、成果が増幅される。

● 進捗をリアルタイムで把握することで、スピーディに課題の解消や、モチベーションの鼓舞が出来る。

● 定性的な目標がフィットする人、定量的な目標がフィットする人、両方のタイプに対応できる。

読んで思ったことは...

① OKRの仕組み・考え方は、これまでの目標設定・目標管理のフレームワークでは足りなかったこと・対応できていなかったことを補うように作られたものだと理解した。裏を返すと、OKRの仕組み・考え方から、目標設定・目標管理において必要なことが見えてきた。

・個人の目標は会社のビジョン・目標と連動している方が良い

・定性目標はより高く本質的なものを設定することが大事(ほっとくと低くてどうでもいいことが目標になりがち)

・定性目標だけでは足りず、達成度合いの進捗を管理できる定量目標が必要

・定量目標においては、適切な難易度の目標を設定することが大事

・目標の進捗は高頻度で管理し、課題を早期解消できる方が良い

・ただし、目標の管理に手間を取られたくないため、簡易な方法で仕組み化したい

OKRはこれらのポイントを誰にでも使えるフレームワークに落とし込んだものだけど、実際に組織の中で運用する際はある程度のカスタマイズが発生するはず。その際は、上記の外しちゃいけないポイントを頭に入れておきたい。

② 特に、定性目標でより高くより本質的なものを設定することで「可能な限り最高の結果にフォーカスできる」ことがOKRの肝であると理解した。これは社員1人1人が、プロダクト・ユーザーを第一に考えて仕事をすることで、結果的にサービスも成長し、それに連動して個人も成長するという良いサイクルを生み出していくことができる。

そういった意味でいうと、OKRは、ビジネスの主役がプロバイダー側からユーザー側に移った中で、「ユーザーを向いて仕事をしよう」という思想・考え方から発生したものなのかもしれない。



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