見出し画像

【読んだ本】 デザイン思考が世界を変える/ティム・ブラウン

どのようなことが学べる本か

イノベーションを生み出す問題解決方法である「デザイン思考」のいろは

どのような人にオススメか

① デザイン思考ってよく聞くけど何それうまいのって人

② デザイン思考をなんとなく知っていて、ポイントや事例を詳しく知りたい人

どのような内容か

① デザイン思考とは、論理や分析に依存しすぎずに問題解決するプロセス・能力。直感で判断する能力、パターンを見分ける能力、感情的な価値を重視する能力などを重視する。

② イノベーションを生み出すためには、着想(ソリューションを探る)・発案(アイデアを創造・検証する)・実現(アイデアを市場にリリースする)の3つを行き来して方向性を模索する。これは、従来のビジネス手法よりも時間がかかり予測可能性が低いが、その分、創造的でイノベーティブなアイディアを生み出しやすい。

③ ユーザーのインサイトを明らかにし飛躍的な発想を生み出すためには、洞察(ユーザーの行動を観察し、満たされていないニーズを明らかにする)・観察(ユーザーが言わないこと・しないことに目を向ける)・共感(ユーザーの身になって考える)の3つの手段をとる。

④ 収束的思考・発散的思考・分析・統合(膨大なデータを整理してパターンを見つける)の4つのメンタルを柔軟に行き来して、創造的で一貫性のあるアイデアを生み出すことができる。

読んで思ったこと

① デザイン思考は、デザイナーがデザインを行う過程で用いる思考プロセスを、一般的な問題解決に応用したもの。デザイナーは物事を感性で捉え直したり、抽象化して本質を捉えるのが得意な人たち。その人たちの能力を、論理や数字で考えがちなビジネスの世界の問題解決に応用すると、イノベーティブなアイディアが浮かびやすいんだよ、だからそれをデザイン思考って呼んで一般化するよ、っていうのがデザイン思考だと解釈した。

② このデザイン思考を本質的に理解できる非デザイナーはとても少ないと思う。デザイン思考は、フレームワーク・手法・ツールではなく、あくまで思考プロセスや能力であり、習得どころか理解することも難易度が高いと感じた。

③ 多くの組織や個人は、導入や習得がしやすいフレームワークとしてのデザイン思考を期待しているが、この本で語られているデザイン思考は能力や思考プロセスなど抽象的でふわふわしたものを含んでいる。このギャップを認識することが、デザイン思考を理解する第一歩のように思える。

④ 個人的には、自分自身が思考プロセスや能力としてのデザイン思考を理解し習得するには、かなりの時間を要すると感じた。容易に習得できる類のものではなく、この難易度を見誤ってはいけないと思う。バズワードになりつつあるので、この認識は大事。

⑤ 一方で、プロトタイピングやブレインストーミングなど、手法としてデザイン思考の一部を組織にインストールしていくことは容易。こういったところからデザイン思考のエッセンスを取り入れていくことが、現実的であると思った。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?