分かりにくい説明✖︎それでも利用者は「うん」と言う
ケアマネさん:「住宅改修とは別に、住宅改造があって、ご夫婦の所得とかでお金が出るんですけど、時間もかかるし、今回は、ストマーのこともあるから今回は改造を使わなくて良いと思うんです。」
利用者さん:「う…うん。まぁ、今回はストマーのことが先決やから早くに出来る方で良いですよ」
この会話、成り立っているようで成り立っていない。
誰が、「改修」と「改造」の違いが分かるのか?
利用者の冒頭の「う…うん。」は、理解した「うん」ではなく、
“話の内容はよく分からないけど、なんか面倒くさそうやし、時間もかかるならばもう、いいっか”
“ケアマネさんがそんな感じで言うならば”
と、いう具合で出た言葉、だと言うことを何故理解出来ない?
その話をしながら、「キチンと理解しながら聞いてくれてるかな?!」とか、表情を確認しながら何故話さない?!
しかし、このケースは良くある。
特に“おばちゃん”ケアマネさん。
中途半端に知っていることを中途半端にしか伝えないのよね。
しかし、この改造という制度は、初めて介護保険の住宅改修を使う時、同時に使わないといけない制度のため、中途半端でも、“伝えた”ことには評価はする。
しかし、その程度の制度説明では、何がメリットで、何がデメリットかが全く分からないし、この話の内容では、デメリットしかないようにしか聞こえないよね。
制度は、基本的にはデメリットもあるが、使う事によって受けられるメリットも必ずある。
この改造という制度は、時間もかかるし、行政の立会いもなり、何かと面倒なのは確か。
しかし、その面倒は、全て私が引き受けなければいけないことなので、基本、利用者は面倒くさくない。
強いて言うなら、時間がかかるってこと。
※
この話の後に、サッと俺が改めて制度説明をさせて頂いた。
そうすると、当初トイレ改修だけの計画でしたが、
「浴室は寒いから変えたいと思ってたのよ。」
「入り口に段差があるし…」
という、新たなご希望が出てきた。
俺たちの仕事は、寄り添い傾聴し、ご希望やご要望を引き出し、その要望にどう支援が出来るのかを考える。
そして、その要望を叶えるためにある制度をキチンと理解し、利用して頂くために、正確に、分かりやすく、端的に伝える技術が求められる、と思っている。
やはり、出会う人によって、情報の量が変わることは、本来避けたい。
でも、それは、仕方ないことやから、自分が関わった利用者さんには、キチンと伝えたい。
損得で、制度を使う訳ではないが、利用者や家族からすると、やはり「損得」で見られるんです。
だから、出来る限り“損”はさせたくない。
今回の利用者さんは、やはりどう言っても、ストマーことがあり、早くにトイレ改修をしたいのも事実。
どうすれば、今の身体状況と介護負担、住環境を考え、そして、その問題点を、貸与、購入、改修工事、制度を組み合わせて考えられるのか。
やはり、そこに尽きる。
私たち介護従事者は、やはり、言葉を洗練していく努力が必要だ。
介護技術がいくら上手くても、声掛けがデタラメならば、利用者は自分には振り向かない。
いくら知識があっても、伝えることが出来なければ、伝えていないことと同じです。
介護業界が、サービス業である以上、私たちは、言葉を磨きましょう。
ふと、今日、そんなことを思った日でした。
by inochi
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