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分かりにくい説明✖︎それでも利用者は「うん」と言う

ケアマネさん:「住宅改修とは別に、住宅改造があって、ご夫婦の所得とかでお金が出るんですけど、時間もかかるし、今回は、ストマーのこともあるから今回は改造を使わなくて良いと思うんです。」


利用者さん:「う…うん。まぁ、今回はストマーのことが先決やから早くに出来る方で良いですよ」


この会話、成り立っているようで成り立っていない。


誰が、「改修」と「改造」の違いが分かるのか?

利用者の冒頭の「う…うん。」は、理解した「うん」ではなく、

“話の内容はよく分からないけど、なんか面倒くさそうやし、時間もかかるならばもう、いいっか”

“ケアマネさんがそんな感じで言うならば”


と、いう具合で出た言葉、だと言うことを何故理解出来ない?

その話をしながら、「キチンと理解しながら聞いてくれてるかな?!」とか、表情を確認しながら何故話さない?!


しかし、このケースは良くある。


特に“おばちゃん”ケアマネさん。


中途半端に知っていることを中途半端にしか伝えないのよね。

しかし、この改造という制度は、初めて介護保険の住宅改修を使う時、同時に使わないといけない制度のため、中途半端でも、“伝えた”ことには評価はする。


しかし、その程度の制度説明では、何がメリットで、何がデメリットかが全く分からないし、この話の内容では、デメリットしかないようにしか聞こえないよね。


制度は、基本的にはデメリットもあるが、使う事によって受けられるメリットも必ずある。

この改造という制度は、時間もかかるし、行政の立会いもなり、何かと面倒なのは確か。

しかし、その面倒は、全て私が引き受けなければいけないことなので、基本、利用者は面倒くさくない。

強いて言うなら、時間がかかるってこと。


この話の後に、サッと俺が改めて制度説明をさせて頂いた。

そうすると、当初トイレ改修だけの計画でしたが、

「浴室は寒いから変えたいと思ってたのよ。」

「入り口に段差があるし…」


という、新たなご希望が出てきた。

俺たちの仕事は、寄り添い傾聴し、ご希望やご要望を引き出し、その要望にどう支援が出来るのかを考える。


そして、その要望を叶えるためにある制度をキチンと理解し、利用して頂くために、正確に、分かりやすく、端的に伝える技術が求められる、と思っている。

やはり、出会う人によって、情報の量が変わることは、本来避けたい。

でも、それは、仕方ないことやから、自分が関わった利用者さんには、キチンと伝えたい。


損得で、制度を使う訳ではないが、利用者や家族からすると、やはり「損得」で見られるんです。

だから、出来る限り“損”はさせたくない。

今回の利用者さんは、やはりどう言っても、ストマーことがあり、早くにトイレ改修をしたいのも事実。

どうすれば、今の身体状況と介護負担、住環境を考え、そして、その問題点を、貸与、購入、改修工事、制度を組み合わせて考えられるのか。


やはり、そこに尽きる。


私たち介護従事者は、やはり、言葉を洗練していく努力が必要だ。


介護技術がいくら上手くても、声掛けがデタラメならば、利用者は自分には振り向かない。

いくら知識があっても、伝えることが出来なければ、伝えていないことと同じです。


介護業界が、サービス業である以上、私たちは、言葉を磨きましょう。



ふと、今日、そんなことを思った日でした。



by  inochi


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