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「角食」と「とうまん」~ストレートな呼び名のルーツについて~

念願叶って高松市を中心にさぬきうどん巡り
はしたけれど、結局憧れの金時豆天と高野豆腐
天には巡り会えなかったtorovです。

といふことで今回は「ケンミン」ネタ。
少しコメント書きに勤しんでいたらちゃんと
ヒントは貰えたので今回はこれで一本上げて
みようかと。

「角食」とは「角型食パン」の略。北海道でも神戸でも言う。

まあいろんなところから開拓民が集まった北海道は
かなりストレートな一般名詞でものを呼ぶケースが
多く、その代表例の一つが「角食」。

でも神戸で言うのは当然1世紀以上のパン食文化
を保有しているので、ちゃんと「角食」と「山食」の
違いがわかっていると。そのレベルの突き抜けてる
部分は「私と神戸ルミナリエ」にまつわるよしなし
ごと、にも書きました。

北海道の場合は、そうしたストレートな言い廻し
の方が共通語として理解する上で浸透しやすかった
ことと、もう一つは学校の給食(特に御飯給食開始
以前に顕著)で「角食」として献立表に書かれて
いたりしたので、ネーミング的に浸透していると。

なので、神戸で「角食」と「山食」の違いを理解
している人は多いけど、北海道の人の場合は多少
ですが「角食」は知っていても「山食」の説明が
出来ない人がいるかもしれません。

一応違いはパンを焼く時箱型に生地を詰めて
四角四面密封して四角の角があるように焼けば
「角食」、一番上の面だけを箱型に封せずに
飛び出させて山型に仕上げるのが「山食(山型
食パン)」、ってことで良かったのかな。
確か後者がイギリス式なんだっけ。

「山食」に詳しいのはむろん北海道よりも青森。
なので工藤パンの「イギリストースト」。

といふ連環から「山食」に詳しいのは北海道より
も青森かなと。青森でパンといったら工藤パン
ですが、当然工藤パンといえば「イギリストースト」。
(際物な方のNHKでアニメ化されたので商品名
は出ませんでしたがアニメ『舞妓さんちのまかない
さん』でも紹介されていました)

https://www.nhk.jp/p/maikosan/ts/W62WGG1V57/

https://www.nhk.jp/p/maikosan/ts/W62WGG1V57/episode/te/42YX14928L/

「ケンミンSHOW」では由来不明的な紹介に
とどまっていましたが、イギリス式の「山食」を
使った「じゃりパン系」の商品(東北から北陸・
関西を中心に存在するコッペパンや食パンに
ツブの粗い砂糖を使った具材をまぶした菓子パン
の一種)が「イギリストースト」になります。


次は「とうまん」と「唐饅頭製造機」について。

まあ北海道には図書館学関連に縁があり、その後も
精力的にサブカルなモノを探究している塚田敏信
さん、といふ方がおられるのですが。

その中でもまち文化研究所から出された「まち文化
百貨店」といふ小冊子風の出版物がございまして。

「唐饅頭製造機」に関してとその全国的なバリエー
ションに関してはこちらに纏められているのが
詳しいかと思います。

それによると「唐饅頭製造機」。ルーツは
福岡県古賀市の城野鉄工所。元となる機械の正式名
は『キノ式新自動唐饅頭焼機械』。

なお城野鉄工所では既に製造終了。その後は愛知県
愛西市の森川フードマシンが製造しているそうで。

唐饅頭の定義は、金属板に置かれた金輪に、小麦粉
や卵、砂糖などをあわせた種を流し込み、餡を入れ
て作る饅頭の一種。

なので1953年から金座街通りで大内正見が焼き始めた
金座街通りのまんじゅうがルーツの秋田・「金萬」を
はじめとして、上野・浅草・八王子・平塚・茅ヶ崎・
富士・清水などに存在する「都まんじゅう」、
京都の「ロンドン焼」、梅田の大丸と福岡天神の大丸
にある「大丸饅頭」、北九州井筒屋の「井筒屋まん
じゅう」鹿児島の「金生饅頭」などが「唐饅頭製造機」
で製造されるまんじゅうであり・・・(共通点は
同種の機械によって焼かれ、外側はカステラ生地、
表面に焼印が捺されていること)、

「唐饅頭製造機」で製造されるネーミングに一番近い
「とうまん」として売られているのが札幌のケース。
札幌で作っているのは冨士屋。1952(昭和27)年から
作られていて、自動化されたディスプレイ工程に
なったのは1958(昭和33)年からと云う。

駅前のパセオの店舗と丸井今井にあるのが有名で、
JR札幌駅のキオスクや土産物屋でも買えるのが定番。
のお土産菓子ですね。

個人的に冨士屋で買うのは中にチーズが入っている
フロマージュも好きなんですが。

ストレートな言い廻しは他にもいろいろ類例が
あるのですが、それはまたの機会に。今回はこの辺りで。