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そろそろ「白川案件」に決着を付けるか。どうして白川隆三が絡むと時々虫酸が走って、稀に奇蹟を起こすことになるのか。

 まあではここ数ヶ月書くのに悩んでいた案件をぼちぼち
片付けることにしようか。

 まあ厄介にもソニー音楽の中核を成すうっかりの代名詞
みたいな音楽PDがおりまして、それが白川隆三という人
なのでございます。

 それがまず顕著に出ているケースがまずこの曲。

1.太田裕美「木綿のハンカチーフ」

こちらについては「名盤ドキュメント」でオンエアされた
証言もございましたので、知ってる方もままいらっしゃるか
と思いますが。

 この世紀の名曲の誕生は4番まである歌詞を筒美京平に
持って行った時に「六本木あたりで白川さんが飲んだくれて
いる間に」(by太田裕美)すいすいと筒美京平が作曲をつけた
ことでまずこの名曲が生まれた、と云われるのが「木綿の
ハンカチーフ」の奇蹟。

「名盤ドキュメント」ではヒャダインの男性の気持ちを歌った
部分は上がり調子で、女性の気持ちを歌ったところはどんどん
キー音が下がっていくなど、なかなか興味深い話が続出します
ので、また再放送を観たいところでもありますが。

2.JUDY and MARY「そばかす」

いわゆるこちらが白川隆三的音楽オーダーの「失礼な極致」に
して、タイアップ音楽の極北ケースと呼ばれる虫酸案件の一つ。

 これは「キャンディ・キャンディ」とセットで話をかますのが
トラディショナル、とされているんだっけ。

まあ白川案件にありがちな、伝達面のしくじりから
無理筋で名曲を生み出させる、といふ特性が
本質的に話を盛り盛りにさせて収拾のつかない
雪だるまになりがちなのがいかにも白川案件
なのですが、そんな案件の一つで酷いシステム
から生み出された「そばかす」のルーツである
「キャンディ・キャンディ」と1990年代の
堀江美都子評、ってのは小公女セーラの雑感
書いてた中に見つけられたので、ちょっと
それからリライトしてみる。

「アクビちゃんの歌」(『ハクション大魔王』のED。
(最終的にはOP2)にして、後に小泉今日子もカバー
している)を9歳で歌った年にデビュー(なので
「紅三四郎」の主題歌に続いて「アクビちゃんの歌」は
セカンドシングル)、日本コロムビアの専属歌手の
一人であり青二最大の歌姫といえば堀江美都子。

 そう、『セーラームーン』シリーズ(ギャラクシア)
そして『家なき子レミ』(レミ)と次々に名作、長寿
作品のフィナーレを飾りどんどんシリーズを終わらせて
いる、といふあの「お水取り」堀江美都子である。

『キャンディ・キャンディ』でアニメ初のミリオン
セラーを記録した歌手の功績はともかく、彼女の声優
としての功績は次の3つに分類出来る。


 1.劇中歌を歌える声優として主に日本アニメー
ションの作品で重用されことに。

とりわけ『宇宙船サジタリウス』のシビップは
賞賛に値する名作であり、名役であった。

 2.『アラレちゃん』における真摯で真面目な
役柄(オボッチャマン)を実にいい声で上手く演出し、
個性あるキャラクターに仕立てあげたこと。

 3.名作劇場では3度の主役(ポリアンナ、ジュディ・
アボット、レミ)を演じ、特に『愛少女ポリアンナ物語』
のポリアンナは結局彼女以外に考えられない、といふ役
にまで高めたこと。

(いや実際杉山佳寿子の語り・ナレーション
でやってた田中英行音響演出の『ポリアンナ』を観たん
だけど、これが見事に字幕ベタな 最悪の洋画を観た気分に
なっちまったんだわ。ホント声の出演者の偉大さを
改めて考えさせられるいい勉強でした)、といふ功績は
さすが、の一言に尽きる。
 

これ以上はヘタな中傷にもなりかねないので、そういや
『プロゴルファー猿』の若葉や『ドラゴンボール』のウパ
ってのもこの人の役だったのよね、とだけ書き連ねておくまでにとどめる。 

といふことでこの『小公女セーラ』のドナルド役は勿論「名作劇場の中興」を担うべくエキセントリックに動ける数少ないキャラクターとして
機能していた。
 またこのテの快活で元気になれる声はともすれば重たい原作・脚本の
中でも自由に動き、当然のように『ポリアンナ』そして『サジタリウス』
へとつながる働きを「瞬間の芸」のうちに魅せていた、といえる。
 その意味ではオイシイキャラであり、またこの『セーラ』が名作劇場を
彩る多数の女性声優の活躍の場を最もいい形で創り出していた、とも
言う事が出来るだろう。

『小公女セーラ』雑感より(リライト版)

 まあそんなイタさとイタいファンを引き付ける
ような無理筋が祟る形でイタい堀江美都子のファンが
声優としておりいろんな形でやらかしてた話はどこぞ
で聞きましたけど、まあそれを今更蒸し返すのにも
材料は足りないんでしませんが。

 ま、堀江美都子に対する私の辛い評価はその
奈辺を理解しているからでもありますが、この
ベースがあるのでホイホイとテレ朝のアニソン
ランキングに『キャンディ・キャンディ』や
「そばかす」が1位にランキング入りすること
に対してハァーとなる一面がある、ってことも
少しは理解して頂きたいと(そこの乖離がいか
にも辛くていがらっぽい「いが」になると)。

 ここもオーダーのテキトーさが絶妙に化学変化してジュデイマリ
的「キャンディ・キャンディ」の解釈が「そばかす」になり、
感受性に著しく乏しい(良くスタッフロールを高速で左から右に
飛ばしがちなスタッフの貧しい感受性が見え隠れしていて気味が
悪いし虫酸も走る)1990年代からアニソンランキングを恣意的に
作ってたっぽい「キャンディ・キャンディ」を1位に仕立ててた
メンツがついぞ最近も「そばかす」を1位に仕立てる気持ち悪さ
満載のランキング(1990年代狙い撃ち(1995-2000)の懐かし
ランキング、ってニッチな仕立て方、だっけ)でやらかして
たのが本当に気味悪かった。

https://yorozu-do.com/anison100/

ま、ゼロ年代以降の堀江美都子は保ち直したなあ、
って印象も強いのですが(特に渡辺岳夫直伝の
ポイント解説「魔法の「、ね」」とか、2chで
いが板と言えば少女漫画板の隔離掲示板だった、
って強火感が残留してたことなども含めてね)。

「魔法の「、ね」」はよく歌詞解説で喋っていたけど、

なきべそなんて サヨナラ ね
キャンディ・キャンディ

の同意とも確認とも持ち直しとも取れるこの「ね」が
重要と渡辺岳夫先生に堀江美都子は言われた、
ってのがミリオン盤になった秘訣として伝承してきた
って鉄板トークがあったと(かなり強めの記銘効果が
高いエピソードトークかと)。

まあそれもあって、常に不協和音が渦巻いていた『るろうに剣心』
は「ヤク漬けソニー」の時代とも相まって逮捕者が多発し、
ED変更も行われることがしばしば。でもそんな「壊れかけの
白川が作った無慈悲タイアップの羅列」の中から生まれた「瓢箪
から駒」が「HEART OF SWORD~夜明け前~」だった
ところにも奇蹟がある、までがセットなんですが。

『るろうに剣心』(アニメ版)の楽曲データを
腑分けしてみる。|torov|note

3.『はれときどきぶた』OP3
{BOO~おなかが空くほど笑ってみたい~}
歌・ゴスペラーズ(キューンレコード)(37~61話)
作詞●阿久 悠 作曲●筒美京平

これは当然Bコース廻りで少し書いたことはありましたが。

『はれときどきぶた』(ルリルリ丸顔十円安版)の
楽曲データを腑分けしてみる。|torov|note

『はれときどきぶた』もSPEVWのPDは白川隆三で、
このままアニプレックスまで行くから『鬼滅の刃』の功績
まで稀に奇蹟を当てられてしまうのがいかにもな白川隆三
絡みの案件になる、なんですけれども。

『はれぶた』OPで一番好きなのは阿久悠と筒美京平が
アニメ主題歌でしっかりタッグを組んでホントにブレイク
する前のゴスペラーズが歌ってるこの曲。
 こっちはシングル探して持ってたような(4988009119700
/KSD2 1197)。アレンジはBANANA ICE。

『はれときどきぶた』(ルリルリ丸顔十円安版)の楽曲データを腑分けしてみる。

よく阿久悠のアニメ特集は「ヤマト」「ピンポンパン」強いて
挙げれば「ウルトラマンレオ」で止まってしまいがちなのですが、
うちらに馴染みがあるのはむしろその後で、そちらのフォローが
なさ過ぎるところに憤りを感じやすい。

『宇宙船サジタリウス』は日本に「ラザニア」って料理を広めた
パイオニアだけど、それ以上に「スターダスト・ボーイズ」と
「夢光年」は名曲として響いているし、この後の路線でブレイク
する前にゴスペラーズが歌っていた黄金ペアによる『はれときどき
ぶた』のOPは白川隆三がしっかり最後に据えていた奇蹟でも
あったことを主張する必要性は確かにあるのかもな、といふことで。

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