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1997年8月時点での「早取りデータ(江崎プロダクション)」から見えてくるもの~「#それは別件で起こす」シリーズその1~

では元史料も揃って出て来たのではじめますか。

一応ベースになるのは
「この人を悼む」シリーズ・2回目は納谷六朗氏。(2014年11月17日没)|torov|note

での次の項目にかかっているものです。

では以前叩き台のベースにしていた1997年5月時点
での「早取りデータ(江崎プロダクション)」といふ
史料(昔はパソコンのデータで持ってたけど、もう
紙媒体にプリントアウトしたものしか遺ってない)
はあるのですが、それは別件で起こすとして、
来歴の紹介、といふ本筋を改めて纏め直そうかと。

とやったので「早取りデータ(江崎プロダクション)」
は早速見つかりました(1997年8月時点でしたので、
ここの標題は「1997年8月時点での~」となって
おります)。

これと当時の掲示板に書いた文章を再構成した上で
納谷六朗氏以外にまつわる江崎プロの人の変遷に
関しての部分を合わせてつらつら現在の視点で
編み直してみようか、といふのが今回の主旨。
(なのでこれは「#それは別件で起こす」シリーズ、
として観ようかと)

一応なんで「早取りデータ(江崎プロダクション)」
なんてものを作成していたかといえば、私家版で
アニメのデータベースを作成している時期。

時期的には大学で「声優論」を卒論相当で書き、
(メイン研究の素材が◆久川綾[青二]だったので
「キグルミ声優学」なんかには詳しくなったり
するわけで。久川さんが赤坂ブリッツでコンサート
をしたり、コンマスが百石元だったりしたので
名作アニメ『けいおん』シリーズはTBSの系列で
オンエアする素地を作れたのだな、と理解はして
いるのですけど)

https://m.youtube.com/watch?v=2vZ1Hjj4LY0

https://tower.jp/item/3008389/K-ON!-MOVIE-ORIGINAL-SOUND-TRACK

図書館司書の代打を挟みながら稼いだお金で学費
(なんとか半額までは出せたのかな)出して
声優目指していた頃アニメのデータベースに雑感を
書いて声優の分析も所属事務所毎に纏めていた頃
だったので(その頃は自前で小さいB5が打ち
出せるプリンタで時々出力してた一部データだけが
多く散逸したけれど)手元に残っている次第。

当時の6ページほどのデータを眺めると、やはり
女性のトップを◆井上喜久子◆氷上恭子◆大谷育江
と置き、期待のサブ的なポジションに◆岡村明美と
◆沢海陽子(そうみようこ)を据えて、案の定
◆岡本茉莉や◆田中敦子をていよくスルーしている
あたりが当時の私らしいデータであるような。
(今でも『攻殻』あたりの話題を振られるのは
苦手な分野ですしねえ。◆氷上恭子の『デ・ジ・
キャラット』ラインを伝って◆沢城みゆきが在籍
していた時期もあったでしたっけ。結局新作の
鬼太郎や「報道ステーション」のナレーション
やることにもなって青二に移籍したけれど)

男性のベテランにかかるあたりでトップ判断
されているのは◆大塚明夫とした上で(基本的
にこの頃の江崎プロには「心ニクイおじさまの
系譜」が存在するのだけど)、この頃期待されて
いる男性声優としては『幽遊白書』の仙水役を
◆納谷六朗と分け合った◆石田彰の名前を挙げて
いる、と(水本完音響監督には気に入られた
ラインには乗っていたので以降も『NINKU』
で赤雷『みどりのマキバオー』で若ぞう役で
起用されている、ともある)。

まあ一番大きな変化として江崎・マウス時代の
看板を長く若手で担っていた石田彰がピアレス
ガーベラに移る代わりに「ボイスアニメージュ」
でのパーフェクトデータでは一行も触れられて
いない(「ボイスニュータイプ」で一度だけ
作られたパーフェクトデータでは2行2役くらい
の演じた作品と役名のみクレジットされるほどの
存在だった)◆小野大輔が男性声優をリードして
いるのが史料からのギャップで伺えると。
(まあそんなゴタゴタの最中にあっさり退所して
(2016年からフリーに)さんざイジられまくる
『おそ松さん』の十四松ポジションに落ち着く
のもまた小野Dらしくはあるのですが)

やはり昔の史料とウィキペとを比較して目に付く
のはベテラン格がごっそり抜けていること。
最長老格はやはり◆谷育子さんが残っている
くらいでしょうか。マウスの後進指導も担って
いる『楽しいムーミン一家』シリーズにおける
ムーミンママ『キョロちゃん』メヤニー『テガミ
バチ』ではラグ・シーイングの育ての母サブリナ
・メリーを演じた方でCMだと「Qoo」のナレー
ションでも耳なじみのある方。あとは先代の
のび太パパ(『ドラえもん(2・3)』時代は
江崎プロの声優で禅譲があった。加藤正之(1993年
死去)から1992年10月にのび太のパパ役を引き継ぎ
2005年まで3代目を演じた◆中庸助さんも健在
ではあるか。
(斉藤昌は2010年7月15日死去、『おじゃる丸』
で小林茶を演じていた野沢雅子の夫こと塚田正昭氏
は2014年1月27日死去、大塚芳忠の妻で元東映
ニューフェイス出身、『闘将ダイモス』のライザや
『装甲騎兵ボトムズ』のフィアナ『ジャングルは
いつもハレのちグゥ』のダマなどを演じた弥永和子
は81プロデュースに移籍した後2014年11月1日67歳没。
鈴置洋孝(2006年8月死去)に寄り添うよう
『無敵鋼人ダイターン3』ギャリソン時田のごとく
静かに息を引き取った北村弘一も2007年10月2日に
亡くなっている)
◆秋元羊介もあやちーこと◆遠藤綾と同じオフィスPAC
(野沢那智が設立した声優事務所)に行ってしまった
し、◆大川透も半年ほど休業宣言をして休んでいた。
男性の若手で最近顕著なのはやはり『3月のライオン』
で桐山零を演じた◆河西健吾の活躍ですかね。
(まあこの人も俗称「くりぃむレモン総合学院」出身、
ではあるのだけど)

この史料作成時の1997年において江崎プロらしさが
観られる基本サンプル作品には《悠久幻想曲》
(井上喜久子、氷上恭子、大谷育江、大塚明夫が
参加していた)を挙げていたのですが、そこからの
遷移を鑑みてもまあ真っ当で堅実な遷移をしている
印象を持つことが出来ました。
(マウスプロモーションへの組織変更は2000年、
松田咲實の淫行逮捕で江崎加子男がアーツビジョンを
援けに行き代表取締役会長に退いたのが2003年、
録音制作部が分離独立し自前のアフレコスタジオ
(スタジオマウス)が構えられたのは2005年、
小野光枝(納谷光枝)さんと納谷六朗氏が亡くなら
れたのが2014年、といふアウトラインを考えても、
なりに成長と育成が両立してはいる事務所なんだな、
といふ印象を受けました)

といふことで「#それは別件で起こす」シリーズ
の1回目はこんな感じで纏まりました。
(まあこのシリーズは不定期にですがやろうかと
思っております。次回もお楽しみに)