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「この人を悼む」・4回目は軍艦島出身のベテラン声優・石森達幸氏(2013年6月5日没)について。

ひとまず「銀英伝参り」も時節の風物詩ではある「初見に
しか出せない悲鳴」が多発するところは過ぎましたし、
ユリアン・ミンツの初陣あたりまでは来ましたが。

最近にわかに注目度が増している(まああざとかわいい
マスコットのいるところとそこの計画と、妥協してしまった
鍋島新幹線の影響も水面下にはあるのか)端島こと軍艦島の
話題がテレビでは時折やってる感じなのですが。

軍艦島出身の方で林原めぐみ(私はROMリスナー歴が
長かったので、「閣下」とつける世代です)が大きな決断
をし軍艦島でアルバムジャケットの撮影をしたきっかけ
にもなった岡崎律子さんの話はよく出てくる代物ですが、
あまり語られず「怒り新党」の「3大○○」でも採りあげ
られるほどの方にも関わらずひっそり亡くなられた声優
さんについてひとしきり語って供養しようかと。

「この人を悼む」シリーズの4回目は、軍艦島(端島)
出身のベテラン声優・石森達幸氏(2013年6月5日没)に
ついて。

石森達幸さんが亡くなられたのは共に同盟側(自由惑星
同盟側)の名将二人の中の人が亡くなった(といふことで
もう一人は賢プロの内海賢二氏。「銀英伝(旧)」だと
シドニー・シトレ)って時節柄でしたので、詳しく纏め
直すのは7月の上旬にしようか、と軌道修正。アムリッツァ
会戦も無事に通過しましたので、この時期に語ることと
します。

石森達幸さんが演じられたアップルトン中将は実質TV
1期15話のみの出演ながら、印象的な母艦「クリシュナ」
が墜ちる前に部下に諭されるも

「私は・・・いい」

と言い残したまま亡くなっていくアニメオリジナルの
演出が観られたわけで)。そんなことを1巻を読みながら
思っておりました。

 で、多分この後おそらく『ペリーヌ物語』について
書いているnoterの記事にコメント付けに行くと思うの
ですが、『ペリーヌ物語』ではロザリーの家で営業して
いる食堂・シャモニーで腕をふるう料理人・セザールを
演じていた。ペリーヌが作った天然スグリのジャムに
感心し、ほかの料理のレシピも聞きたがった人。

そして以下は以前掲示板でまとめていたもののを少しだけ
リライトしたもの。

以前「怒り新党」の「三大○○」で『ミスター味っ子』の
「三大○○」やっとりまして、ちょうどお茶漬け勝負
(例のお茶漬けの中に桜の咲くトリップシーンがある20話で、
「三大味皇のリアクション」の一つにカウント)も
やっとったものですから、確かに芝裕之役を石森達幸さんは
やってたよな、といふ認識を新たにしたものですが、
まさかこの時期に訃報とは、といふ印象でございました。

代表作である『ミスター味っ子』の狂言回しブラボーおじさんは
週刊少年マガジン連載の蛭田達也「コータローまかりとおる!」
でイジられ、本名の須原椎造(すばら・しいぞう)は蛭田の
命名による、とされていますが、テンションの高い講談師の
如く「すばらしいぞう!」「ブラボーっ!」「ハオツー!」
と陽性の張りのある声で展開するさまは『ミスター味っ子』の
アニメ版を特に形成する上で重要なキャラになっていたと
言えよう(その分本編の役である味皇料理会日本料理部主任
だった芝裕之役のクレジットは極端に少なく初登場の3話と
当番回の三大○○でも登場した20話のみのクレジット
だけだったとも)。

元は山田康雄、納谷悟朗、熊倉一雄、瀬能礼子、石津彩
などが在籍したテアトル・エコー設立メンバーの一人。
でも私が観ていた頃にはアーツビジョンのベテラン声優に
納まっている時期ではありました。

「プリンセスメーカー ゆめみる妖精」(1997/01発売)の
キャスティングを観ると1990年代後半のアーツビジョン声優が
御用達で出ているので非常に端的なのですが、アーツの
老婆ポジションといえばペピトーン、マルガリータ役で
「ねるねるねるね」のCMや『魔動王グランゾート』の
V-メイなどで有名な鈴木れい子さんであるように、
アーツの長老ポジションはこの頃特に西村知道(ちどうくん)
と共にクレジットされていたボトラ役の石森達幸さんでした。
(あとは少し下の世代で丸山詠二と岡和男が多かったような)

 でもこの人の印象で鑑みると80-90年代は主人公の
スパーリング相手なり指導する先生(『巨人の星』
『侍ジャイアンツ』の王貞治役『六三四の剣』の権藤先生
『私のあしながおじさん』の演劇部顧問ハーマン・メルノア
など)、晩年は謎の老人や老師(『るろうに剣心』の村長、禰宜
『交響詩篇エウレカセブン』のゴンジイ『精霊の守り人』の
聖導師ヒビトナンや『それゆけ!徹之進』で虎之助じいちゃん
(犬山虎之助)など)といふ印象が強いものなのですが。

『それゆけ!徹之進』はクールを重ねる毎に酷さが増して
なあ。1クール目EDはmihimaruGTの「Life Gauge」だったの
だけど、ED画像流用のままOPED差し替え(因みに次の
mihimaruGTシングルが「気分上々」。あとCD出て来たから
確認したけど「Life Gauge」は2006年3月リリース「さよならの
うた」の2曲目に収録)、30話あたりから酷く原作者が暴れ
廻って、黒歴史へまっしぐらでしたからねえ。

個人的にはその中間で「人格者」にふさわしい役柄を演じて
いたのが印象に残っています(先の芝裕之の他に『銀河英雄
伝説』のアップルトン中将や、『MASTERキートン』の
「砂漠のカーリマン」で出てきたカリム・ムハマド、そして
思い入れの強い『学園戦記ムリョウ』の統原阿僧祇など)。

中でも『学園戦記ムリョウ』の統原阿僧祇は本人の朗らか
でマイペースな感じが程良い感じで作用していて、ソツなく
後進をやんわりと育てている感じがしたのも含めていい作品、
いい役柄、といった感じでありました(そのあたりは流石
声優育成機関でもあった『ミスター味っ子』にもいただけあって、
実際ここの若手は『銀魂』や『鋼の錬金術師』に至るまでの
主力となり、現在に至るまでの約10年以上をリードする主力に
なっているわけで。具体的には釘宮理恵、パクロミ、野島健児、
阪口大助、杉田智和、浅野真澄、渋谷茂、宮崎一成など)。

故人の業績を讃えつつ謹んで石森達幸氏の御冥福をお祈り致します。

「この人を悼む」・4回目は軍艦島出身のベテラン声優・
石森達幸氏(2013年6月5日没)について、でした。