見出し画像

曼荼羅フライト 〈詩〉

太鼓の音に
鐘の音が重なるとき
ふっと軽くなる
輪のひとりになる

光に溶けたような
闇にまぎれたような
形は消えても
気配は残る

まわるまわる
水に流されるように
それとも蝶の乱舞
後に続いて連なるのに
決まりは何もなくて
きみとすれ違うときに
気づいてくれなくても
ひとり微笑む
湖面にはさざなみも立たない

枝分かれしたりひとつになったり
ただ泳ぎ回っているだけで
何かを描いている
わたしはわたしで
きみはたしかにきみだけど
解き放たれたまま転がってく

浮かぶ浮かぶ
まわるまわる
流されゆくさまは
終わりなきベルトコンベアー
苦痛のない旅を続ける仲間たちとともに

この記事が参加している募集

#創作大賞2024

書いてみる

締切:

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?