スピラ旅行記 その44
祈り子の話は思いがけない方向に進んでいきます。ティーダは家の外へ出て夜景を見ながら黙って話を聞くのです。
昔に起こった機械戦争。ベベルの軍隊が機械を駆使していたんですね。眠らない街ザナルカンドと言われるくらいなのでどちらも機械を使った戦争のように思えますが、ザナルカンドは召喚士が戦ったようですので魔法などの文化が強かったのでしょう。
残念ながらザナルカンドがベベルに大敗することは誰の目から見ても明らかでした。せめてカタチだけでも遺そうということで、生き残った召喚士や街の人々が祈り子になったと。
自分たちが愛した街や人を遺そうとしただなんてとても美しい話じゃないですか。だからこの街はひと際きれいに見えるのかもしれません。好き!という気持ちをみんなで束ねた街だから醜い部分などはほとんど存在しませんでしょうし、きっと嫌な奴や犯罪者も住んでたりしないんじゃないかな。
理想郷なのかもしれませんね。マジカントみたいなさ。
街の上部、水の陸橋のようなもの、よく見るとあそこにも建物がありますね。富裕層の住居かな。
ザナルカンドの一般市民が建物や友人家族を想って形作り、召喚士達がそれらをまとめて束ねて街を作ったのかな。ティーダやジェクトなどの有名人(憧れのスポーツ選手)は一人の想いではなく大勢の人々が想い描いたことでしょうから、その分色んな一面を持つ人物として召喚されてたのではないでしょうか。例えば個性や自我をしっかりもっていて、ひとりでに動き出してこの世界の常識を破って外へ飛び出したのも、そういうところからきているのだと思います。
まさかの展開。
ここまでヒロインのユウナを死なせまいと奔走してきた旅でしたが、実はティーダこそがおぼろげで儚い存在だったのです。ティーダもここまで話を聞いていて徐々に自分の存在も実態が無いのだと勘付き始めます。
実際に祈り子から事実を明かされても取り乱したりはせず、小さな反発をもって静かに飲み込むように受け入れます。
祈り子たちも1000年間の眠りで疲れ果てています。理想郷を遺したかった気持ちは本物ですが、さすがに限界が近づいているようです。夢を見ながら浅い眠りで夢を見続けていると考えればなるほど。彼らももともと人間ですからね。全ての意識を手放して楽になりたい気持ちがあるのは当然でしょう。
ふと祈りの力、夢見る力が弱まると辺りは一転。
おどろおどろしい海と半ば溶けたような建物に・・・。
悪夢を見ているようなシーンに変わります。
疲れからきれいな夢を見続けることが難しくなっているのか、悪夢の頻度が増えたのか、そんなことを考えさせられるシーンです。壁面の人々ももしかしたら一部の数人はすでに意識を手放しており、ザナルカンドも1000年前より小さくなっていたり人が減っていたりするかもしれませんね。
とにかくもう深い眠りと良質な夢を昔のように見続けることが困難になってきています。このままではティーダは消えてしまいます。
祈り子代表で話しかけて来ているバハムートの子も「疲れちゃった」と話しています。そろそろみんなのピリオドを打ちたいのです。キミたち親子なら僕たちを眠らせてくれるかな、とティーダに託す希望を打ち明けます。
残酷な話ですよ。人助けのために祈り子たちの魂を解放すれば自分の存在も無くなるんですから。それこそ昔生きていたという事実すら危うい中、現世でも存在が無くなり「完全な無」になってしまう可能性だってありますからね。
ちょっと自暴自棄な考えだってよぎったはずですよ。
頑張ったって意味ないじゃん、俺はこの世に存在しないんだから、と。
しかしティーダは夢を作り出す者の夢。
この後も前向きに状況を捉え、しっかり前を向いて走り続けるんです。
こういう性格もきっと前述したティーダの個性の成り立ちから来ていると思います。
キミは 夢を終わらせる夢に なれるかもしれない・・・
勝手なもんですよ。
しかしティーダは言葉通り、私たちプレイヤーの気持ちも置き去りにしてまっすぐ走っていくのです。最後まで彼の物語を見届けましょう。目を背けたりせずに。
みんなはほっとした様子。
ティーダは今の出来事をぐっと飲み込んで明るく言うのです。
伸びをしながら「よく寝たし 気力回復!んじゃ、行くっス!」と。
泉のあった場所から上の方までずっと続いています。どれだけの人が自ら命を差し出したのでしょう。こんな長く辛いことになるとも知らず。
前回の旅行記で泉から立ち昇る緑の柱の写真載せたの覚えていますか?
淡い緑の霧のような魔力がねじれるように水柱のようになっていたのですが、まさに夢を「束ねている」という表現がぴったりだと感じました。合同で召喚しているというより、みんなの思念や祈りをまとめるでも繋げるでもなく「束ねている」んです。
あー、もっと勉強してこういう細かなニュアンスの伝え方学ばないとなー!悔しい!!
さてまだまだ山頂目指して進んでいきますよ。少し洞窟に入ります。
ここではシリーズお馴染みのベヒーモスが登場します。
やはり攻撃力が高く、油断すると全滅の恐れ。気を抜くなー!と引き締まる思いです。
あと何よりスピラのベヒーモスのデザインすんげー好みなんですよ。
ザ・モンスター!ザ・魔物!
って感じしません?ドラゴン系じゃなく獣系なの良いよね!筋骨隆々でツノやツメもわかりやすくゴツくて、獣らしい毛の生えた尻尾も💮
このルールーの信頼度爆発発言もすごくよくないですか?
ごめんね、とかそういうのは無くて、適任者にしっかり任す。余計な心配はしないけど何が起きても3人だけで切り抜けて、という発言に「油断せず生き抜いて生きて帰って来い」という喝を入れるような背筋が伸びるようなパリッと感が込められてるんですよね。
さっき気を失ったばかりのティーダが心配なんですよね。
原因もわかりませんし白魔法担当としては当然か。
ここの水ってガガゼト山の雪解け水とか湧き水ですよね?
めちゃくちゃ冷たいやん、寒いやん。大丈夫じゃないよね、彼ら。
早く探索を終えて帰ってきてもらいましょう。
水路を抜けていくと不思議なオブジェが。
光の玉を包み込むようなデザインで、2層になった殻がぐるぐると回り続けている感じ。タイミングよくボールを投げて光のコアに触れることができると宝箱が開けられる。何が入ってたかよく覚えていません。割と地味。笑
水中にある光の穴にカラダのサイズに合わせて潜り込むだけの作業。なんだこれ、と毎回思ってしまいます。ここでも宝箱が手に入ります。やはりこちらも中身は覚えていません。それくらい地味。笑
マカラーニャの森とはまた違った幻想さを放つガガゼト山の洞窟内。キノコ岩のようになった鉱石は光を放ち、不純物が限りなくゼロのここの水は澄み切っていて美しいです。
無意味に泳いで場の雰囲気を堪能してしまいます。
絵の才能があったら描きたいマップが山ほどある、それがFF10。
純粋に観光を楽しんでしまいます。
覚えてますか?ベベルの地下水路で話したフレジアス類の魔物です。
悪魔の様な獣のような外見で、召喚獣に近い存在と言われているとかなんとか言いましたよね。このガガゼト山ではよく出現します。修行中の召喚士のなれの果てなんて話もありますし、改めて思うのはこの雪山で命を落とす者の多さを物語っているのだと思います。
こういう形状の岩ってなんて言えばいいんだろう。
調べても参考資料出てこないんだよね。キノコ岩はあるけど違うんだ。
最後尾を歩いていたアーロンとユウナ。
珍しくアーロンが話しかけ、この先に聖獣が待ち受けているなどのネタバレを話してくれます。
強い門番だから心づもりをさせておくべきだと思ったのか、はたまたもう成長した彼女であれば先回りして話しても真実は自分の目で確かめる姿勢を崩さないだろうと判断したからなのか。
歴史上最初にシンを倒したあの伝説の召喚士ユウナレスカが今もザナルカンド遺跡にいて強い召喚士の訪れを待っている。召喚士はもちろんスピラの民なら驚きを隠せないことでしょう。1000年前の歴史上の偉人ですから。
ユウナレスカも死人であることをアーロンは隠しません。伝えた上で「おじけづいたか?」と尋ねると、きっぱりとユウナはいいえと答えます。
もう 何も怖くないんです。
たくさんの理不尽に振り回されながら、それでも目を背けずに真実を受け止め続けてきた彼女。辛くないと言えば嘘になりますが、投げやりとは違う「怖くない」という発言。芯から変わった彼女の成長ぶり、強さがここでまた証明されます。
アーロンは「ブラスカの娘だな」と称賛の意を込めて話します。
ユウナは早く来いよ~といった様子のメンバーを見ながら「最後までそうありたいと思っています」と返すんです。
くぅ~~~~~
沁みる、心に沁みる、鼻がツーンとなる
そんな大好きなシーンです。
親子愛、仲間の絆、色んな信頼関係が複雑に絡み合って最高。
大好きFF10。
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