星野源動画からコロナ禍でも変わらない日本社会が見えたという話.

星野源さんが「おうちで踊ろう」動画をインスタで公開したのは4月2日.Twitterに再投稿されたのが4月3日でした.

それに対して,たくさんのアーティストが「うちで踊ろう」コラボ動画を作って皆さんを楽しませていたわけですが,そんな中4月12日まさかの安倍総理突然の参戦で,一気に様相がおかしくなりました.

これに対して,動画に対する文句を言う人たちと,擁護する人たちに分かれて論争が巻き起こったわけです.

そこで,せっかくなのでデータの分析をしてみました.「星野源」「うちで踊ろう」でデータを収集していたので,その分析です.類似したツイート同士をネットワークで結ぶことで,どんな意見がツイートされていたのかを分析しました.使ったのは世界的AI研究者榊剛史さんと開発した,RTしたユーザから類似ツイートを検出しネットワークを構築する手法です.

作られたネットワークがこんな感じです.きれいに「星野源とアーチストたち」「安倍総理批判ツイート群」「安倍総理擁護ツイート群」に分かれました.

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これからわかることは,アーティストたちのツイートに興味がある人たちと,政治論争をしている人たちは別の人たちだったということです.
安倍総理を批判したい人も擁護したい人も星野源の「うちで踊ろう」とそれとコラボしていたアーティストにはあんまり興味がないのか,アーティストたちのファンはそんなことあんまり気にしていないのか.

コロナ禍が始まってから,やたらと政治論争が多い気がしますが,マスクの時と言い,今回と言い,どうも政治論争をしたい人たちは論争のネタ,というよりお互いに相手を叩く機会を虎視眈々と狙っていて,見つけたら元ネタはさておき,政治批判をするために利用しているんじゃないのか?という疑問がわいてきてしまいます.もっと平和に行こうよ.

なんて思っていたら,5月に入って突然様相が変わってきました.なんと第4の勢力が生まれてきたのです.それが,星野源ネタ動画グループです.一番有名なのはこれでしょうか.

星野源さんの動画を全然関係ないものに見立てて動画を再構成するシリーズです.5月1日に「豆腐の容器を空けるのに悪戦苦闘する星野源さん」が投稿されてから一気に広まりました.
皆センスあるなあ.

これがまた何とも一大勢力になってしまって,星野源関連ツイートのネットワークを作ると,5月以降はこんな感じになってしまいました.

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もう完全に4派にわかれた状態になってしまいました.これ,分析して国際会議で発表しようかと思ってたのに,この第4の勢力はどう説明すればいいんだw ミームの力おそるべしです.

しかもこれ,どのくらい類似していればリンクを張るかを変えられるのですが,10%くらい似ていればリンクを張るようにすると,

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見事に「豆腐の容器を空けるのに悪戦苦闘する星野源さん」が各勢力の割と中心的な位置に来たりします.
日本のツイッターではどんなトピックでも大喜利が一番人気になるといわれていますが,まさにそれが体現された感じです.

よかった,このコロナ禍でも日本のツイッターはやっぱり日本のツイッターだったんだ.

さて,最後に個人的な意見を言うと,総理大臣が星野源のコラボに乗っかろうが何しようが構わないとは思いますが,コラボしたツイートするなら,ハッシュタグを入れるとか,星野源と書くとかなんとかしろと言いたいです.おかげで安倍総理のツイートは引っ掛からなくて,データ取り損ねたやんけ.
その点は,許さん.



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