どえらい確率で肺高血圧症という難病を引き当てたものの意外と元気に生きています。 物書き…

どえらい確率で肺高血圧症という難病を引き当てたものの意外と元気に生きています。 物書きには縁遠いただの出力マシン。

最近の記事

う つ り ゆ く

人生に変化はつきものというが、こと今年に関しては、これからの私の人生に起こる変化を前借りしてきたのではないかと思うほどに一挙に押し寄せてきた。 未だ四半世紀生きたかどうかというところの人生初心者は、この大きな波に呑まれ翻弄され、ここ最近になってようやく安息の地を得たような心地でいる。いやはや疲れた。 ということで押し寄せてきた変化たちをここに記録として残しておく。 1.退職&転職した 兼ねてより準備していたことであるが、この春ついに新卒から勤め上げた職場を退職した。

    • 溶けていく時間

      ままならないな、と思う。 ここ最近ずっとそうだ。 貴重な週末、心地よい気温、晴れ予報 ひっきりなしに流れてくる友人たちの美味しそうなご飯やら美しい景色やらの写真 それらが全て、部屋でうずくまる私を責め立てる。 「こんなに天気が良いのに外に出ないなんて」 「やらなきゃいけないことはたくさんあるのに」 「また今日も何もせずに終えるのか」 自分の中から湧き上がる声に追い立てられるように、パソコンや読みかけの小説を鞄に放り込んであてもなく外に出る。 午前中は何もできなか

      • 転職するぞ!という所信表明

        読んで字の如く、タイトル通りの内容です。 私は現在、新卒で総合職採用された職場で働いている。 それなりに名の知れた企業で、制度もかなり整っていて、環境も人も申し分無くて、仕事自体もやりがいがあって 日々の不満は多々あれど、それが「うーん、辞めるか!」となるほどでは無かった。 病気が発覚するまでは。 ちょうど今から1年前、あれよあれよという間に病人となり、通院やら入院やらで職場に多大な迷惑をかけた際も 当時の上司や先輩たちは申し訳ないくらいにフォローしてくれ、時間や休み

        • 健康優良児、難病患者になる 〜病名発覚篇〜

          ※「身体の異変篇」の続きです。 2022年5月 初めての受診 「あんた足むくみすぎじゃない?」 ゴールデンウィークで帰省していた私に母が言った。 そう、4月の中頃から、腰から下の下半身が昼夜問わずパンパンに浮腫むようになっていた。 明らかな心不全症状である。 しかし「浮腫み」というものがあまりに身近だったせいか、 「なんかねぇ、マッサージはしてるんだけど」 なんて返しつつ、おかしいなぁと言いながら浮腫み取りのマッサージをしたり着圧ソックスを履いたりして過ごしていた。

        う つ り ゆ く

          健康優良児、難病患者になる 〜身体の異変篇〜

          なんて言い回しが浮かんできてしまうくらいには、私は恵まれた健康体だった。 というのも生まれてこの方、 大きな怪我といえば幼稚園児の頃に頭から転んで3針縫ったことくらい 病院通いは矯正歯科に通ったことくらい かかった病気といえばインフルエンザくらい …といったように、とにかく怪我病気とはほぼ無縁な人生だったのだ。 そんな私があれよあれよという間に立派な難病患者になった経緯を、ここに残しておこうと思う。 本当に健康だった頃 ここは軽めに。 以前の私は上にも書いた通り、と

          健康優良児、難病患者になる 〜身体の異変篇〜

          2022年(主に難病のこと)

          2022年が終わろうとしている 今年がどんな1年かと聞かれたとして、まあオフィシャルには「成長の1年でした」とか言うだろうけど (オフィシャルで言う場面など無いが) 個人的に今年ほど「激動」という言葉が相応しい年は無いと思う 病気を告げられ、病気を受け入れ、向き合い、共に生きる術を模索した 先の見えない暗闇の中でひたすら明るい方を目指してもがき続けていた こんなことを言うのもあれだが、今までの人生はかなり順風満帆だったと思う そんな自分がいきなりどん底に突き落とされたの

          2022年(主に難病のこと)

          肺動脈性肺高血圧症 …って何よ?

          唐突な告白で失礼するが、私は難病患者である。 それも結構なりたて。 難病ルーキーとでも言うべきか。言わないべきかもしれない。 とにかく私は今現在難病と共に生きている。多分これから先も。 その病気の名前こそが、「肺動脈性肺高血圧症」だ。 “高血圧”なんてついてるから、 健康診断で「あー血圧高いですねー、ちょっと運動しましょうかー」とか言われて焦る…といったいわゆる生活習慣病の「高血圧」の類と思われてしまいそうだが、 こちらはれっきとした「指定難病」である。 現在、この

          肺動脈性肺高血圧症 …って何よ?

          手の中の理想郷

          疲れた。ものすごく疲れた。 まだ週半ばだというのに、身体は悲鳴を上げることすらできず ただひたすら、目の前を流れる事象を受け流すだけの装置と化している。 このままだと今週を乗り切れるかどうかすら危うい。 勤勉な労働者たる私は、疲労なんぞに振り回されるわけにはいかないのだ。 こういう時は、美味いものを摂取するに限る。 「食」ほど手っ取り早く、ありとあらゆるネガティブを解消できる手段はないだろう。 しかし身も心もよれている時は、外食をする気力すら湧かない。 大人しく近所

          手の中の理想郷

          豚汁をつくる

          鍋を手に入れた。 せいぜい小鍋ラーメンができるようなサイズではなく、カレーも肉じゃがもバッチコイなちゃんとした両手鍋。 とまあ大層なことのように書いてしまったが、先日祖母が「貰ったけど使わないから」と譲ってくれたものをありがたく頂戴してきただけである。 さて何を作ろうか。 冷蔵庫を検分したところ、数日前に買った豚肉を発見した。 そういえば少し前に買いだめしたじゃがいもや玉ねぎもそろそろ使わないとまずいような気がする。 .......しばし熟考。だがピンとくるものが無い

          豚汁をつくる

          「中野重治詩集」の良さについて語らせてくれ

          先日の岩波文庫の一括重版でこちらの「中野重治詩集」も重版がかかり、再び書店に並ぶようになりました。 ―いや、長かった。お前をどれだけ探したことか。 本の存在を知ってからというもの、方々の書店を探し回りお店の人に尋ねては 「絶版になっちゃってますねぇ...😥」 と残念そうな顔をされ 意を決して向かった神保町では古書の海に溺れて遭難し この本と相見えることはこの先無いのだろうかと諦めていたところだった。 ありがとう岩波文庫様。いつもお世話になっています。 という訳で、前置

          「中野重治詩集」の良さについて語らせてくれ

          「行きつけ」を見つけた話

          一人暮らしを始めてはや数ヶ月。 生活環境は整い、暮らしに余裕も出てきた。 今こそ憧れを形にする時かもしれない。 そう 「行きつけの店」を見つけたい 本当は全人類の夢である「行きつけの居酒屋」が欲しいところだが、このご時世ではなかなか難しい。 なんせ近所の居酒屋はこの数ヶ月軒並み休業中だ。 ※「行きつけの居酒屋」イメージ図 かくして私の「行きつけの店」開拓計画はしばらくの間中止を余儀なくされていた。 さて話は変わって、私は今の暮らしを始めてから最近まである悩みを抱

          「行きつけ」を見つけた話