マガジンのカバー画像

「夜天一族」第二章「月の聲が聴こえる」

9
運営しているクリエイター

#チャネリング

「夜天一族」第十章

「夜天一族」第十章

第十章 「天上の館」テンジョウノヤカタ

月を統べる月天人(テンジョウビト)がいる。
その聖なる領域は「月神殿」もしくは「天上の館」と呼ばれている。
月を信仰する者の拠り所として頂点に君臨しているが、その実情はいつ放棄してやろうかと四六時中考えているのである。
「ねぇ、王女?アタシ達ってば、いつここに来たのかしら?ここって月の裏側じゃないわよね。ってゆーかここ何処なのかしら」
目の前には巨大な山の

もっとみる
「夜天一族」第九章

「夜天一族」第九章

第九章 「静かなる波の涯て」シズカナルナミノハテ

「ねぇ、コン兄。アタシ達、いつまで経っても最終目的地に到着しないのはどうしてかしら?」
長兄と遭遇して、一緒に月の女神の居城に乗り込むつもりで意識を集中させた。
ここ、月の塔は想念が具現化する場である。
それを信じて目標を定めたはずなのに、一向にたどり着けないでいた。
「さぁ?私に訊かれても理解し兼ねるが・・・ここがどんなところなのかさえ知らぬの

もっとみる
「夜天一族」第八章

「夜天一族」第八章

第八章「魔法の言葉を唱えましょう」マホウノコトバヲトナエマショウ

天井を二つの睛が不思議そうに視詰めている。
「お兄さまとセイちゃんはナニをしてますの?それに月の貴公子までご一緒ですのね」
コザル王女が辿り着いたのは光りに溢れた空間であったが、天井部分に当たる上空では星葉とコザル王子と月の貴公子ことユージン・ムーンシャインが、ナゼか同空間にいるようだった。
「アラアラ」
コザル王女の隣りで同じく

もっとみる
「夜天一族」第一章

「夜天一族」第一章

チャネリングファンタジー小説

第一章 「彷徨う小鳥」サマヨウコトリ

そう 夢を視ていた日を忘れないでいる

いつの日も最後の唄を

天上を走り唄声は駆ける

地上にはカミサマがいるのにさ

ナゼか女神の唄声だけが聴こえているのに

王様だけは余所を視ている

シナリオの始めはすでに出来ている

探る様に王は口を閉ざし

去りゆく今の現実は過去からのメッセージ

あなた達の愛は何処にあるのか ず

もっとみる