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高橋宣之写真集『鳥の歌 El Cant dels Ocells』

高橋宣之写真集『鳥の歌 El Cant dels Ocells』が刊行されました。
本ページでは写真集の刊行にあわせ、批評や情報を発信していきます。

長い眠りから醒めたスペインの遠い記憶、
人々が織りなす名もなき尊き物語の数々

「水系の写真家」と称される高橋宣之。その原点を垣間見る未発表作品を一冊に収めました。フォトグラファーとしてキャリアを歩みはじめる以前、同氏がスペインの大学に3年間の名誉留学中だった1969年から1972年、再訪した1977年に、サラゴサ、バルセロナ、パンプロナ、ソリアなどで撮影されたモノクロ作品群です。
 記憶の彼方にあった数百ものカットは、長い眠りから醒め、まるで一編の映画のようにスペインの在りし日のさまを私たちの眼前に繰り広げ、人びとが織りなす名もなく尊き物語の数々を伝えます。
 舞台は激しい内戦から30年を経た独裁政権下のスペイン。経済は大きく後退し、社会は疲弊、国民に対する厳しい言論統制が敷かれ、地方自治は否定され、カタルーニャやバスクなどでは公の場で民族固有の言語を使うことすら禁じられていました。翳りをたたえた時代の空気、一方で決して色褪せることのない青春の喜び、人びとの素朴なたたずまい、生気に満ち溢れた子どもたちの表情、あるいは街角の何気ない光景―高橋宣之はそれらを伸びやかに活写しています。
 スペインでの撮影から50年余り。世界が大きく混乱する今、本書は、飽和した情報の渦に飲まれて見失われがちなかけがえのない日常、深い生の実感を私たちに届けてくれることでしょう。

花の髪飾りのアンヘリータ サラゴサ、1977年
やすらぎの朝 バルセロナ、1972年
定価:3,850円
(本体3,500円+税10%)
※別途送料(国内一律1冊520円)
判型:B6変型 (128×172×31㎜)
頁数:384頁
製本:PUR並製本/カバー装

◇ご注文は下記サイトより
www.at-orphee.com/#torinouta

封印が解かれた闘牛の道 パンプロナ、1972年

高橋宣之写真展

『鳥の歌 El Cant dels Ocells』

フジフイルム スクエア 写真歴史博物館(六本木)
2023年6月29日(木)~9月27日(水) 最終日は16:00まで
※写真集は展覧会の会場でもお求めいただけます。
https://fujifilmsquare.jp/exhibition/230629_05.html

◇ギャラリートークのお知らせ

高橋宣之氏によるギャラリートークを開催します。サイン会も行います。

①8/5(土)13:00~13:50
②8/6(日)13:00~13:50
③9/17(日)13:00~13:50
④9/18(月・祝)13:00~13:50






 





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