新しき『カミカゼ』


日本人は元寇以来、『神風』を信じてきた。

しかし、その『神風』が無意味な偶像にすぎなかったのは、太平洋戦争による敗北が示すように明らかである。

だが、日本人は今でもこの『神風』のようなものを信じている。

例を挙げるならば、原子力発電の安全神話である。

しかし、この安全神話も無意味な偶像にすぎなかったのは、福島第一原子力発電所の津波被害が示すように明らかとなった。

そこで、日本人のこのような一つの言葉による、集団催眠により思考停止したかのような根拠のない妄信を私は敢えてカタカナで『カミカゼ』と定義したい。

今の日本で、再びこの『カミカゼ』がおこっている。

それは、原子力発電所の再稼動で唱えられている『世界で最も厳しい安全基準』である。

この言葉で、あたかも原子力発電所を再稼動しても問題ないかのよう喧伝している。

これを新しき『カミカゼ』と呼ばずにはいられない。



2014年10月30日にmixiにアップしたものを、そのまま転載しております。

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