パンの話。
美味しいパンが食べたい。
美味しいパンって世の中いっぱいある。
でも本当に自分の好みのパンは数えるほどしかない。
高級食パンの専門店が流行っていたとき、とにかくあちこちに店ができて、行列になるのが理解できなかった。
バターとか生クリームとか蜂蜜とか、入れたらそりゃ美味しいに決まってる。
そんな時、180度逆路線をいく食パンに出会って衝撃を受けた。
材料:小麦粉、水、酵母。
以上。
(塩は入ってたかな、、どうだっけ)
トーストして供されたそれは、ザクッともちもちで水分たっぷりで、きちんと小麦の味がする。上に置かれたバターと餡子がとんでもないご馳走に思えた。
こんなにシンプルなものをこんなに美味しく作れるってすごいと驚嘆した。
そのパン屋さんは地方のお店だったので、同じ県まで行った時はこれ幸いと無理矢理足を伸ばしてパンを買うためだけにその駅で下車したくらい、虜になってしまった。
それから早三年、新型ウイルスによる未曾有の事態により再訪は叶わなかった。
が、最近、通販をごく限られたタイミングで募集されるようになり、私はもちろん狂喜乱舞した。
自分の店の焼き菓子も日常のものであってほしいと思って作っているけど、それ以上にパンって日常に根ざしたものだと思うので、近所にお気に入りのパン屋があって、そこで「いつもの」が買えることが理想だと思っている。
できれば、朝起きて「あ、パン食べたい」と思った時に寝巻きに羽織でつっかけサンダルで買いに行けるくらいの店があると最高だ。
そう思っていても、やっぱり惚れ込んだ店のパンが通販で手元に届くのは嬉しかった。
あぁ美味しいパンが食べたい。
寝付けない明け方にベッドの中でこれを書いているのだけど、あと2時間したら冷凍庫に大事に取っておいた美味しいパンを食べていいことにしよう。
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