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一日一首、700日分の歌から35首を自選してみた。

こんにちは、武勢みさきです。

日記のようにだいたい毎日なにかしら、noteに歌を書き付けている者です。正確にはキーボードで叩き付けたり、指先でスマホに摺り込んだり、です。音声入力はまだ試してみたことないのですが、そうなったら「歌をマイクで吹き込んだり」って言っていいのかな。それはずいぶん格好良いですね。

さてさて、2019年の夏から早2年。note365日連続更新のバッジはまだ獲得できていませんが、ここにある野良短歌は先日700首を超えました。
いっそ、バッジ欲しい欲しい詐欺師を名乗っていつまでも狙い続け、これからも毎日何か書くモチベーションにしたほうが有意義かもしれません。

今日は700首のキリ番記念として自選に取り組みました。

700首の中から35首、割合としては5%の上澄みです。ただ並べるのもつまらない気がしたので、せっかくのラッキーナンバー「7」にあやかって(?)歌を7つの主題に分類してみました。
よければ眺めてってください。


どんなかたちでも好きは好き、五首


君のこと分かりたい。けどそれだけで、相互理解は求めてなくて
淋しさをバケツに貯めて思い切り貴方の足に打ち水したい
永遠に交わりのない平行線 故に果てまで傍に居られる
笑顔より困り顔のが好きだけど 困らせるのは嫌で困った
手探りで落ち穂を拾うようにして愛を余さず集めて回る


全部終わってから始まる、五首


思い出の中ならすべてかなうのに貴方の顔が朧で困る
あきらめた途端出てくる失せ物を信じて君を忘れたものの
土砂降りの雲の真下で待っている あなたへ届く虹が立つのを
走馬灯何度再上映しても モブの影にすらあなたは居ない
この部屋にあるもの、どれも思い出じゃなくて復号できない記録


自分の顔が向く方を「前」と呼ぶ、五首


繰り返し三日坊主をやり直す図太さを取り柄と呼んでおく
面倒なことは明日の自分へと投げ捨てジャーマンスープレックス
仕方ない何はなくとも息はある まだ生きてるし生き延びるらしい
倒れても倒れてもただ起き上がる 負け方はまだ身についてない
何度目の挑戦なのか忘れても挑戦をするのは忘れない


かなわないから願い続けられる、五首


私とてホモ・サピエンス・サピエンス 人間らしい暮らしがしたい
神様のいちばん大きなおしごとは全てに終わりを用意したこと
魂をミントの枝に挿してみる早く育って増えて戻って
花ならばきっと何でもいいんだろう 互いに生きて手渡せたなら
夏は雪 冬は桜を夢にみる 今を見ないで憧ればかり


威風堂々ぼっち上等、五首


親族と同僚の名を書き込んで終活ノートが余白で終わる
ガラス越し山椒魚もわたくしも夢は互いに「そこへいきたい」
花の名を誰に教えることもなく今年の春もただ過ぎていく
泣くほどの人恋しさに、私まだヒトだったわと安堵する夜
暗がりで息をひそめて朝を待つだけの簡単なお仕事です


呪いとは君と私の最後の共同作業、五首


この青は君の嫌いな色だから魔除けのようについ着てしまう
神はその御業で全てゆるし給う許せぬままに泣く吾の夜をも
もう着ない服があるなら送ってよ 藁人形が寒がっててさ
よかったね。私は君を許さないけど、神様は許しなさるよ
穴二つ掘り抜く前に成就してこいつと二人並んで屈葬


SF(そこはかとなくファンタジック)、五首


ぐずる子をあやす手前で目が覚めた。夢よ、ごはんを食べさせたげて。
「お客様の中にサンタはいませんか」戸惑う乗客、手を挙げる彼
千年後、火星に暮らす人類の言う「空色」はやや錆びた赤
伝説の「バカにはみえない」服を着た王は、確かに賢くみえた
あの星はシリウス。君がいま見てる光と、君は同い年だよ

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