大好きな傘の話をしよう
わが家には傘が2本ある。
パートナーと私で1本ずつ使っているのだけど、どちらも元は私の傘だ。
これが、本当に本当にお気に入りなのである。
まずは、傘探し迷走期の話をしたい。
親が買ってくれた、小学生の頃から使っているちょっと幼いデザインの傘がいやになった時があった。
中学生か、高校生くらいだろうか。
実家には傘がたくさんあったので、親の傘を借りたり、無色透明のビニール傘をてきとうに使って凌いでいたけれど、自分だけのお気に入りの傘を持ちたいと思ったのだ。
ひとつだけ決めたポイントは、「持つならビニール傘がいい」ということ。
たぶん、『ハチミツとクローバー』だったと思う。
漫画のページの片隅に載っていたコラム部分で、羽海野チカ先生が「ビニール傘が好き。雨の日も空が明るく見えるから」という旨のことを描いていて、ビビッときたのだ。
かと言って、せっかくお気に入りの傘を探すなら無色透明の傘は味気ない。
そこから、可愛いビニール傘を探す旅が始まった。
大袈裟に聞こえるけれど、傘っていざお気に入りを探そうと思うとなかなか難しいのだ。
ビニール傘は特に安価なものが多いので、チープなデザインも多く、これぞ!というこだわりの1本が見つからない。
最初に見つけたのは、クラゲの傘だった。
YouTubeで好きなスタイリストさんが紹介しているのを観て、ミズクラゲを模したデザインに一目惚れし、即購入。
確か新卒で就職した一年後あたりのことなので、それまで実に10年近く傘を探し続けていたことになる。
雨の日にこの傘を差すと、自分も水の中をふわふわただようクラゲになったような気分でうきうきした。
転職活動中に面接先に置き忘れた時は、後日片道1時間半かけて取りに行ったほど大好きな傘だった。
たまたま仕事先でまったく同じ傘を使っていた人がいたこともあり、手放してしまったので今は持っていない。
次に迎え入れたのが、ステンドグラスの傘。
こちらもクラゲ傘と同じく、YOU+MORE!の商品。
偶然ネットで見つけて即購入し、以来ずっと大事に使っている。
ほんの少し大きめ(全長が長め)ではあるのだけど、ワンタッチで使いやすく、雨の日のやわらかな光が差し込むとなんとも綺麗なのだ。
もう1本は、ボタニカルなリーフ柄の傘。
こちらは、家族でアウトレットモールに行った際、大雨が降ってきてその場凌ぎのために親が購入したもの。
自分が選んだわけでもなく、買おうと思っていたものでもないのだけれど、あまりにデザインが好みだったので次の日から自分用の傘として使うことにした。
ワンタッチではないけれど、シンプルかつナチュラルで、メンズライクな服装でも合うのでこちらもお気に入り。
ビニール傘の寿命はそう長くないとは思うけれど、できるだけ大切に、長く愛用していきたいと思う。
最近では、オールプラスチックでまるごとリサイクルできたり、分解して自分で傘生地を張り替えられるビニール傘も出ている。
サスティナブルでとても魅力的なので、好みのデザインが現れたら買ってもいいな、と思っている。
それまでは、やっと出会えた2本の傘たちと共に、幾度も訪れる雨の日を心楽しく過ごしていきたい。
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