【いつかの沼記録】アクセサリー
アクセサリーをとにかく集めたかった時期があった。
幼少期にチョコのおまけがついたジュエルネックレスみたいなのを集めていたことから始まり、洋服にそこまで興味がなかった時期も、毎月のようにアクセサリーを購入していた。
隙あらばアクセサリーショップや雑貨売り場に入り浸り、目を皿のようにして好みのアクセサリーを探す。
会社員時代は特に、いやな出勤を耐え忍ぶための盾であり鎧としてアクセサリーを身につけていたように思う。
好みのアクセサリーは、その時々によって変わった。
会社員時代にハマっていたのは、ちょっとハンドメイド感のある個性的なアクセサリー。
パルナートポックというブランドが好きで、リングやネックレスを愛用していた。
もうほとんど手放してしまったけど、印象に残っているのは温度によって色が変わる石のついたリング。
冬の寒い日につけて、屋内外を行き来したり、息を吹きかけて擦ったりするたびに色を変えるその石が、魔法のこめられた御守りのように思えた。
そして、会社を辞めて自粛期間に突入した頃にハマったのがバングル集め。
海外のアンティークショップにありそうな、大ぶりで存在感のあるバングルがとにかく欲しくて、たくさん集めていた。
そして一番好きだったアクセサリーが、イヤリング。
つけないと耳元がどうにも寂しい気がして、毎日どのイヤリングをつけようか鏡の前で思案していた。
そうして集めたアクセサリーは、もうほとんど手元に残っていない。
ネックレスはもともとそこまで好きじゃなかったし、リングやバングルは邪魔に思えるようになった。
イヤリングは、耳が痛くなることが増えたのをきっかけにほとんど処分してしまった。
アクセサリーは一、二個しか持たないというミニマリズムに憧れたというのもある。
しかし、また少しずつアクセサリーを集めようかと思い始めたのだ。
趣味の着物活動をもっと充実させたいと思ったのが、その理由。
水族館に魚の帯留をつけていったり、映画や舞台を観るときに作品のイメージに合ったアクセサリーをあわせたら着物がもっと楽しく着られると考えたのだ。
前にもそうやってたくさん帯留やブローチやイヤリングを集めたけれど、今回は以前よりも慎重に。
特定の日にしか使えないようなデザインは避けて、たくさんのイメージを連想できるような抽象的なデザインを優先。
買う時は、他のアクセサリーとの親和性も考えつつ、どれだけやりたいコーディネートが思い浮かぶか、何歳になっても使いたいと思えそうかという基準で選ぶ。
最近、アール・ヌーヴォーだかアール・デコだか風の、モダンなデザインの帯留をお迎えした。
見ようによっては月や翼の形にも見えて、イメージコーデがしやすそうだったから。
色がシルバーだったので、今は持っていないシルバーか、ミックスカラーのイヤリングをお迎えしようかと検討中。
少しずつ、少しずつ、不要なものは順次手放しながら、好きなものたちを再び集め出している。
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