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♯7 韓国ソウル・ノサンホ個展「HOLY」

韓国に行った最大の目的はノ・サンホさんの個展を見ること、6年くらい前にたまたま入ったギャラリーでの展示が強烈で一発でファンになってしまった。今回はXで展示を知って韓国行きのチケットを取った次第です🛩

相変わらずの毛むくじゃら具合で笑ってしまうアラリオギャラリーの外観

前回の展示では凄まじい量のドローイングを見せてくれたので今回も描き溜めたものを見せてくれるんだろうかと予想していたら、正反対に大きめのキャンバス絵をしっかりと見せてくれる腰の据わった展示でした。

作家はインターネット上のデジタル画像を収集し、異なった風景やパーツをまるでパズルのように組みあわせて1枚絵に描きおこす事で「異様な光景」を生み出しています。作品のパーツの中には映画のワンシーンやK-POPアイドル、日本のアニメキャラクターも垣間見られ圧縮された情報量に脳が若干のバグを起こす面白さを感じさせる。

今回の展示「HOLY」はAI生成された画像を選び、アナログに描き起こす試みを実践。会場にはAI技術が生む異様な光景(指が6本ある人間など)が並んでいた。雪山に現れる発光する鹿や宙に浮く牛など、神秘的?な印象もあるものの「一体何が起こってるんだ?」っていう疑問がずっと拭えなくて楽しい。足を進めていけば何とも言えない不気味さがどんどん濃くなっていく。この不気味さってまさにAI生成画像に発生するバグととても似てて「人間っぽいのに何か違う」感じ。パズルの噛み合わない問題のようにずっと残ってモヤモヤしました、AIが普及してきた今の現代的な視点ですね。

ノ・サンホさんの醸し出す「不穏」な作品が好きだ。作品で怖さや気持ち悪さより断然「不穏さ」を感じさせるのはとても難しくて(作者が不穏さを鑑賞者に感じてもらおうと意図してるかは謎ですが)狙って制作されてるとしたら「不穏」に関する感じ方がセンシティブな方なのかな。人気のない田舎で起きる超常現象ホラー映画のような怪しさとドキドキ感が味わえる展示でした。

展覧会概要「HOLY」
会期 2024年2/29〜4/20まで
※休館日などは公式サイトにてご確認ください
開催場所 アラリオギャラリー(韓国・安国)

🌟最高な事に現在日本でノ・サンホさんの個展が開催中
韓国までは飛べない…という方は要チェックや!!
展覧会概要 ノ・サンホ個展「GHOST BRUSH」
会期 2024/5/17〜6/15
※休館日などは公式サイトにてご確認ください
開催場所 YUKIKOMIZUTANI(東京・天王洲)

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