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【マーダーミステリー】マダミス制作日記5 -ハンドアウトやら各資料デザインの話-

本題に入る前の前置き

 本題に入る前に本作のコンセプトの話をしたいかなと思います。(またか)前置きは相変わらず長いので本題のデザインに入りたい場合は上記の目次を使って『マーダーミステリーでデザイン上で視覚的な演出を入れるというのはどういうこと?』まで読み飛ばしてくださいませ。……もう何度も過去に何度かお話していますが、GMレスのオンラインマーダーミステリー(ユドナリウム)の制作を進めています。

 一応、改めて理由と背景をいうと、個人的な区分になりますがマーダーミステリーには大きく分けて『パッケージ型』『公演型』『オンライン型』の種類があり、その中で自分はあえて『オンライン型』で制作を進めていきたいかなと、色々マダミスを遊ぶ上で、その気持ちが強くなってきたからです。

パッケージ型:グループSNE様など

公演型:ディアシュピール様、マダミスハウス様、有償GMなど

オンライン型:ユウグレノート様など

 細分化すると、もっとややこしくなるのですが、ざっくりというと、その中でも『GMあり』『GMレス』(GM不要)と分かれてきます。それで私はその中でも『GMレス』の方向で制作を進めていきたいかな、と。

 なぜかというと、やっぱりこの辺り、色々な人の呟きやnoteを見るに、もう人の好みが出てきている気がします。たとえば私は『GMレス』が好みです。その理由は後述します。しかし逆に『GMレス』は苦手(not for me)というユーザーも出てきています。その好みは『オンライン』についても然りで、たとえば『店舗公演』・『パッケージ型』の制作者様側からは「インフラ面の理由で合わないからオンラインは制作しない」「そもそもオンラインは詳しくない」(あまり興味なさそう?)みたいな声も出ています。しかしこれが『店舗公演』・『パッケージ型』となると制作者様の反応は違います。呟きやnoteからは熱いパッションを感じるのです。それを見るに、その領域で制作している人たちは、あくまでその領域で作っているだけあって、その制作領域には熱い気持ちを抱いているんだと思うんです。

 ――つまり、餅は餅屋なんですよ。その領域は、やっぱりそこが好きで強い想いを抱いている人にお任せしてしまえばいいんだと。それがベストなんです。

 というところまで思い立ったときに、やっぱり私は『オンライン』『GMレス』『ユドナリウム』が好きだし一番無邪気に楽しめるし、新作もこの分野のが出るとワクワクするし、たとえちょっと地雷があったとしても許容範囲が広いので、そこの『好き』を私は掘り進めていきたいかなと思いました。

 まあ、もう少しネガティブな話をいうと『公演型』『パッケージ型』からすると私のように偏食で地雷持ちなお客は求められていない、というか想定されていないユーザーなのかなあとも。そろそろ私自身『公演型』『パッケージ型』に向いていない(not for me)ということは自覚しなきゃいけないのかなあと思いつつあります。どれだけシナリオの品質が良くても野良卓の同卓者さんに相性が悪い人がいるとやっぱり思うところは出てくるでしょうし、地雷に当たれば「交通費も含めて5000円くらい出してこんなに時間を使ったのに」という気持ちも捨てきれないでしょうし、「これだけお金を使うなら高級びっくり箱ではなくて、覚悟と我慢と不満の昇華で耐えさせるのではなくて事前情報を出してもらって最初に好みのゲームを選ばせてほしい。好きはネガティブを打ち消すため!」という思いもいつまでも持ち続けたままでしょう。下手すると「もうちょっとお店でやるからには演出の小道具工夫してほしい」(なりきりしたいわけでなく物語に没入させてほしい)など我儘を言い出しかねないです。ここまで考えた結果、もう、やはり私は『公演型』『パッケージ型』(野良卓)は向いていないのでは……?とも……。(もしもの話ですけど途中でプレイヤーロストするマダミスに出くわしたらトラウマになるかもしれないです)

 結局、オンライン以外でも純粋に何も考えないで楽しめたのはボードゲームをメインに遊んでいる方々で集まった、お店以外の場所で遊んだ『鬼哭館の殺人事件』だったのでした。(みんなほんとに素晴らしいプレイヤーさんたちばかりでした!)

 ということで、そこはあえて苦手な部分に目を向けるのではなく好きな部分の方向性へと進むことにしたのでした。(ここまでが前置き)(長い)

同人オンラインマーダーミステリー(GMレス)の『好き』とは

 それでどうせ好きを貫くなら、もう一度『同人オンラインマーダーミステリー』『GMレス』『ユドナリウム』がどうして好きなのかを改めて考えてみました。ここでようやくデザインの話が出てきます。遊ぶ側だけでなく制作者側の視点でお話しています。

 まず『あまり金銭的なことを気にせず、今のコロナの環境下、なかなか会えない遠方の方や友人やネットでつながった方々と気軽に遊ぶことができる』が一番ですね。次に『今の環境下、消毒などのことを気にせずオンライン上で気軽にカードをめくる体験をできる』のも良いです。『GMレスの場合、GMできる人を呼ぶ必要はなく、その分、集める人数も減るし、人数を集めなければいけない負担もなくなるし進行役さえおけば全員未プレイのままプレイヤーとして遊べる』のも最高です。『同人オンラインの場合、同人なので、遊ぶ側も無償か1000円以下であれば品質が担保されていないことは理解しているはずなので、遊ぶ側の期待値が低い』のも制作者としては趣味で好きに作れる土壌でしょう。ユドナリウムの話をするなら『スマホを操作したりソシャゲで遊べるレベルの知識があれば簡単にユドナリウムを使える』『データアップロード&コピーペーストレベルができるなら簡単にユドナリウム盤面を制作できる』のもメリットですね。またこれは私の話になりますが『進行役に慣れたユーザーならば、ほとんど事故は起こらない』(オンライン・ユドナリウムの話です)のもOKです。そして本題のデザイン面に関わる部分、『公演型と違って場所代やGMなど人件費がかからないから成果物へとコスト全振りできる』のも良いことです! ここのメリットでかかったです、資料のデザイン面にお金や時間を思う存分使うことができるんですよ~!(まあそもそも同人なので予算や納期などはあんまり気にしなくていいんですが)あと資料チェックもね、デザイン依頼してるmomoさんに同時に内容チェックもして貰ってますので。ある意味ダブルチェックなわけです。

『GMレス』をするからこそ気をつけること

 そうはいっても『GMレス』はなんだかんだで大変です。ゲームシステムから『GMレス』を考慮して組まなければいけないですし、事故を減らすにはどうしたらいいのかを考えて資料作成が必要です。

 たとえば『GMレスでも可能な手順書を作る』『GMレスでできるかちゃんとテストプレイする』『GMレスだからこそ疑問点が出ないようにハンドアウトや導入シナリオはわかりやすく、時には視覚的な演出を入れる』などなどです。

マーダーミステリーでデザイン上で視覚的な演出を入れるというのはどういうこと?

 そうはいっても『視覚的な演出はなんだ?』『それを利用したデザインとは?』みたいな話になると思います。ここはもう実例を見てもらったほうがいいと思うので、咲村まひるさんの作成した新作マーダーミステリーのオープニングシナリオ画像を見てもらいましょう。

オープニング1_q

 ええやんけ!

 没入感を高められるのもありますけど、何が起きているのか一目瞭然ですね。マンカケを的確に活用し、キャラクターを配置してイベントの内容をわかるようにしているのもポイントがでかいです。宇宙が舞台だとハッキリわかるのもいいですね。結局、プレイヤーによっては理解力にも差があるというか、文字だけだと私みたいなアホだと何度読んでも頭に入ってこない場合がありますが、イラストを使ってシーンを示してくれると「なるほど!」と思うわけです。

 で、これをデザインも依頼しているmomoさんがちゃんと実践してくれたのでした。以下は共通シナリオ1(導入編)の1ページ目です。ぜひ雰囲気だけでも味わってください。

共通シナリオ導入編_002

 momoさんすごい、デザイン可愛らしい、momoさん天才すぎる。

 旅館とコラボしているからこそ、その旅館の場所のどこにキャラクターたちがいるのかわかりやすくしているのが良いですね。旅館の雰囲気をバッチリ演出しています。写真を加工してイラスト風に見せかけているのもすごい。どうも単純に加工しているだけではなくて、イラストに見えない箇所はその上からブラシで塗ったりもしているようです。本格的すぎる。

 もちろんハンドアウトも上記のようにイラストを視覚的に取り入れて頂いています。さすがに中身は見せられないですが表紙だけでも。

真田幸村_001

 明らかに玄人の所業……。

 さすがにここで私はmomoさんに聞きました。普通に商業ベースなクオリティのデザインな気もするので。そうすると本人曰くやっぱりデザイン面での業務経験や実績があるようです。本人は「ふわっとデザインしている」みたいな話をしていましたけど、明らかにふわっとレベルじゃないのがすごすぎます。ふわっととは……???

 とにかくGMレスにするために各資料、色んな工夫ができないかmomoさんと相談しながら試行錯誤しております。……本当にイラストだけでなくデザイン面でもmomoさんには感謝してばかりです。というかイラストもデザインも商業ベースのクオリティで作業できるって天才すぎないか……?

 ちなみにこのデザイン面で他のオンラインマーダーミステリー制作者様でオススメをいうとユウグレノート様が良いですね。すごい見やすいデザインです。たぶんここの方々もデザイン面では業務経験のある人なのでは……とは。

 ユウグレノート様は最近、デザイン面の優れたGMレスのマーダーミステリーを紹介した記事を書いていたのでこちらもお時間あれば見てください!

 とにかく『同人』だからこそ、あまり予算も気にしなくて済むので(自腹だし)『GMレス』にするため、とにかく『好き』を詰めながらも自分のできることを精一杯行っている次第です~!

『オンライン』+『GMレス』+『ユドナリウム』突き詰めるぞ~!!


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