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フィードバックを妨げる要因とは?「insight」より

いつもお疲れ様です。とりりんです。
突然恐縮ですが、営業の話ではなく、最近読んでいる「Insight」についての投稿となります。

非常に面白く、有益な情報に溢れていますが、「あれ?結局何言ってるんだっけ?」と思ったことはないでしょうか?
わたしは、この本を読んでいる間、ずっとその状態です笑。

せっかくなので自分の中で整理したいと思い、解説込みで内容を整理して投稿したいと思います。

現在、第3部の7章を読み終わったので、7章のまとめとして投稿します。
順番がカオスで申し訳ないのですが、よろしくお願いします!


各章の概要

説明にあたって、各章の主な内容を説明させていただきます。

  1. 鏡からプリズムへ
    主なメッセージ:他人からのフィードバックの重要性、そしてそのフィードバックは多様性がある。

  2. マム効果
    主なメッセージ:いかに他人からフィードバックをもらうことは難しいかの解説。

  3. 現実逃避の3本柱
    主なメッセージ:フィードバックをもらうことを妨げている自分自身の原因の説明。

  4. 360度評価
    主なメッセージ:360度評価の良い点と悪い点の解説。

  5. 適切なフィードバック
    主なメッセージ:有効なフィードバックをもらうための方法を解説。

  6. 真実のディナー
    主なメッセージ:一緒に食事をするという行為は、フィードバックをもらう際に有効。

各章の解説

鏡からプリズムへ


この章は、他人からのフィードバックの有用性、そしてそのフィードバックには、多様性があることを説明しています。

まずは、フィードバックの有用性を説明していきます。
他人からのフィードバックが、いかに高精度か、ということをいくつかの実験結果から説明をしています。
実際の紹介されていた実験結果をまとめると、下記のようになります。

■実験結果のまとめ

  1. 他人が行う、感情原因の分析は、自分自身で行う分析よりも正確だった。

  2. 他人は、自分よりも自分の将来の結果を予測することができた。

  3. 一度も会ったことがない他人ですら、相手を非常に正確に評価することができた。

この結果より、他人からのフィードバックの正確性を説明しています。
実際に会ったことがない人ですら、他人のことを正確に評価することができる。という点については、驚きです。

ただし、他人からのフィードバックが全て正しいのでしょうか?

答えは、Noです。
他人が見ている自分は、一部分でしかありません。

他人は、自分の全てを映し出す鏡ではなく、自分の一部分を映し出すものと説明されています。
タイトルが、「鏡からプリズムへ」となっている理由も同じです。

自分自身という白色光線が、他人というプリズムを通すことで、他の色を映し出します。

フィードバックを増やすことは、他の色を増やすことと同じ意味です。
だからこそ、フィードバックは多様性が必要なのです。


自身の経験に当てはめると非常にわかりやすいのではないのでしょうか?
親から得られるフィードバックと、上司からフィードバックを考えてみましょう。
それぞれ、自分へのフィードバックは、家での自分と、仕事での自分になりますよね?

親が自分の仕事へのフィードバックを受けるのは難しいですし、上司が家での自分に対してフィードバックをするのも正確なものとは言えません。
そのため、他人は、自分の全てを映し出せないのです。
だからこそ、他人は、自分の一部分を映し出すプリズムとして認識をすると良いでしょう。

マム効果


前の章では、フィードバックの有用性と多様性について、説明をしました。
しかし、フィードバックをもらうことは容易ではありません。
この章では、その理由を説明しています。

前提として、フィードバックがもらえない理由を作るのは、「自分自身」と「他人」に分類されます。

本章では、他人がフィードバックを与えてくれない理由について説明をしています。
自分自身の理由については、次章で説明されています。

他人からのフィードバックがもらえない大きな要因は、マム効果に原因があると説明されています。

■マム効果とは?
相手を動揺させる情報を持っている時に、その情報を与えることを避ける心理的傾向

簡単に説明すると、「人は、他人に対してネガティブな情報を与えない。」と言う意味です。
現実世界で考えると、非常にありふれていることに気づくかもしれません。
1番簡単な例は、「飲み会で上司や同僚の愚痴を言うが、本人には言わない。」でしょう。
皆さんも経験があるのではないでしょうか?
わたしも、もちろんあります。これは心理的な傾向なので、ほぼ全ての人が当てはまります。

マム効果をなくすことは容易ではありません。
特に上司という立場になると、マム効果をなくす難易度が格段に上がります。


マム効果がフィードバックの際に与える影響に説明を戻します。


マム効果がフィードバックに与えた場合には、他人には以下の二つの行為が現れます。
1.       自ら進んで他の人に対して、率直なフィードバックをしない。
2.       質問されたとしても、嘘をつき、率直なフィードバックを与えないようにする。

どうでしょう?
かなり厄介な心理傾向だと気づいたでしょうか?
ただ単に率直なフィードバックを言ってくれないだけならまだわかりますが、こちらから質問しても、教えてくれないとなると、かなり話が変わってきます。

「さっきのわたし(僕、俺)はどうだった?」
上記の質問で得られる有益なフィードバックは、無いに等しいのかもしれません。

現実逃避の3本柱

前章では、フィードバックを得るための障壁になっている2つの理由のうち、他人による障壁について説明をしました。
この章では、本人がフィードバックをもらうことを遠ざけている原因について説明をします。

自分自身でフィードバックをもらうことを遠ざけてしまう理由は、以下の3つの原因があると著者のターシャは説明しています。

■フィードバックを遠ざける理由(現実逃避の3本柱)
1.       フィードバックを求める必要がない。
2.       フィードバックを求めるべきではない。
3.       フィードバックを求めたくない。


現実逃避の3本柱として説明をされている上記のそれぞれについて、著者が述べている反論をまとめます。

■現実逃避の3本柱への回答と対策
1.       フィードバックを求める必要がない。
一つ目の柱について、著者は、ボルボの元会長のユーレンハマーを例に出して説明をしています。
自分に自信がありすぎて、他人からのアドバイスを受け入れなかった人物の話です。

結局のところ、自分は常に正解な判断を下し、他人が間違っている。と、脆いエゴを持ち続けるのは、リスクでしかない。と結論づけています。
短期的に成功する可能性があるかもしれませんが、長期的に見れば失敗する可能性が高いと言うことでしょう。


2.       フィードバックを求めるべきではない。
二つ目の柱については、研究結果を用いて、フィードバックは求めるべきものだと説明しています。
研究結果では、高い成果を出すリーダーの大部分が、定期的にフィードバックを求めていた。と、説明されています。
特に批判的なフィードバックを求めている方が、優秀だと評価されやすい結果となっています。
逆に、批判的なフィードバックを求めないリーダーは、優れていないと見なされること多い結果となったそうです。


3.       フィードバックを求めたくない。
最後の柱のフィードバックを求めたくないは、純粋な恐怖として説明をしています。
会社での評価や、病院で診察の結果を受けるときのような恐怖と似ているでしょうか。

感情としてはわかりますが、それよりも大事なことを認識することで、恐怖を乗り越えようと、著者のターシャは説明をしています。
世界で外的自己認知を高めていることに成功している人たちでも、フィードバックをもらうことは怖いと説明しています。
最終的に、その恐怖に打ち勝ち、フィードバックを受け止めた人が、より高みにいけることを説明しています。


360度評価

いままで、フィードバックの需要を妨げる障壁について、説明をしてきました。
障壁を認識することで、その障壁を取り除くことも可能になってきます。
この章からは、フィードバックをもらうための具体的な方法について説明をしていきます。
表題の通り、この章では、特に360度評価について解説をしています。

結論から述べると、360度評価はそれだけでは完結せずに、他の方法を組み合わせることが必要です。

では、なぜ360度評価だけでは、だめなのでしょうか?
本書では、メリットとデメリットに焦点を当てながら説明をしています。

メリットとデメリットは以下の通りとなります。

■メリット
1.       匿名性を使うことで、マム効果を消すことができる。
2.       周りと自分の認識を比較することができる。

■デメリット
1.       具体的な改善アクションがわからない。

メリットとして、記載されている2項目は、どちらも非常に魅力的に見えます。
特にマム効果は、フィードバックをもらう上で、厄介な心理現象でした。
マム効果を消せることは、大きなメリットとなります。

一方で、デメリットも致命的な欠陥となっています。
360度評価は、評価方法が数字やレベルで判断されることがほとんどです。
そのため、評価された側は、何が原因で、低い評価をされたのかがわかりません。

原因が特定されなければ、具体的な改善アクションも取ることができません。
これが、360度評価が、万能ではない理由です。

ただし、メリットも非常に大きいため、デメリットが致命的だからと言って、採用しない方が良いではありません。
次章で紹介する、360度評価のデメリットを補う方法と組み合わせて利用していくことが大事だとされています。


適切なフィードバック


この章では、360度評価に組み合わせる方法として、適切なフィードバックを紹介しています。
適切なフィードバックの目的は、具体的な改善アクションを見つけることです。

そのためには、いくつかの要素を適切に行い必要があると説明されています。
具体的な改善アクションを見つけるための必要な要素は、以下の3点となります。

■具体的な改善アクションを見つけるために必要な要素
1.       適切な相手を見つける。
特に、愛ある批判者を数人で良いから見つける。


2.       具体的な仮説を立てる。
360度評価の結果の原因となっている要素を検証するために仮説を立てる。


3.       適切な手順で進める。
適切な相手に具体的な仮説を説明して、協力してもらうために、適切な相手に適切な手順で説明をする。


上記の要素を考慮することで、360度評価の結果を元に、具体的な改善アクションがわかり、
最終的な自分自身のパフォーマンスを向上させることができる。


真実のディナー


最後に紹介されているのは、仕事だけではなく、私生活でも利用できる方法です。
著者のターシャはこれを真実のディナーと呼んでいます。

真実のディナーとは、フィードバックを聞くための食事会です。

ご飯を一緒に食べる行為は、信頼が伴う行為です。
また、お酒があれば、よりフィードバックも肯定的に受け止めやすくなると、説明されています。

仕事でのフィードバックでも、もちろん使える方法ですので、積極的に仕事で導入しても良いかもしれませんね。

まとめ

本章では、フィードバックを手に入れることを妨げている障壁とフィードバックをもらう具体的な方法について解説してきました。

自分と他人による心理的な障壁や、その障壁をなくすために具体的な方法について解説がされています。

本書は、さらに具体的に説明されていますので、より知りたいと思った方は、ぜひ本を購入してみてください。
一度読んだ方も、改めて今回の記事を読んで、内容理解の一助にしていただければ幸いです。

もしよければ、「スキ」を教えていただけると大変励みになります。
それでは、長い文章にはなりましたが、最後まで読んで意いただきありがとうございます!


■PS
かなり省略したつもりですが、それでもかなりの文章量になってしまいました。
まだ記事の書くことにもそんなに慣れていないのに、軽い気持ちでやり始めたことを少し後悔しています。。。

同時に、これだけの情報量が一つの章にまとまっている「insight」にも感動しました。
やはりこれだけの情報を数千円で買える本は、コスパが良すぎます。
今回の記事で紹介した各要素についても、今後記事にしていきたいと思います。
もちろん、他の章も書いていきたいと思います。
いつまでかかるかわかりませんが。。。。

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