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Take out your story~元気になれる飲食店~西荻窪編vol.13[BAR PULPO]前編

今回ご紹介するお店は、西荻駅南口から約5分、神明通りを越えてさらに先の路地裏にある、まさに隠れ家バル。

BAR PULPO(バル プルポ)さんです。2019年の8月にオープンしました。

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お料理がとってもおいしいよ!と友人に紹介されて伺ったのがきっかけでしたが、どのお料理もおいしくて、とても素敵なお店だったので、このシリーズでご紹介させてください、とオーナーさんにお願いした今回でして。


取材当日、おはようございます!とお店に入って行ったら、カウンターで待ち受けていたのは見るも美しい、大量の鮮魚たちでした。

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朝採れたばかりの、カンパチに太刀魚、生しらす。このサイズのカンパチは“しよっこ“といって、一番おいしいんだそうです。

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“沖締め”といって、沖で血を抜いたので、太刀魚は鮮度を保ったまま、キラッキラに光っています。しかも3匹も!

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採れたばかりで、まだ硬直している太刀魚を持って、「“し”の字みたいになってるよー!」と笑っている彼女が、オーナーの高橋祐子さん。常連さんからは、“ゆうちゃん”の愛称で親しまれています。

西荻生まれ、西荻育ち。PULPOはゆうちゃんがひとりで切り盛りしているお店です。


この新鮮なお魚全てを釣り上げてこられたのが こちら、丸藤水産の藤林さん。

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んー、渋い横顔!

「業務提携しています、都会の漁師丸藤です!」とご挨拶いただきました。

藤林さんは日々漁に出ては、採れたばかりの新鮮なお魚をPULPOに届けています。この撮影のために、鉢巻き用のタオルと長靴を持参して着替えてくださるという気合いの入り用!「船の上の姿そのままだよ!」と、耳にかけるタバコまでこだわって準備してくださいました。


届けられたお魚たちに合わせて、黒板のメニューも書き換えます。

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太刀魚とカンパチはカルパッチョに、生しらすはブルスケッタとオムレツになるようです。藤林さんも書き換えをお手伝いします。

ゆうちゃんが大量のお魚を丁寧にさばいていきます。

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ゆうちゃんはフランス料理で修行をしたのち、ビストロで長く働いてこられました。

「ビストロって、ひとりでふらっと行ったら量が多いし、値段も結構するじゃないですか。だから、気軽に毎日来れるスペインバルをやりたいなと思って。」

「スペインのバスク地方にある、サンセバスチャンっていうバル街のイメージをお店にしたくて、オープン前に旅行で現地に行って来たんです。内装のレンガとか、タイルの感じとか、向こうのバルをモデルにしてデザインしました。」と話してくれました。

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「あいさつ以外の言葉で最初に覚えたのが、“PULPO(タコ)“だったんです。そんなにスペイン語しゃべれるわけじゃないですけど…。自分にとって最初のお店っていう意味と、自分がタコが好きなのもあって、店名を“PULPO“にしました。」

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「自分のお店をやろうと思った時に、スペインのバルで、ワインをグラスにドボドボついで、みんなでわちゃわちゃ飲む、そんなお店にしたいなと思って。サンセバスチャンの街並みがすごくいいなと思っていたんですけど、父が『行って見てこい!』って言ってくれて、じゃあ行こう、と。」

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「2019年の1月から本気で物件探しをしていたんですけど、たまたまスペイン旅行が1週間ずれたタイミングでここを内見できて。お店の名前を“PULPO”に決めたら、同じ名前のワインを知り合いが見つけてくれたり、『タコは8本足だから8月8日にオープンしなよ』って姉に言われて、それに間に合わせるために、8月3日に工事終えてすぐ、椅子もないまま6日にプレオープンしたり。なんかすごい動かされたなと感じた時期でしたね。」

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道路に面した物件ではありませんが、お店に入るまでの通路の感じも気に入ったというゆうちゃん。「この奥まった感じがいいよねって言ってくれるお客さんもいて。少しわかりづらいかもしれないけど、通路のところに、飲んでいる人たちの絵を大きく飾っていたら、バルだってすぐ分かってもらえるなって思って。」

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この絵も、ゆうちゃんの前職の友人“なっちゃん”が描いてくれたものなんだそう。お店の明るい雰囲気が伝わる、存在感のある看板になっています。


それにしても、女性ひとりでバルを切り盛りされるのは大変ではないのでしょうか…?

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「ドリンクは秒で出しますけど、お料理はちょっと待ってって。みんな待ってくれるので。オペレーションは考えますけど、お客さんに甘えさせてもらってる所も大きいです。西荻でないとできなかったかなって思います。みんな枕詞で『お手隙で…』とか言ってくれるし、お客さんがワンオペ慣れしてるから、本当ありがたいですね。」と明るく話します。


「とりあえず一緒にビールでも飲もうよ!」と藤林さんが言ってくださり、みんなで乾杯。藤林さんを交えて、3人で飲みながらお話しました。(この間藤林さんは私服に着替えて来られました。)

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知り合いから、料理がおいしいと噂を耳にしてPULPOに来るようになったという藤林さん。

「彼女は本当に仕事がきれい。倍の値段、3倍の値段の仕事してた人だからね。」と教えてくれました。「一生懸命獲ってきて、最良の状態、魚河岸で買うよりもおいしいものを持って来てあげたいって思う原動力だよね。ゆうちゃんがまじめにやってるから、持ってきちゃう。ゆうちゃんの、料理に対する姿勢だよ!」


話していると早速、常連さんから今日の鮮魚のカルパッチョの注文が入ります。

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「白身魚は、獲れたその日は身がコリコリしていて、少し寝かせるとタンパク質が旨み成分のアミノ酸に分解されて、身も柔らかくなってくるんですけど、こんな釣りたての状態って東京ではなかなか食べられないので、当日は、あえて新鮮なそのままの状態で出してます。」とゆうちゃんが説明してくれました。

「昔は釣りたてのお魚を食べてたけど今って食べられないから、食べれてラッキーなの、ラッキーでしかない!」と感激しながら召し上がる常連さん。本当にきれいでおいしそうなお魚たち…。

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お料理を見ていたら、私もお腹が空いてきました…!

後編では、お酒とともに、私もゆうちゃんのお料理を頂こうと思います。

後編も、お楽しみに。


ーーーーーーーーーーーーーーー店舗情報ーーーーーーーーーーーーーーー

BAR PULPO

東京都杉並区西荻南2丁目25−13 キョーリンビル102

Tel: 050-7116-2885

営業時間:17:00-24:00

定休日: 月曜日

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