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2024/09/07講演_文字起こし

【はじめに】

 あなたは誰かを愛していますか?あるいは愛した経験はありますか?対象はヒト以外、ペットやモノでも構いません。おそらく多くの人が、愛した経験があると思います。では、自分自身を愛することは出来ているでしょうか。自信をもって、私は私を愛していると思える人は多くないと思います。 

 今回は自己受容の方法と生き難さの解消、そしてそれを経て自分を愛する私なりの方法をお伝えさせていただければと思っております。


【目次】

目次

今回お伝えしたい内容です。

 メインテーマは自分を愛することについて、それを達成するために自己肯定感やプライドをうまく扱いましょうといった内容となっております。また、自分を愛するために、リフレッシュする方法なども共有できればと思っております。長丁場になりますがよろしくお願いします。


【発達障害の社内周知】

社内周知

 私の特性を、社内でどの程度共有しているかお話します。入社時に、WAIS-Ⅲ(ウェイススリー)の提出を行いました。私の特性を説明するために、客観的かつ確からしい、便利なレポートだったからです。合わせて、理系の人が多い職場なので数値化して示した方がより理解してもらえるのでは?と思ったため提出しました。

 大変ありがたいことに、部署内では精神障害を持っていること、それによって時々変わったスタイルで業務と向きあうことがあると理解してもらっています。初めは会社と私、お互いに戸惑いがありました。今では私なりのやり方に見慣れ、許容していただけています。本当に恵まれた労働環境だと思っています。他部署の方については、管理職の方以外は障害枠で一人入社したらしいという認知です。


【社会人になるまで障害が顕在化しなかった理由】

障害が顕在化しなかった理由

大人になるまで障害が顕在化しなかった理由として、3つの要因が挙げられます。

 まず、幼少期から厳しく、そして「普通にしなさい」と言われて育ったことが挙げられます。幼稚園の頃、みんなが教室でお弁当を食べているのに一人だけ「お外で食べる」と言って聞かずに園庭でお弁当を食べるなど、集団から外れて行動したくなることがありました。そのような行動について、速やかに矯正されて「ふつう」しぐさを覚えさせられました。

 2つ目に、小学生の間、6年間柔道を習っていたことも障害が表に現れることがなかった要因だと思っています。私の通った道場は、武道の要素のうち、武術あるいは格闘技としての強さを追求するというよりも、武道の“道”の方、人間性や精神性を重んじるタイプの道場でした。善く生きること、年長者や先輩を敬うこと、下のものに対してやさしく接することを学びました。これは、発達障害の特性の一つである、場の空気が読めず不適切なふるまいを防ぐことに繋がっていたと思います。空気が読めずとも、そして、相手の気持ちを理解していなくても”型"として最適なふるまいを出来てしまうようになりました。

 3つ目に、私が5歳のときに妹が生まれたことも障害が顕在化しなかった理由の一つだと考えています。親に甘えにくくなると同時に、〈兄、そして長子〉としての役割が与えられ、その模範的な振る舞いをするように育てられました。

 以上3つの要因によって、自分を理性あるいは精神力によってねじ伏せ、抑圧して生きる癖がつきました。これによって、障害特性を表面に出さずにいたため発達障害の発覚が遅れたと思っています。


【発達障害が顕在化した理由】

障害顕在化の理由

 障害が顕在化した理由としては、シンプルにストレス量が限界値を超えてしまったからだと思っています。社会人になりストレスが増えて、コップに表面張力でギリギリこぼれずにいた水が溢れました。その結果、二次障害である双極性感情障害を発症したと認識しています。そして、限界状態に陥ったために、それまで無意識的に精神力でねじ伏せていた発達障害的な特性が、私の外の世界に顔を出してしまったと推測しています。当時同棲していた元婚約者から「あなたはたぶん発達障害だから、ちゃんと病院で相談をして適切な医療にアクセスして」と言われて検査を受けたところ、発達障害であると判明しました。25歳での出来事でした。

 これが大人になるまで障害が顕在化しなかった理由と、障害に気が付いた経緯です。


【障害の発覚と受容】

障害の発覚、受容

 24歳で躁うつ病と診断され、翌年の6月、25歳にして発達障害だと判明しました。率直な感想として「自分は“普通”だと思っていたのになぜ?そして、みんな私と同じ苦しさや生きにくさを抱えて生きていると思っていたのに、私が異常だったの??」と思いました。それと同時に、私がなんとなく“生きにくい”と感じていたことを医療や先人たち(特に借金玉氏)の叡智をもってある程度解決できるのでは?と希望も持てました。

 生きにくさの解消、希死念慮から逃れるためには、障害受容が必須になると考えました。そのために、長い休職期間を使ってひたすらに内省を行いました。主な障害受容の方法としては、哲学的な手法…平たく言うと一人問答や一人カウンセリングの真似事を行いました。一人問答では主に私が、世界に一人だけ唯一無二の存在として実在していることの確認作業、私を私たらしめるモノとは何かについて考え続けました。その上で、自分は生きていてもいいのだという理由を見つけて希死念慮を退けようと試みました。


【自己分析・受容・生きやすさの見つけ方】

内省の具体的内容

 内省、哲学的な手法について具体的に説明します。

 まず初めに、自分が無意識に形成した認知のゆがみを探します。これは精神・発達障害者に限らず、人は誰でも生存戦略的に、無自覚のうちに心に色眼鏡を持って生きています。そして、その色眼鏡は常にかけているものなので、例えば青い色眼鏡をかけている人は自分が青い世界を生きていることには気が付きません。

 他人の目線を完全に把握することや、気持ちを100%理解すること、人生観、世界観を共有することは不可能です。つまり青い色眼鏡を持つ人は「私には世界が青く見える。ほかの人もおそらく同じように見えているのだろう」と思い込んでしまいます。したがって、自力でその色眼鏡を探すことは困難を極めます。そのため、勇気をもって親しい友人や家族に自分の特性、どんなキャラクターに見えるのかを聞いてみると、認知のゆがみ発見の足掛かりを得られることがあります。自己受容の説明は後回しにして、認知のゆがみの発見と自己認識について説明していきます。


【自己分析_例1/2】

自己分析1/2

 ここでは、認知のゆがみとしてプライドの肥大化と自尊心の低さを例に説明します。認知のゆがみ、プライド肥大と自尊心の低さを自覚したら、内省による自己認識の作業にうつります。ひたすらに自分自身に問いを投げ続けてください。

「どうやら私はプライドが高いようだ」
「なぜ?」
「プライドは常に高く設定しないといけないものだと思っていた」
「なぜ?」
「自分に課した理想やハードルを下げてしまうと
成功できないと考えていたから」
「では、その理想やハードルは超えられた?」
「超えられなかった。そして理想、すなわちプライドの大きさに対して思うような成果が得られずにプライドが傷ついた。それは自尊心にもダメージを負わせた」


【自己分析_例2/2】

自己分析2/2

「それなら、プライドを下げればいいのでは?」
「プライドを下げるのは、プライドが許さなかった」
「だから、ずっと肥大化したプライドを抱えていた」
「プライドと成果のギャップでたくさん自尊心が傷ついた」
「プライドを縮小させるという選択肢を捨てていた。
というよりその発想がなかった」

「…もしかして、、
プライドって実力に応じて上げたり下げたりしてもよい?」
「そうか、プライドは必ずしも常に全力で
大きくしていなくてもいいのか!!!」
 

 このような具合です。私自身、プライドの設定変更について気が付いたときは価値観の崩壊が発生して泣いてしまいました。自分の感情や認知のゆがみと向きあい、なぜ?を投げかけ続ける行為は辛いことです。それでも、ずっと考え続けてください。ある日突然、心の色眼鏡の存在にふと気が付いて見える景色が変わります。


【自己分析・受容・生きやすさの見つけ方 続き】

受容と生きやすさの回復

 自己認識ができたら、自己受容の作業にうつります。

 自己受容では、先程発見した自分の色眼鏡をよく観察して、その色や形を確かめます。それから、なぜ自分がその色眼鏡を持つことになったのかを考えます。色眼鏡の存在に気が付けたということは、それを外すという選択肢が生まれます。試しに一日、色眼鏡をはずして生活をしてみてください。最初は裸眼で世界を見ると眩しくて目がくらみますが、きっとクリアな視界に感動すると思います。

 これまで話した内容はすべて内省することなので、自分の内面世界だけでものが動いています。内省で得たものをそのままにせず、アウトプットする作業が青枠のステップになります。

 自己表現では、認知のゆがみ探しでヒントをくれた人に対して発見した色眼鏡のことや、色眼鏡を外したことによって見えた、新しい景色のことを話すといいです。もし対人で話すことが難しい場合、Twitterやnoteに書いてアウトプットすると効果的です。考えをテキスト化することで自分の発見を整理でき、いつでも後から見返すことができるからです。

アウトプットを行うと、他者からの反応が得られる場合があります。

 話を聞いてもらって反応を見る、ツイッターやnoteであればいいね、投げ銭、スキ等のリアクションがもらえます。自分なりの考えを認めてもらうことや、ときに意見を投げかけられることで承認が得られます。

 承認が得られると、自尊心が回復します。大げさに表現すると、生きやすさの回復といえます。認知のゆがみは一つとは限らないため、何度もこのサイクルをまわすことで自己理解、自己受容を深めていきます。


【生きることに理由をみつける】

生きていい理由をこじつける

 受容の次には、自分が生きていてもいい理由を探しました。当時、自分の生命をこの世に繋ぎとめている一番大きな理由は、元婚約者の存在でした。彼女から別れたいと言われるまでは彼女のそばにいたいと思っていました。しかしこの状態は、容易に依存を形成してしまうため危険だと、今振り返ると思います。

 そこで、元婚約者との日常の他に生きていてもいい理由を探しました。まず、自分の存在の本質、先に述べた自分を自分でいさせるものを探求したいと思いました。その方法として、未挑戦のことにトライして自分がどのような反応を示すのかを試しました。
 キックボクシングのジムに通ってみたり、表現の手法としてカメラ、今回で3回目となる登壇で自分なりの思想や哲学を多くの人にぶつけてみたり、それから動的座禅としてのダーツに挑戦したりしました。どれも皆、教科書的なスタイルから入り何か一つ自分の得意技を獲得するという傾向をつかめました。今はボルダリングに挑戦してみたいです。

 次に、社会貢献していることも生存していい理由の一つだと考えました。前職では都市を構成する社会インフラ、現職では電力関係の仕事をしており、日本国民の文化的・現代的な生活を支えているということにやりがいを感じています。

 最後に、未来に楽しみをもつことで、その未来が来るまでは生存しようと考えました。例えば趣味の鉄砲のおもちゃ新商品の発売を待つなどが該当します。


【障害と“生きること”について考えてみた結論】

 前のスライドでは、生きていてもいい理由や目的を見つけ出そうとした方法を説明しました。しかし、そもそも生きることに理由や目的は必要なのだろうか?とある日突然疑問を持ちました。そこで、人間以外の生命、動物や植物の場合はどうだろうかと一般化してみました。

生きることの意味は…

 生まれた瞬間からお肉になり私たち人間に食べられる運命にある、牛の人生に意味があるか? 雑草、季節を感じさせてくれる花、サル、シカ、イノシシやクマなどの害獣、それからペット。彼らは生きていてもいい理由や生きる目的を持っているのか?そして彼らの生命に重みはあるのか?と考えました。

 ぐるぐると考えた過程は省略しますが、結論としては生命に意義や意味はなくてもいい、それと同時に価値を持っていると考えることにしました。ダイヤモンドは何の機能も持っておらず生活に役立つわけではないですが、その輝きに価値を見出されています。生命もダイヤモンドと同じく理由や目的、意味がなくても価値があるという考え方です。


【自己肯定感/自尊感情との付き合い方】

 自己肯定感や自尊感情を満たす方法は沢山あります。このスライドでは2つの段階に分けて自己肯定感や自尊感情の満たし方、付き合い方についてお話します。段階は、黄色い枠と青い枠の2つに分かれています。

自尊感情の育て方

 黄色の段階では、誰かから必要とされるという、他者からの承認により自己肯定感や自尊感情を満たします。この段階はさらに2つに分かれます。

まずは理由なく愛情をもらうパターン。これは家族や恋人、パートナーから得られるものです。

もう一つのパターンは、何かを成し遂げた成果、結果を認められて自己肯定感が高まる現象が挙げられます。わかりやすい例として、仕事で売り上げを出して褒められることや、認められることで達成感・充実感を得ることが挙げられます。

 この段階の弱点は、他者がいないと自己肯定感が得られないことです。また、承認を与えてくれる人が少ないとその人に負荷が集中してしまい、相手を困らせてしまう場合もあります。さらに、他者の持つ価値観で自分の価値を測ることになるので、思うように承認が得られないことも少なくないです。

 一方で青の段階は、自己肯定感を高めるために他者の存在を必要としません。

 自分で満足するか否かがすべての世界です。自分の得意なことや好きなことを自己評価して自分自身を褒めることで自己肯定感を満たします。たとえ他者から評価されなかったとしても、自分は自分の努力や工夫を知っています。それを自己評価して、等身大の自分を受け入れ、認めていいと思っています。そのためには自己分析・受容のスライドで例として出した、プライドの拡大縮小が必要になってきます。


【他者に依存しない自己肯定感/自尊感情の取扱い】

 先程のスライドの内容と、プライドの拡大縮小について説明していきます。ここでは職場を例にして内容を整理してみました。

自分で自分を誇る方法

 前職で上司に「職場は承認を得る場所だよ」と言われ、心に響いた経験があります。自分の努力や工夫を評価され、社会に貢献することで承認が得られると説明していただきました。それまで私は職場と承認を結びつけることが出来ていなかったため、目からうろこが落ちました。

 しかし、職場では必ずしも承認が得られるような成果を出せるとは限りません。反対に、ミスや成績不良、段取りの悪さなどで注意、指摘を受けることもあります。次のスライドで詳しく話しますが、このとき人格や人間性にダメージを負うことも、自分自身を責める必要性もありません。成果を出せたときには、その理由を分析すれば再現性が得られますし、思うような成果が得られなかったときには、「上手くいかない方法を発見した」と捉え、他の方法を試せばいいだけの話です。そのうえで、自分の中で目標を設定して、それをクリアしていくことで自分自身を褒める習慣をつけると自己評価が高くなっていきます。

 つまり、自分や自分が大事にしていることを自分の価値観・物差しで測り、評価することで自己肯定感を保つことができるようになります。


【プライド拡大収縮による心の保ち方】

 自己受容のスライドで例に出した、プライドの拡大収縮による心の保ち方について説明します。プライドは常に高く設定しなければならないという思い込みが生じているとき、自分がプライドを高くしたままであることを忘れ、プライドを不可視化してしまうことがあります。

この状態では、何かうまくいかない物事があったときに透明になったプライドが傷つき、それに連動して自尊感情にもダメージが入ります。しかし、プライドを透明にしていまっているので、自分のプライドの高さを自覚できません。そして、それを維持してしまいます。そのため、まずは自分のプライドの高さ、大きさを自覚する作業が必要です。

プライドの扱い方

 プライドの高さを認識できたら、それを等身大の自分に見合った高さまで調節します。身の丈以上にプライドが高い場合、本来できなくて当たり前な事をできなかったときに、受ける必要のない精神的ダメージが発生して自尊感情が傷つきます。プライドの高さと現実の落差が大きくなるからです。プライドが高すぎる状態は、格闘ゲーム等で言うところの当たり判定が大きすぎる状態に近いです。

 自己分析・受容のスライドで紹介した自分の受け入れ方を実践して等身大の自分を受け入れることによって、このプライドの高さ調節ができるようになります。


【自分を愛するということは可能か】

 ようやく、メインテーマである「自分を愛するということ」にたどり着きました。

今日どうしても話したかった2つのテーマのうちの一つ目です。

 私は、人を愛するためにはその対象をよく知る必要がある。それと同時に、愛していればもっと知りたいと思ってしまうと考えています。例えば恋愛の場合、全く何も知らない相手に惹かれることは少ないと思います。ただ、意外な一面を知ったときに相手とより親しくなりたいと思うことや、自分の好み、つまり自分の持つ物差しで測ったときに魅力的だと判定される対象に惹かれると思います。愛し方として、相手の好みを把握してプレゼントを選ぶなどの工夫をすると思います。自分を愛する場合でも、これに近い現象が起きるはずです。

今回のメインテーマ

 最初に行うべきは、自分をよく知ることです。青枠部分を見てください。等身大の自分を受け止めて許すために、自己分析・受容のスライドで説明した方法を用います。そのうえで、自分のプライド・誇りの大きさを把握します。そして、自分なりの価値観で形成された物差しで自分自身を測り、自分をよく知ります。その結果、オレンジ枠の段階に進めるようになります。自己受容と自分自身が生きていてもいい理由を見つけて(もちろん理由なんてなくてもいいです)生命の価値を自覚することで自分自身を愛せるようになります。


【高いプライドの弊害】

 プライドの適切な拡大縮小が行えない場合、どうなるか。私の解釈を話します。

自分に課したハードルが高いと辛い

 プライドが高い≒自信家ほど自分に対する要求水準が高いため、できない自分を認めてあげられない傾向にあると思っています。これは、弱い自分を認めてしまうと自分が縋っている空想上の〈デキる自分像〉〈理想の状態〉が揺らいでしまうからだと思います。そのままプライドを下げられずにいると、どんどん自尊感情が傷つき、いつか倒れます。そうならないためには、認知のゆがみに気が付いて、プライドの高さを修正する必要があります。


【自己肯定感 プライドのまとめ】

今までの流れから、今回私が伝えたかったことをまとめます。

中間まとめ

 自己肯定感を高めるために、他者から認めてもらうという方法があります。それだけではなく、自分自身で自己肯定感を高める方法もあるということを知っていただけると嬉しいです。そして、他者からの指摘や注意を過度に恐れる必要はないということも知っていて欲しいと思います。

 適切な自己肯定感やプライドの取扱いを覚えて、皆さんが自分を愛せるようになっていただけると嬉しく思います。


【職場に対して 強み、特性の伝え方】

障害内容の周知

 入社時にWAIS-Ⅲ(知能検査)を管理職の方に提出しました。提出は求められなかったものの、私が障害特性について説明するよりも、臨床心理士の書いたレポートの方がより客観的な情報を伝えられると思ったからです。また、職種的に各IQを数値化して示した方が分かりやすいのでは?と推測したからです。
 聴覚情報の保持と整理が苦手なことをお伝えして、電話応対は免除してもらっています。業務指示を受けるときは、簡単なメモ書きによる指示の見える化をお願いしています。メールでの指示を受けることもあります。

 強みの活かし方としては、書き言葉の強さを武器にして業務に取り組んでいます。社内で共通のCADマニュアルがなかったため、マニュアル作成を行いました。また、今まで口頭による説明によってのみで引き継がれていた業務内容や機材の使い方を整理して、Wordで誰が見てもスムーズに理解できるようなマニュアル作成を行いました。


【業務中の気分転換—業務効率化のための休憩方法—】

 私はあまり集中力が高くないので、持続的にパフォーマンスを維持することが難しいです。そこで、意図的に作業を中断することでメリハリをつけて業務に向きあうようにしています。

休憩のとりかた

 実際に行っている休憩の取り方は、パソコンのデスクトップ背景を10枚から15枚ほど、時間間隔1分のスライドショーに設定、特定の画像が表示されている間は作業の手を止めることにしています。その他にも、ポモドーロタイマーを使って25分もしくは30分おきに5分間の小休止を設けることにしています。このとき、完全に業務のことは忘れて休憩します。作業のキリが悪くても、作業を中断して休憩をとることがコツです。だらだらとデスクに張り付いて、“作業しているつもり”状態に陥らないように気を付けています。


【体調不良時の対応】

 気分転換を行っても、精神的に体調が厳しく仕事を続けることが難しいときの対応。まず、体調不良を自覚したらなるべく早く上司に対して「精神的に不安になってしまい、気分転換が必要です」と伝えます。そして予め見つけておいたオアシスに避難します。(ここしばらくは報告せずに離席して体調管理しています..)オアシスでは、何か心を落ち着かせるルーティンを行って体調のコントロールに挑戦します。


【リフレッシュの方法】

 色々なやり方があり、人によって合う/合わないがあるかと思います。いろんな人に勧めてみて、効果があったと報告が多かった二つの方法を紹介します。

まずは気力も体力もないときのリフレッシュ方法です。

元気がないときのリフレッシュ方法

リラックスチェアを用意して、心が落ち着く音楽を聴きます。アロマを焚く、蒸気でホットアイマスクを使うとさらにリラックスできます。リラックスチェアはAmazonから1万円前後で購入可能です。折り畳み式のものも多く、そちらがオススメです。この方法のコツは二つあります。まず一つ目は、絶対に仕事のことや悩みをチェアに持ち込まないことです。二つ目は、リラックスしたいとき以外絶対にリラックスチェアに座らないことです。読書、ゲーム等娯楽の場としては使わないようにしてください。リラックスしたいとき以外はチェアを折りたたんで、すぐ出せる場所にしまっておいてください。

理由は、チェアに座る=リラックスするという条件反射をつくるためです。

一度この条件反射が形成されれば、チェアに座って数分でリラックスできるようになります。

 多少体力があるときには、体力を消費して気力をやしないます。

体力を発散してリフレッシュする方法

天気がよければ自転車で少しお散歩をしたり、カメラを持って降りたことのない駅で降りてみて迷子になったりすると楽しいです。自宅でできるリフレッシュとしては、ひたすら筋トレをしたり、ダーツを投げたりすることがオススメです。どちらも無心になって行うと動的座禅的な側面があります。


【リフレッシュ手法で自傷行為は止まるのか】

 今回お伝えしたかった内容の2つ目です。前回の登壇時、質問タイムで「自傷を抑えるためにはどうすればいいのか、紹介していただいたリフレッシュでおさまるのか」と質問がありました。これに回答したくて、今回の登壇を決めました。質問者さんが聞いてくれているか分かりませんが、ここでお答えします。

止めろとは言えない。けれど、しなくて済むようになる対処法は見つかる。

 自分を傷つける行為について、私は肯定的立場でも否定的な立場でもありません。止められるなら止めた方がいいと思います。が、それを行うことでなんとか精神を保ち、踏みとどまっているのであればやむを得ないと思います。私も自傷行為をしていた時期があります。それを行うと気分が落ち着くと知ってしまったからです。細かい仕組みは忘れてしまいましたが、エンドルフィンが分泌されることによって心が落ち着く作用があるようです。跡が残ると人生のうえで困ることや、何かを失うこともあります。ここでは私が見つけた代わりになる行動を紹介します。

 衝動的な自傷を防ぐためには、べつの方法で体をいじめることが効果的です。腕立て伏せでもスクワットでもなんでもいいので、限界まで筋トレをしてみてください。体に負荷が大きいですが、サウナも効果があります。それでもダメなら、限界まで息を止めてみてください。ある程度衝動がおさまり、気が紛れるはずです。詳しいメカニズムは分かりませんが、脳が生存本能優位になるためだと言われています。

 頭に鉛がこびりついたような、”もやもや”を剥がしたくて自傷を選択しそうになる場合は、リラックス状態になるように心と体に調整をいれることで誤魔化しが効きます。先程紹介した、リラックスチェアによるリフレッシュを行ってみてください。鎮静系の効果があるアロマを使うこともオススメです。私はジャスミン、ネロリ、サンダルウッドあたりが好きです。よくわからない人は、無印良品のおやすみブレンドを購入してみてください。

ただ、結局のところは自傷を止めたいと思うのであれば、自傷に逃げないという決意を持て自分の抱えるもやもやと戦うしかないのだと考えています。


【再就職4年目 感想とアドバイス】

 私はたまたま就労環境、上司、先輩方に恵まれています。沢山の合理的配慮もしていただけているので就労出来ています。どれかが欠けていたら続いていなかったと思います。これに関しては入ってみないと分からないので、どうしても合わない場所とめぐり合ってしまった場合は環境改善を試みて、それでもダメだと感じた場合は撤退も手段のうちの一つだと思います。皆さんはご存じだと思いますが、メンタルは不可逆です。一度壊すと元に戻すことは大変難しいです。くれぐれも<無理を通せば道理が引っ込む>をしないでください。私は前職からの撤退が遅すぎました。

アドバイス

 自分のモチベーションを上げるために、お気に入りの道具を持込んで仕事をすると、作業が楽しくなります。私物デバイス持ち込み可能であれば道具に課金してみて欲しいです。私はトラックボールマウスとキーボードを持ち込んでいます。トラックボールはすばらしいです。

 体調不良時は、本格的にダメな状態になるまえに早めに上司に報告をして、対応をしましょう。言いにくいかもしれませんが、無理してデスクでフリーズしてしまうより、早めに強制終了、再起動をかけた方が結果的に動ける時間が長くなると思います。

 自傷行為について。代わりになるリフレッシュ方法、ルーティンを作ってください。

 多動気味な人にはトラックボールがオススメです。親指で無意味にボールをコロコロしていると落ち着きます。トラックボールはすばらしいです。大切なことなので二度言いました。

 自傷行為について。それが救いになっているのであれば、誰も止める権利はありません。止めたくなるときがきたら、私の発表を思い出してくれるととても嬉しいです。

【まとめ】

全体まとめ

生きていくことに理由はなくてもいいです。
理由があるなら素晴らしいことだと思います

常に自己分析と受容、つまり等身大の自分を認めてあげて欲しいです。そして自己表現を行うことで自尊感情を満たすことを試してみてください。その結果として、自分自身を愛せるようになれます

自動的にリフレッシュできるようなルーティンを持つことで、ストレス解消やうつの波が来た時のやり過ごし方が分かってきます。

自傷行為を止めたい場合は、他の方法に置き換えて衝動を抑えることもできます。

【noteの紹介】

noteに、私が持っていた心の色眼鏡”性悪説”を見つけて、剥がした経緯や障害受容について記事をアップしています。読んでいただけると嬉しいです。

性悪説という心の色眼鏡を剥ぎ取った話|鳥居くん (note.com)
障害者手帳を受給したこと|鳥居くん (note.com)


【おわりに】

長くなりましたが、発表内容は以上となります。
最後まで目を通していただきありがとうございます。

ありがとうございました


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