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マンガ「封神演義」から読み解くトップダウン組織とボトムアップ組織

株式会社TORICO 採用担当の難波です。

TORICO Advent Calendar 2019 20日の金曜日を担当します。今回で2回目の投稿になります。前回13日の記事はコチラです↓

今回は、マンガ「封神演義」をテーマに、組織スタイルについて取り上げてみます。

そもそも封神演義とは、中国の古典ファンタジー小説で、それをテーマに藤崎竜先生がコミカライズした作品です。1996年から週刊少年ジャンプで連載が始まり、2000年には見事な完結を迎えました。もはや20年以上前に連載が始まっていた作品なんですね、、

2018年には、完結から18年ぶりに封神演義の外伝という形でヤングジャンプに短期連載があったのですが、キャラデザインなども昔のままで、本当に感動でした。。

ちなみに同時期に週刊少年ジャンプに連載していたマンガは、遊戯王地獄先生ぬ~べ~ジョジョの奇妙な冒険るろうに剣心など。

さらに、ワンピース世紀末リーダー伝たけし!ROOKIESホイッスル!HUNTER×HUNTERシャーマンキングテニスの王子様NARUTOなどの連載が開始されました。日本を代表する人気マンガだらけですね、、、

今回は封神演義の中で一番大きな戦いとなる、仙界大戦から組織のスタイルについて読み解いてみようと思います。

仙界大戦編とは

仙界大戦編は、封神演義の13巻から17巻にかけて描かれている、今作最大規模の戦になります。

主人公の太公望(たいこうぼう)率いる崑崙山 (こんろんさん)vs 太公望のライバル 聞仲(ぶんちゅう)率いる金鰲島(きんごうとう)が、お互いの全勢力をかけ、今後の人間界のために戦います。

(崑崙山には太公望の師匠 元始天尊が、金鰲島には最高指導者の通天教主がいますが、それぞれ色々あり、実質トップは太公望と聞仲という形です)

仙界大戦は、人間界への関わり方についての考え方の違いから始まってしまいます。沢山のバトルが起こる見ごたえ抜群のこの大戦、バトル以外に太公望と聞仲の戦略も注目の一つなのです。

トップダウン組織とボトムアップ組織

組織を動かしていくにあたり、この2つの言葉は皆さん聞いた事があると思います。だいたいこんな感じ、というのも理解頂いていると思うので、それぞれの説明は省きます。最近はティール組織の流行があり、ベンチャー企業などではボトムアップ型の組織が増えているみたいですね。

この2つのメリット・デメリット、対立構造でどっちが良い悪い、なんてよく聞きますが、自分としてはその組織でのベースはあれど、シチュエーションによって使い分けをしなければいけないと思っています。

ではでは、封神演義ではどう描かれているかというと、

太公望(崑崙山サイド) → ボトムアップベース

聞仲(金鰲島サイド) → トップダウンベース

となります。

そのベースになっているのが、やはりそれぞれの組織トップである太公望と聞仲の存在です。

太公望と聞仲

封神演義を読んでもらうとわかるのですが、太公望と聞仲、この2人めちゃくちゃ優秀な指導者なんです。両者ともブレない軸を持っていて、とても大きな組織・沢山の仲間を率いていきます。

太公望は、その当時のジャンプでは珍しい?策士タイプの主人公です。(いまでこそ、そのタイプの主人公はたくさんいる気がします)

めちゃくちゃ強い訳でもなく、すごい必殺技を持っている訳でもなく、なんなら戦闘シーンでは邪魔者扱いされ出番が無い、なんてこともしばしば。太公望の仲間で天才道士の楊戩の方が主人公っぽいのではないかと言われてしまう事も…笑

「働くくらいなら食わぬ!!!」という名言が飛び出してきます。

一方の聞仲は、カリスマという言葉が似あう指導者です。

実力も作中では最強クラスで、政治に関しても知見が豊富で大きな問題や戦争を任されてきました。聞仲がいるだけで、その場の雰囲気がピリッとし、部下には(怖がられてもいますが)尊敬されるキャラクターです。

「理想を語るには、それに見合う力が必要だ」

「だが私が本気を出した以上・・・・・・・仙人界は今日滅亡する!!」

ほんとこのセリフの場面、絶望してしまいます…

具体的なシーン

上記にもあるように、それぞれのキャラクターもあって、

太公望(崑崙山サイド) → ボトムアップベース

聞仲(金鰲島サイド) → トップダウンベース

となっています。

太公望はボトムアップベースで崑崙山チームを率いています。金鰲島に乗り込んだ際、少人数(2~4人)のチームを複数編成して別行動を取らせ、状況判断はそれぞれのチームに任せています。目的以外の事で具体的な指示は太公望からありません。

逆に聞仲というか、金鰲島サイドは聞仲がいないと判断を進めません。聞仲が金鰲島の幹部である十天君達に幽閉されていたのですが、崑崙山との決戦を開始するにあたり幽閉から解き放ち、聞仲に決戦開始の意思決定をしてもらっています。

ボトムアップに比べ、トップダウンの組織はスピーディーに物事が動く傾向にあります。そのせいか、基本的に金鰲島サイドが先手先手で動いているシーンが多い気がします。

それに対して崑崙山サイドは、初動は遅いですが、チームで意見を出し合いながら金鰲島サイドに立ち向かっていきます。

漫画を読んでいた当時はそんなところまで気になりませんでしたが、社会人になって振返ってみると、そこまで意図して描かれているのかも、、と勘ぐってしまいますね。

シチュエーションでの使い分け

基本的にボトムアップベースで組織を率いる太公望ですが、仙界大戦中のいくつかのシーンでトップダウンの指示を出しています。

①崑崙山ごと金鰲島に突撃するシーン

②楊戩を救出に行くシーン

➂太公望と聞仲のラストバトルの直前

上記3つのシーンは、緊急時・重要な場面で決断が求められる場面でした。その場面で太公望は、完全に自分の意思を貫いたトップダウンで指示を出し、決断をしていきます。いつもは頼りなさそうに見える太公望も、これらのシーンでは目力強めでキリっと描かれている気がします。

緊急時・重要な場面では、トップダウンで時間をかけず決断し、かつトップが責任を取る。

それがもしボトムアップだと、決断まで時間がかかってしまい、取り返しのつかない事になってしまう可能性があります。現実世界で言えば、地震や火災の時に話し合いを行って決めるより、トップが独断で意思決定をしている事がほとんどだと思います。

太公望は、緊急・重要な決断はトップダウンで行わないといけないという自覚があったのかもしれません。

TORICOの場合はどうか

ではTORICOの場合どうなっているのかというと、ボトムアップベースの緊急時・重要事項トップダウン、だと思います。

面接を受けた時に、「面接官だった課長の方が、同席していた部長の方に色々と意見・提案をしていて、ボトムアップな感じがしていいなと思った」、という事で入社した社員もいます。

緊急時・重要な場面では、CEOの安藤さんや各本部長からトップダウンでの指示が出ています。

ちなみに、今年度企業MissionとValueの見直しを行っています。

Missionはトップダウン、Valueはボトムアップで決めよう!

という事で、MissionはCEOの安藤さんが1人で創業からの想いを振り返り、世界に「楽しみ」を増やす が生み出されました。

Valueはプロジェクトチームを立ち上げ、現在7人で打ち合わせを進めています。年齢、職種、入社時期、担当サービスも異なる7人で、1回3時間にも及ぶミーティングを繰り返し、生みの苦しみ・言語化の難しさと向き合いながらValueを構築しています。ほぼほぼカタチに出来たので、ボードメンバーに向けてプレゼンを行った後に、全社に向けて発表、という予定です。

封神演義読んで欲しい

なんだかトップダウンとかボトムアップとかビジネスよりの内容になってしまったのですが、封神演義はホントにおススメなので読んで欲しいなと思います。

主人公の太公望が思った以上に怠け者で、こんな主人公有りかよ…と思うかもしれませんが、全23巻と読みやすい長さなので、読んだことが無い人はこのお正月に是非どうぞ!

おわり

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