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[読書記録]ご本、出しときますね?(BSジャパン/若林正恭編) / 小説家の頭の中

テレビの放送を観ていなかったので、くぅーっと悔しく思いながら、でも本が出ていると知って急いで買いました。
作家さんってやっぱり猛烈に面白い人ばっかりだなぁ。すごく嫉妬深くて地団駄踏むし、許せる範囲が小さくて、そのこだわりを見ていたら「なんだか分かるな」と思いながらも笑ってしまいます。
こういうゾーンが狭い人のこだわりゾーンを知るのが大好きです。あるよねあるよね、なるほどね、そう来たか!とふむふむにやり、です。
そういうこだわりを大切にしているからずっと面白いのだろうな。私も私のこだわりを大切にして、まわりのこだわりにも絶対にケチつけず、永遠に面白がって生きていたいと思えます。

山崎ナオコーラさんの「『あきらめる』という言葉が、すべての言葉の中でいちばん好きなんです」にきゅっとなり、平野啓一郎さんの「天才は人がいい」に分かると頷き、やっぱり村田沙耶香さんの素っ頓狂さに「ラブ!!」となりました。

あと意外だったのが、作家さんってパーティーめっちゃするやん、パーティー好きやん、ということでした。これは人によるのだと思うのですが、情報収集の職業なのだな、とあらためて思いました(多分私が思い浮かべる薄っぺらいやつ(失礼)とはちょっぴり違いそう、ホテルとかのやつだろうな)。

角田光代さんと西加奈子さんのところで、「もうダメだと思ったとき、自分を救ってくれるのは小説・音楽・映画・テレビ・お笑い、どれですか?」というところもとても良かったです。私も救ってくれる窓口はたくさん持っている方だと思っているのですが、救われたい内容によって窓口が違うのです。「小説は長いスパンで効く」とか、「動けないほどの絶望にはテレビ」というのがすごく良く分かりました。
西さん、角田さんがどんなお仕事も受けてしまうことを受けて、若林さんが
「今度ロケでやってくれませんか?」と角田さんに聞いた時
「こら!仕事を受けちゃうだろ!やめろよー!笑」
となっていたところ、とてもその三人の関係を好ましく思ってしまい、にんまりとしました。

若林さんの死生観についても少し触れられていました。私は人の死生観を聞くのがとても好きなので、(その考えがあってその生き方、と納得できるというか)少しでも触れられて良かったし、本を読むこと、小説や人の考えを知る醍醐味を、少し掠ったような気がしました。

最後の尾崎世界観さんと光浦靖子さん、若林さんの対談も三人ともが人見知りで、でもお互いを曝け出してそれでいてあたたかくて、本当に面白かった!


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