セールスデザイン歴10年超のアタマを覗く部屋#2
こんにちは。トリイヲシコです。実家で猫を飼っていて、帰省の度に貢物を買い込んで猫ポイントを荒稼ぎしようとしているのですが、最近、心も大人になってしまったようで、ドライな対応に戸惑いを隠せません。。
いよいよ最終手段、禁断の巨大キャットタワーをポチる時が来たのか・・?と、お買い物マラソンとかスーパーセールとか聞くと、マウスの上の人差し指が震える今日この頃です。
前回までの振返り
さてさて。
前回はセールスデザインとは~、といった話からはじまり、「商品(サービス)を売る・成果を出す」ことをゴールとするのがセールスデザインですとか、
「ターゲット視点を常に意識してターゲットに購入(意図する行動)してもらうデザインを考えるのがポイント」と、ざっくりの所をお話しました。
今回はそれってつまりどういう事なの?というあたりを書いていこうかなと思います。
商品を売るため・成果を出すためのデザイン、てどんなの?
例えば、前回の冒頭マンガと同様に、WEB上で何か探し物をしていたとして、
「ふむ、コレ買ってみようかな」
と思って行動を起こす時、何がきっかけでその行動に繋がったのでしょうか?
普段の自分が買い物をする際の一連の行動を振返ってみるとわかりやすいかもしれません。
・見ているページの雰囲気が良さそうだったから?
・この商品で悩みが解決できそうと思ったから?
・今買えばお得そうだから?
・翌日スピード配送してくれるから?
など、行動のきっかけとなる要素が幾つかあったはずかと思います。
という事は、
あなたを行動させるに至ったメッセージが、そのページには存在していて
あなたはそのメッセージを脳内に受信して
「よし、、買っちゃえ!!」
と購入ボタンをポチッとしているわけです。
ポイント1:迷わせない。わかりやすい。
WEBの仕事をしていると、必然的に毎日多くのサイトやページに接触することになります。
日常的に触れていると「WEB上の何となくの定番ルール」が気づかないうちに自分の中にインストールされているので、その基準でついついデザインレイアウトを考えてしまいがちです。
ですが、一般ユーザーの中には実は浸透していないような事も結構ある、という事を認識しておく必要があります。
例えば、年末年始に帰省すると「親御さん・親戚にスマホ・パソコン操作の臨時相談室」開催が恒例の方もいるのではないでしょうか。
「何やらあいつはパソコンの仕事をしとるらしい=機械系はあいつに聞けば解決してくれる」そんなキャラ設定が確立されている私。。
いいんだけど、、パソコンの仕事て・・いろいろあるよ・・何でも屋じゃないよ。。
で、今年の正月も「市役所の市報に地域の防災メールを登録しよう、というのがあって頑張ってスマホで登録しようとしたけど、うまくいかないのよ~・・」と、
お悩み相談=わからんからお前が登録してくれという流れになりまして。
まず、市報に載っているQRコードをスキャンするやり方もわからず、スマホに入っているアプリの使い方を教えるところから始まるのですが。。
いきなり市報のQRコードが小さすぎ&印刷粗すぎて読み込めないトラップが発覚。
仕方ないので、載っているページURLを手打ちで入力したところ、欲しい情報が他の情報に埋没しまっていて全然見つからない。。
面倒くさいので、サイト内検索で「防災 メール」で検索し、たどり着いてようやく登録。
と、ゴールに辿り着くまでにはなかなかの道のりでした。
「このやり方が駄目ならこれでやってみよう」
という手段をそもそも知っていれば、興味や欲求が強ければ、頑張って試行錯誤し辿り着いてくれる人もいますが、
たいがいは、欲しい情報がパッとすぐに目に入らなければ
「ここに求めてるものは無さそうだな」
「もうよく分からんし面倒だからいいや」
と、せっかくページ訪問したのにそんな形でサヨナラ(離脱)させてしまうことになり、それこそ勿体無い!!ですよね。
もちろん、対象のターゲット層によってWEBのリテラシーが高い・低いはそれぞれあるので、
BtoBのWEB担当者と、うちのオカンを全く一緒の「使いやすさ・わかりやすさ」のレベルに揃える必要はありません。
とはいえ、WEBリテラシーが低い人に合わせて戸惑うようなポイントは全部無くした状態で作っておけば、
「わかりやすく、迷わない」のですから、訪問者はスムーズにゴールへ辿り着けるわけです。
ターゲットに合わせて使い易さや分かりやすさをどこまで簡略化できるか、簡略化する必要がそもそもあるのか。
自分の「当たり前」の概念は一旦横に置いておいて、ターゲットをイメージしてゴールまで本当にスムーズに辿り着けるのか、頭の中でシミュレーションしてみると良いと思います。
ポイント2:ターゲットに魅力的に見えるか
商品やサービスは見せ方次第で、良くも悪くもターゲットに与える印象は全く変わってきます。
その商品をよりターゲットに「ほぅら、この商品素敵でしょう?」と演出してあげるのがデザイナーの役割であり、腕の見せ所といったところですよね。
色々なサイトのデザイン事例などを回遊するのは、WEBデザイナーという職業柄ならではの日課だと思いますが、私も然り、
「こりゃぁシャレてんなー」
「めっちゃグリグリ動くなこのサイト、面白~い」
とか感嘆しつつ、そういうデザインも作るの楽しいよねぇ、とか思うのですが
ことセールスデザインにおいては
キレイでスタイリッシュ、動きがあるデザイン=成果の出るデザイン
ではありません。
あくまでも、対象のターゲットに我々企画側が意図するゴールに向けて行動してもらうのが目的なので、
当然、対象ターゲットが魅力的に感じる、または行動したくなる見た目に作る必要があります。
以前、うちの若手デザイナーが、ゴリゴリした圧のあるインパクト系のバナーやランディングページばかり依頼が来るので
「もっと、おしゃれでキレイなもの、、作りたい・・です。。(´·ω·`」
とこぼす時があったのですが、
例えば、ジェラート・○ケみたいな、ふわふわカワイイブランドサイトが好きで作りたいなぁ、と思っていたとしても
案件のターゲット次第では、真っ黒なページにゴリッと太字で、頭を抱えた人のイメージに
「闇金SOS!悩まずにまず無料相談!!」
みたいな、不安を煽るようなウシ○マ君風味の世界観をかもすページを作る事も、往々にして発生します。
なのでそんな時は、もれなく己の中の「カワイイ」は一旦心の奥に封印してもらって、ダークサイドに落ちてるターゲットの闇マインドを召喚してもらってデザインしてもらうことになります。
まぁ、借金の取立てに困っている人が不安を煽るようなページを見て
「お、俺の事だ!ポチ!」とするかはここではさて置き、、。
あらゆる案件でまず考えるのは
「この商品・サービスはどう見せたら一番ターゲットに興味を持ってもらい、行動してもらえるのか?」
という点です。
例えば同じ商品のランディングページでも、デザインとコピーのニュアンスを変えるだけで、響くターゲット層が変わったりします。
アフィリエイト経由で来るターゲットにはAのデザインテイストとコピー、リスティング経由のターゲットはBパターンの方が成果が良い、
といったように。
ページに含まれるメッセージとデザインの見せ方次第で「欲しい」「いらない」と人の行動が変わる、というのはとても面白く、興味深いものですよね。
私なんかは、ついつい
「どんなビジュアルで、どの言葉をどこに置いてどうレイアウトしたら今回は食いついてくれるかなぁ。へへへ」
と作る前に毎回ワクワクしてしまいます。さながら大漁を目指して仕掛けを作る釣り師の様といったところでしょうか。
あと、もう少しポイントがあるんですが、ちょっと長くなってしまいそうなので続きはまた次回に。
お付き合いありがとうございました。
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