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010『西日本を歩く5~鹿児島・熊本・佐賀~』

文:守屋佑一

2010年9月16日

いつの間にか出発地である小田原からずいぶんと遠くに来た。鹿児島で朝を迎えた僕たちはこの日もひたすら先を目指す。鹿児島と言えば、桜島。

しかし、前日と同じくここに行く余裕はない。だから、車の中から少し眺めて熊本へと向かった。

いよいよここからは九州折り返し。

熊本に向かう途中、嬉しい弾丸ノープラン旅行の移動の楽しみがここでも発揮された。田舎道を走っていると突如看板が現れた。その看板には日本一の大鈴がある神社とたしかこんなことが書かれていた。

一旦はそこを通り過ぎてしまった僕らであったが、顔を見合わせ、すぐさまその神社に向かって車を引き返した、

神社はいきなり大きな鈴がディスプレイされており、すごい迫力であった。

日本は本当にいろんなものを祀る。八百万の神と言うが、八百万以上の神様がいるんではないか。

僕らの他には誰もいなかったおかげで貸切状態でゆっくりと観光を楽しんだ。知らなかったことを知る、とういうのは本当に楽しい。先が分かっているより、未知のものにエンカウントしたり、何が起こるかわからない次の日があるのがとても楽しい、特に旅先に限っては。ハプニングだって、時が経てばそれは思い出になる。それは幸せなことだ。2011年3月の旅行ではそんなことを言ってられないようなことが起きたのだけれど。この話はまたの機会にちゃんと話そう。

こんな寄り道をしつつ夕方前に熊本城に到着。工事中の姫路城には少しがっかりしたが、熊本城はしっかりと見ることができた。

正直なところ、圧倒された。僕らの地元の小田原城とは全然規模が違う。お土産も充実している。

加藤清正の銅像がとても目立っていた。そういえばこの旅では何度か加藤清正の銅像を目にした。

一通り観光が終わり、僕らはどきどきしながら熊本ラーメンの店を探した。

どきどきしたのにはもちろん理由がある。小田原人にとって、熊本ラーメンは少しだけ特別なのだ。小田原には地元民ならみんな知ってる熊本ラーメンの名店がある。この名店はとても美味しいのだが、食べる人を選ぶ癖のあるラーメンが特徴だった。小田原にある熊本ラーメンの名店でさえとても強烈なのだから、きっと本場の熊本ラーメンはそれとは比べものにならないくらいもっと強烈なのだろうと。

そして入った本場熊本ラーメンの名店。ここで僕らは少しだけ拍子抜けした。小田原の名店にあるような強烈な特徴の一つである独特の匂いがあまり感じられないのだ。もちろん味も最高。小田原の熊本ラーメンもとても美味しいが、熊本の熊本ラーメンもやはり本場としての力をしっかり持っていた。

熊本を後にして佐賀へ向かう。SAGAで有名な佐賀に。

僕たちと同じくらいの年齢ならお笑い芸人のはなわ氏の佐賀県の歌を聞いたことはあるだろう。

その歌の中で佐賀県はなにもない田舎ということが強調されていた。

それは当たらずも遠からず、といったところで佐賀では寝床を探すのに苦労した。健康ランドは22時に閉店してしまうので、入浴後急いで漫画喫茶をガラケーで検索して探した。全然見つからないので健康ランドの店員さんに聞いたところ、このへんにそんな施設はないとあしらわれてしまった。

なんとか漫画喫茶は見つけることができ、泊まることはできたが、たしか日も変わるくらい深夜であった。

恐るべし、佐賀。

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