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虎の巻

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フィクション寄り
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#ショートショート

【小説】石/泡

Ⅰ  モールス高度最高峰!の、ダイヤモンドを円環にした、エタニティ・リング、永遠の輝き、…

虎馬鹿子
4年前
42

『善女流転』若しくは『――』の習作

 流るる処を得たとばかりに貴女はにわかに華々しく恍惚に咲き開いた。  感動さめやらぬお胸…

虎馬鹿子
4年前

記録

今朝もタイムラインが窓を流れる。 自分だっていつまでこれに乗っかっているか分からないとい…

虎馬鹿子
4年前
58

『埋める』連作

Ⅰ さみしい。 さみしさは穴に喩えられるが、つまり、そういう身体感覚である。 身体にぽっか…

虎馬鹿子
4年前
36

面(つら)の皮

親のようにはなるまい。 特に「あんなひどいこと」はするまいと、固く決心していました。 し…

虎馬鹿子
4年前

ムンク掌編Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ

Ⅰ 生命のフリーズ ムンクのレプリカというか、ポスターなどを見かけますけれど、買う人の気…

虎馬鹿子
4年前

【小説】皮

Ⅰ 桜狩 春、休日、幼稚園に通う息子と公園に遊びにいくと、クラスメイトの女の子が桜狩りをしていた。 目を輝かせながら、実にうれしそうに桜が花をつけた枝先を引っ張り、バキバキと折っては抱きかかえていく。 息子と私に気が付くと駆け寄ってきて、うちの自転車の籠にバサッと枝を入れた。 「こんなことしちゃかわいそうだよ」息子が言った。 「なんでっ!」女の子は言った。 私は何も言えなかった。 早春、わが家には花屋で買い求めた啓翁桜の枝があった。 この子の行為が罪ならば、私たち大人も同罪

秋の散歩

近所に意中の人ができてしまったので、その付近を夜の散歩コースから外す。 理由は、そこを通…

虎馬鹿子
4年前
19

さみしい。

さみしさは穴に喩えられるが、つまり、そういう身体感覚である。 身体にぽっかりと穴が開くと…

虎馬鹿子
4年前
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