5月20日 Splatoonサイドオーダーにもう飽きちゃった。サイドオーダーに必要なモノってなんだったんだろう?
……一ヶ月もやらないうちに飽きちゃった。
『Splatoon』がローグライト型ゲームになる! と聞いた時、「ああ、それは面白そう」と率直に思った。オンライン対戦型ゲームとして発表された『Splatoon』だが、その以前にシューティングゲームとして面白い。毎回、チュートリアルとしてストーリーモード(ヒーローモード)が付いてくるのだが、これが毎回面白い。最初の頃、ヒーローモードだけで何度も周回していたことがあるくらい。この1人用モードを、何度も繰り返し遊べるローグライト型ゲームになったら……もしかしたら理想のゲームになるんじゃないか……。
そういう期待を込めて、『Splatoon サイドオーダー』の配信日である2024年2月22日を楽しみに待っていた。
ところが……一ヶ月もしないうちに飽きちゃった。
ゲームをやる時は毎回なにかしらでキャプションを取るのだが、その最後のキャプションの3月17日となっている。その頃はほとんど遊ばなくなっていた時期で……。配信から一ヶ月もしないうちに、完全に興味を失い、やらなくなってしまったということがわかる。
飽きやすいゲーム内容
こう話すと、「つまらなかったのか?」と思われそうだが、そうではない。ゲーム自体は面白い。今でもやってみると面白いと思うことだろう。そうではなく、もう一度サイドオーダーの世界へ行く理由がない。行ったところで「やることがないな……」という感じになってしまう。再プレイするだけのモチベーションが見いだせない。
何度も周回してコインを集めて、コレクションアイテムを集める……という要素もあるけれど、あっというまにすべて買い占めてしまった。
サイドオーダーの魅力は、通常のプレイではあり得ない最強ブキを作れてしまうこと。ある意味、「オリジナルブキ・カスタムゲーム」でもある。このプレイでは射程、チャージタイム、ホーミング、さらにインク効率も良い、最強チャージャーを作った。クマさんチャージャーに匹敵する最強チャージャーだ。
「爆発範囲拡大」を最大まで上げると、ポータル破壊時の爆破も大きくなるので、一つを破壊すると他も連鎖爆発を起こすようになる。あまりにも爆破が大きいので、難ステージでも一瞬でクリアできてしまう。
通常プレイではあり得ない最強ブキが作れる……という遊びも、ひととおり全てのブキで試してしまうと、もうすることがない。もう一回やる? なんのために? 繰り返しても、同じ結果になることはわかっている。そんなゲームをまた遊ぶ理由は?
もう一度プレイする課題としてなにかないだろうか……。そうだ、チップを全制覇していない。
後半はチップ全制覇を目的に周回プレイしていたのだけど……それも途中で飽きてしまった。だってぜんぜん出ないんだもの。特に特定ブキ固有チップ。スピナーなら「スピナー弾数」などがあるのだけど、奇妙なことにスピナーを選択している時はこのチップの出現数がやたらと低い。他の固有チップも同じく。カサ固有チップである「カサ復活時間」、ローラー固有チップである「メイントツゲキ塗り」……いずれも出現率が極端に低く、一回のプレイで1つも出てこないことはしょっちゅうある。
しばらくはチップ回収を目標に周回していたのだけど、あまりにも出てこないものだから、そのまま意欲を喪ってしまい……とうとう遊ばなくなってしまった。
じゃあ、つまらなかったのか?
いやいや、そうではない。面白いは面白い。やってみるとやっぱり面白い。しかし繰り返し何度も遊べるゲームか……というとそんなゲームになっていない。
まずいってこのゲーム、「プレイのたびに状況が変わる」……というゲームになっていない。やっているとすぐに気付くが、ステージパターンに限りがあり、そのパターンも少ない。サイドオーダーには様々なブキ種が用意されていて、その全てでクリアを目指すと、その過程で全てのステージパターンを遊び尽くしてしまう。
すると“飽き”が来る。
プレイのたびに違う状況、ユニークな状況が生まれるか……というと、そうはならない。だいたい同じパターンになっていく。前回と同じクリアの仕方も面白くないな……という気分にもなるので、普段選ばないチップを集めたりするのだけど、しかし後半のステージがどんな内容かすでに知っているし、最終ボスも知っているので、予想を超えるユニークな展開が訪れることはない。どうあがいても予想通りのステージ展開になっていき、「飽きたなぁ……」という後味になっていく。
こうやってサイドオーダーというゲームを振り返ってみると、ローグライトというより、ローグライトの皮を被った普通のステージクリア型アクションゲームでしかなかった。それも、毎回1人用ゲームモードであるヒーローモードがあるのあけど、そのヒーローモードよりもさらに小ぶりで厚みの薄いゲーム……そんなふうに感じられてしまう。『Splatoon2』のオクト・エキスパンションのほうがはるかにボリューム感が大きかった。
任天堂の追加コンテンツゲームとしてはボリューム不足。発表から配信までものすごい時間があったし、それなりのお値段のするエキスパッション・パスだったのにもかかわらず、この内容……。率直に言って、これは「失敗作」だった。「がっかり追加コンテンツ」だった。
問題点はどこか?
では、具体的にどこが失敗だと感じられるのか。引っかかったところをピックアップしていこう。
第1にステージのバリエーションが少ないこと。全ブキ制覇で周回する間に、ほぼ全てのバリエーションは体験できてしまう。
ステージ構造に“ランダム要素”が少ないのが欠点で、例えばステージ上に配置されているポータルや転がす玉の配置も固定。通常とは違う展開になる「トラブル」もあるのだけど、それもバリエーションが少ない。自動生成特有の不条理な展開に陥らないよう、すべて手作業で設定している配慮はわかるのだが、それゆえに意外性に乏しく、周回を繰り返す間に飽きてしまう。
ビジュアルは全体がホワイトにまとめられて美しいといえば美しいが、視覚的な変化に乏しく、見た目からも飽きやすい原因になっている。
途中に挿入されるエレベーター内での対話。最初は楽しいが、すぐにパターンが尽きて同じ内容を繰り返す。しかも同じ内容でもスキップできない。
周回すると何度も同じ対話を見るようになるから、「またか」となる。この場面があるから、展開がもたつく。スキップさせたほうがいい。それ以前に、パターンが尽きたなら、このシーンは出さない方がいい。
展開がもたつく、なのにスキップできない……というのは『Splatoon』本家から引きずっている問題。Splatoonの問題と言えば、対戦後のリザルトが無駄に長いこと。初代から言い続けていることだが、まず1画面にまとめろ。次に対戦後、すぐに次の試合に参加するか否かの選択肢に移れ。しかし3作目に来ても改善の兆しはなく、4作目でも見直される見込みは薄い。
ちなみにリザルトがやたらともたつく、スキップできない……というのは任天堂のゲーム全般にありがちな問題。社内に誰も突っ込む人がいないのか。
第3にストーリー。
はじめて塔の最上階まで行き、オーダコを撃破してエンディングに入った時、なんか物足りない。いまいち盛り上がらない。物語上の謎がすっきり解決……という感じではなく、どこか引っかかったまま、強引にクライマックスに持ち込んだ……という印象だった。
これは周回を繰り返すうちに、隠された謎が明かされる……という展開では? ……と思って周回したのだが、しかしそれ以降、物語の展開は特になかった。
周回を繰り返すと、イイダのノートが開かされるのだが、その中で事の真相……というか、ことの始まりがなんだったか明かされる。要するにイイダの自作自演だった……というオチだが、それも「なんだそりゃ!」という感じ。自作自演のつもりだったが、プログラムの方が暴走して……ということだったのだが、事件の真相としてはすっきりしない。納得感が薄い。
納得感が薄いのは、そういった物語の真相が、“物語の中”、あるいは“ドラマの中”で語られなかったこと。物語が終わった後の、オマケ的なテキスト情報だけで説明されてしまった。そういうところで事の真相が明かされたとしても、真実だとしても腑に落ちない。納得できない。それはイイダ視点の話だけで、真実はもっと別のところにあるんじゃないか……そう勘ぐってしまう。
周回を繰り返すと、さらなる真実が明らかになるんじゃないか……しかしそんな展開など用意されていなかった。
結局のところ、なぜプログラムの暴走が起きたのか? プログラム構築のときイイダと協力したのは誰だったのか? イイダが意図していないキャラクターが出現しているのはなぜか……。なにも解説されないまま。全部投げっぱなし。
この作り方の何がまずいのか? 問題点は3つ。
1つめはすでに書いたように、本編ストーリーの中で描かれなかったこと。人は物語にしないと出来事のあらましを理解できない。理解できないというか、「腑に落ちる」という感覚に至ることがない(「知る」と「理解する」の間には大きな隔たりがある)。物語を読み、その中でできごとを追体験し、その結果、一つの事件を自分事として理解する。それが人間の心理的プロセスである。
サイドオーダーはそれをやらず、肝心の「真相」を物語の外でやってしまった。本編では何か物足りない、何かが欠落した状態で進行していくから、何か腑に落ちない。納得いかない。エンディングまで来ても「これで終わり……じゃないよな」という引っかかりを作ってしまった。これがいけない。物語上の事実は、物語の中で語ること。これが基本である。
2つめは、いくら周回しても、結局最初に提示された以上の展開はなかったこと。するとゲームプレイはただ漫然とした周回プレイになっていく。繰り返しプレイする……ということに「物語」を感じさせるものがない。ただ機械的にゲームをやっています……こういう気持ちにさせるから飽きがくる。
ただゲームをやっています……という以上の感慨をプレイヤーに与える手っ取り早く確実な手法は、そこに「物語的な意義」を与えること。周回すること自体になにかしら物語的な意義、つまり展開があること。変化があること。これがあれば、「この先に何があるんだろう」という興味に引っ張られて、ゲームを繰り返し遊ぶようになる。
ところがサイドオーダーは、なんとなく「何かありそう」という余韻や微妙な引っかかりを残したまま終わり、以降なにもなし。期待させて何もなし……という最悪な作り方をやってしまっている。
3つめは結局なんだかわからないことだらけのまま放置したこと。そもそもサイドオーダーという世界観は、どういう原理で動いているのか。どうやらサイドオーダーは独自の意思を持ち、その世界のなかに住人が生まれている。彼らは何者なのか。何者かだとして、交流は可能なのか……。そういう広がりがまったくないまま。
現状だとただの背景。壁に書いた絵でしかない。それ以上の広がりを「物語」のほうで感じさせなければならなかったが、それをやっていない。
やはりもう一段、サイドオーダーという世界観をより魅力的に見せるための多段ロケットが必要だった。ゲーム的な「新要素」ではなく、さらなる「物語」が必要だった。
オーダコとの戦いまでに、サイドオーダーが独自の意思と世界観を持つようになった……ということが示される。そこまではいい。周回を続けていく中で、そのサイドオーダー世界の内実に触れる物語が欲しかった。実はオーダコの背後にはさらなる悪い奴がいて、そいつが諸悪の根源でもあるのだが、サイドオーダーを再構築している神的存在でもあって……。なんでもいいが、放りっぱなしにしたストーリーをもう一度拾い上げ、全てを畳み、さらなる感動に引っ張り上げる物語が必要だった。ついでにそれがゲーム的な構造と結びついていれば、“周回し続ける”ということにも意味を持たせられる。
それがないから、サイドオーダーという世界観でゲームを繰り返すこと自体に、何の意味があるのかがわからなくなる。何もないから、プレイするモチベーションにならない。現状だとただの“練り込み不足のゲーム”でしかない。
具体的な改善点
ではどうすれば良かったのか? どうすればサイドオーダーはもっと魅力的で、何度も遊ぼうという気持ちにさせるものになったのか?
これが難しい。簡単にわかるような答えはそうそうあるものではない。それ以前に、素人が思いつくようなことは、だいたいすでに試されていて、ダメだったから実装されなかった……というふうに考えねばならない。それを考慮した上でさらに……という考えを示さなければならない。私にそこまでのアイデアは示せないが、とりあえずここまでに取り上げた問題に対する答えだけは示しておこう。
① テンポはもっと早く!
まずはこれ。明らかにテンポが悪い。もっとリズミカルに、サクサク展開していくようにするべき。もたつく演出は害悪。このもたつく演出や、無駄な対話でおそらくゲームプレイ全体の数分は持って行かれている。
そもそもSplatoonは全体的にテンポが悪い。サイドオーダーだけではなく、ゲーム全体の展開は早くして欲しい。
② さらなる物語展開を!
サイドオーダーの大きな問題はストーリー。シナリオ制作を舐めているとしか思えない、出来の悪いシナリオ。
ゲームを魅力的に見せる最大のアンサーは「物語」。その物語の出来が悪いと、いくらゲーム部分がよくできていても、魅力的に感じられない。その逆で、物語さえ魅力的であれば、サイドオーダーはもっともっといいものになっていたはず。
③ 見栄えを変えよう!
サイドオーダーは最初から最後まで、ステージの見栄えが変わらない。そういう世界観だから……というのは理解できる。あえて無機質に作って、ここが電脳世界である、ということを表現しているのもわかる。
しかし見栄えが変わらない……というのは物語が進展している感覚が乏しく、どうしても飽きてしまう。飽きるとプレイを続けようという意欲の減退になる。
ここは物語展開とともに、どんどん違う風景が見えてくるようにする。違う風景を出すことで、「物語が動いている」という感覚を表現する。
④ ボスキャラをもっと増やそう!
サイドオーダーにはボスキャラが3体しかない。さすがに少なすぎじゃないか? もっとバリエーションに富んだボスキャラがいてもよかっただろう。
これも物語展開と連動して、いろんなボスキャラがでてくるようにしてほしかった。
⑤ クリア後のご褒美をもうすこし考えよう!
さて、難しい問題。クリア後のご褒美はなにがいい?
しかしSplatoonは基本的にシューティングゲームなので、クリア後のユニークなご褒美を作りにくい。
Splatoonシリーズのアイテムは、基本的にブキとギアしかない。『Splatoon3』になってカードゲームとロッカーが追加された。エモートも追加された。だがこういうオマケ的なアイテムはあっという間に収集されて、在庫切れになってしまう。
私は『ヴァンパイアサバイバー』というゲームが好きで、アドベンチャーモードを永久に周回し続けている。周回すると、ゲームは最初からになるが、その代わりに特定ステータスを一つ補強した状態でスタートできる。
しかし『Splatoon』でこの仕組みを採用すると、ゲームバランスが崩壊する。『Splatoon』はかなり慎重にゲームバランスを設定しているので、これを動かすわけにはいかない。
『Minecraft』や『テラリア』のような、クラフトで物を作れるゲームであると、新しいレシピや新しい素材がご褒美になり得る。そのおかげで無限に楽しめる。しかし『Minecraft』や『テラリア』はそもそも“そういうゲーム”だから。『Splatoon』はそうではない。そういうゲームと同じように語れない。
『Splatoon』は基本的には対戦シューティングゲームである。シンプルなゲームであるが故に、「ご褒美を何にするか?」が難しい。ここで強力なブキを出してしまうと、ゲームバランス自体が崩壊する。新しいギアやロッカー・コレクションも一つの手だが、それを実装するには制作側のコストがあるので、無限に追加というわけにはいかない。
私はここで、「物語の展開を」「ステージに変化を」と繰り返し語っているが、それをやればやるほど無限にコストがかかっていく。制作期間も無限に延びていく。どんな作品であれ、「予算」という制限があり、その制限の範囲内で広がりが感じられる世界観を作らねばならない。予算と制作期間をある一定範囲内に抑えつつ、これに対する強力なアンサーを探さなければならない。これはさすがに私も答えられない。もしも答えが見つかれば、『Splatoon』のゲームの形自体がもう一段変わってしまう時だ。それだけのアイデアに、まだ制作チームもたどり着けていないのだろう。
人は無駄なものを嫌う。ゲームというのはそもそも無駄な行為そのものだが、だからこそ、遊ぶ限りには何か“収獲”あって欲しいと思うもの。新しいステージに辿り着きたい。新しいアイテムを手に入れたい。レベルアップやお金を増やしたい……等々。こういうものがゲームをもう一度遊ぶためのモチベーションになり得る。
ではローグライト型ゲームではどうだろうか。ただローグライト型だから……というだけで人は何度も遊びたいとは思わない。遊ぶたびに、「何かが得られる」という実感は絶対に必要だ。それがないと、「もう一回遊ぼう」という動機付けにならない。
サイドオーダーにはそれがないことが問題。現状の仕組みにあともう一つプラスして、遊ぶたびに何かしらの得られる報酬があれば、何度も遊ぼう、という動機付けになっただろう。
2つの提案
無茶を承知で提案するとしたら、2つ。
1つめは、サイドオーダーとサーモンランを合体させてしまう。サイドオーダーで手に入れたチップ能力を3つだけサーモンランに持って行ける……という設定にする。それでラッキーボムが出たり、ラッキーコンボが発生するようにしてもいいでしょう。私はとりあえずインクパチパチとインクネバネバが欲しい。なんでシャケ連中は、こっちが塗ったインクをものともせずに向かってくれるんだよ……。
2つめは、自分で対戦ステージを作れるモードを追加すること。つまり「Splatoonメーカー」だ。
これはガチで対戦に使えるステージを作ってもいいし、単に集めたアイテムをひたすら並べて悦に浸るだけのスペースにしてしまってもいいし……。
設定としては、このオリジナルステージは現実空間ではなく、電脳空間である、ということにして、サイドオーダーをクリアするたびに、自分が自由にできるエリアか、あるいはそこに置けるアイテム数を増やすことができる。この設定にしたら、サイドオーダーを周回し続ける理由が生まれる(それでも、すぐに上限までやり尽くしちゃうとは思うが)。
しかし2つめの提案「Splatoonメーカー」は完全なる無茶。これはゲームのオマケとして作るにはあまりにも大変。単独のゲームタイトルにするくらいじゃないと無理。あくまでも「あればいいよね」というだけの話だ。
サイドオーダーは『Splatoon』というゲームの仕組みをそのまま使って、ローグライト型ゲームをやれないか……という試みだった。それが面白いか、と問われれば面白い。もともと『Splatoon』のゲームや世界観が秀逸だから、これまでにないジャンルに転換してもやっぱり面白い……ということが証明された。おそらく『Splatoon』は何を掛け合わせても面白くなる。
しかしローグライトゲームとしてクオリティが高かったか……と問われると「ちょっと待て」となる。ローグライト型ゲームは何度も周回し、何度でも楽しめる……というのが基本アイデンティティだったはずだが……しかしサイドオーダーは用意されているブキで一通り一周するともうやることがない。飽きてしまう。面白いは面白いが、同じ展開になる、とすぐに気付いて、もう一度遊ぼうと思わなくなる。ローグライト型ゲームとしては、「出来が悪い」ということになる。
これはやはり、ローグライト型ゲームの皮を被った、普通のステージクリア型ゲームでしかない。それもステージ数もボスの数も少ない。ただの小さなゲームだ。
どうしてこうなったのか……もしかすると制作スタッフに、そもそもローグライト型ゲームに対する理解が浅かったから、ではないか。ローグライトといっても、よくわからないから、結局ありきたりなステージクリア型ゲームになっちゃいました……それがサイドオーダーだったのではないか。
サイドオーダーは『Splatoon』シリーズの中でも失敗作。ゲーム設計も物語もダメ。世界観イメージはなかなか格好良かった。サイドオーダーで登場した衣装も好きだ。良かったのはゲーム以外のところしかなかった。その程度の、残念なコンテンツで終わってしまった。
オマケ テンタクルズ写真
サイドオーダーのもう一つ良かったところは、テンタクルズの写真を好きなだけ撮影できること!
やったー! 世界的アイドルの独占撮影だ!
ヒメ先輩可愛いよ、可愛いよ……。
ヒメ先輩、こっち向いてー! きゃー可愛い!
ヒメ先輩、後ろ姿も可愛いよー!
どこから見ても可愛いよーヒメ先輩!
イイダも“ついでに”撮っておこうっと。今回のイイダの衣装いいっすね。
あ、イイダはそこに立っているだけでいいです。キャー! ヒメ先輩!
自分の写真も撮っておこうっと。これ証明写真にしよー。
イベントムービー中のヒメ先輩も素敵♥
ヒメ先輩 イケメン♥
でもストーリーがいまいちだったから、テンタクルズの魅力がいまいち上がらなかったんだよなぁ。
『Splatoon3』はメインのヒーローモードもいまいちだったから、すりみ連合もいまいち魅力的に見えない。シナリオをもっと頑張ってほしかったなぁ。他の要素は「予算」と「期間」という制約があったかも知れないけど、シナリオはもっと頑張れたでしょ。
『Splatoon』はいろいろ引っかかるところがあるけれど、4作目で引っかかりを解消してくれるかなぁ……。コンテンツの中には「これ、本当にプレイヤーを楽しませるつもりはあります? 楽しませているつもりでこの設計?」と直接言いたくなるやつありますから。現状だと、「自分のプレイを誇示したいプレイヤー」は確実に楽しいけど、それ以外は……というゲームになっちゃってる。
『Splatoon』は『Splatoon』自体は最高に楽しい。しかしその周辺の「仕組み」に目を向けるとダメなところだらけ。現状だと、一部の上級者プレイヤーだけが気持ちよくなれる設計になっている。プレイヤーの気分を萎えさせる仕組みだけは、無駄にしっかり作ってしまっている。そこに中の人が気付いて、次回作で手直ししよう、って思ってくれていたらいいけど……。やっぱり、一部の「信者プレイヤー」の声しか聞いてないんじゃないかな……。