7月1日 最近のXR総合展を見ながら、ちょっと先の未来の話をしてみる。
gamesindustry.biz:「第2回XR総合展【夏】」で,12K 360度カメラやバーチャル東京タワーなど,気になる展示をチェック
お、私の好物、技術系の記事だ……。どれどれ。
truRes-12K
360度画像を12K画質で撮影できるカメラ……ですって。
12Kって……。360度カメラとはいえ、もう12K撮影可能なカメラが出てきたんだ。
前から話しているように、ディスプレイ技術の終着点は12K。12Kに達すると、本物の風景とモニターの画面との区別ができなくなる。それ以上の画質はなんのために使うのか、というと立体映像を生成するため。
そういう技術も、もうちっと先かな……と思っていたけれど、こういう展示会ではもう出てきているんだ。すると民生品まで下りてくるまでそうあまりないってことだから、そのうち、12K撮影、12K表示できるディスプレイなんかが出てくるかも知れない。
うち、まだ4Kモニターなんだけどなぁ……。ヤバい、若い子に「4Kとかwwwモザイクじゃんwww」とか言われちゃうよ!
ミライセンス
ミライセンスとはなんぞや……? 触感フィードバックを作っているところ。ゲームでいうと、Nintendo Switchのジョイコンの中に入っている振動や、PS5のコントローラーに入っている振動技術を提供しているところ。
Nintendo Switchはジョイコンという、あの小さなコントローラーの中にあれもこれもと詰め込まれているせいで、パーツ一つ一つは極小。振動に使われているモーターも極小。あれだけでも多様な振動を生成できてはいるけれど、本領を発揮しているとは言えない。
ではどんなものが“本領”なのかというと、コントローラーを持っている手が引っ張り込まれたりもするそうだ。もちろん“錯覚”だけど、そういう錯覚も振動で作り出すことができる。釣りゲームで、魚に引っ張り込まれたり……みたいなものも振動で作れるそうだが、ジョイコンの振動は明らかにそこまでじゃない。
こういう振動技術で様々な触感を再現できるようになったら、それこそ「ボタンで操作するゲーム」ではなく、ジョイコン自体を動かして、レバーを回転させるとか、何かを押したり引いたり、色んなものを持ち上げて運んだり……といった直感的なアドベンチャーゲームもできるはず。そういうゲームの可能性を、任天堂が見逃さないはずもない。
この手の振動技術って、本当に日進月歩の産物みたいなので、「Switch2」の時にはさらに進化した「HD振動2」に期待したい。
MK360
1台のカメラで部屋の全ての壁に映像を投影できる……というプロジェクター。一個の魚眼レンズで部屋全体に画面を投影できる……というもの。
うわぁ、それってSFでよく見ていたやつだ。草原の風景……だと思っていたら実はプロジェクターの映像で、実は何もない部屋でした……というのは昔からSFでよく描かれていたやつだ。こういう技術、実現段階まで来たんだ。
現状だと、部屋に星空を写したり……みたいな面白くない提案しかないようだけど、こういう技術がゲームと結びつくと絶対に面白くなるはず。
例えばアミューズメント施設でVRゴーグルを被って、モンスターと戦う……みたいなものはすでにあるが、このマシンが来るとVRゴーグルなしで、自分の姿のままモンスターと戦うことができる。
オブジェクトに触れた時の感触はどうするのか……というのはミライセンスの振動技術で。
ただ、一般家庭にこのマシンを持ってくるのはちょっと難しいか……。だって家具があるから、それが邪魔で映像を投影できない。やっぱり家庭用ではなく、アミューズメント施設向けかな……?
えっと、お値段は……400万円だと!? こりゃ一般人は手が出せないや。
ところで、「テレビ」といったら、みんな↓のようなものを想像するはずだ。
ただ、こういうフレームで区切られた、平面だけを表現するテレビって、どっかの時点で古いものになると思うんだ。どこかの時点でプロジェクターに入れ替わってくんじゃないか……って私は予想している。
今の時点でもプロジェクターのほうがテレビよりお安いし、テレビより大きな画面を写せるし……。ただ画質という点でテレビに負けている(4K表示できるやつがほとんどない)し、汎用性、つまりゲームに接続できたり、PCに接続できたり、といった点でもテレビに負ける。
とはいっても、プロジェクター製造メーカーも考えているので、いまゲーム向けに応答速度のやたら早いプロジェクターとかも出ている。
もしもプロジェクターが今よりも画質が上がっていって、12K画質を超えて立体も表現できるようになったら、みんな自然とテレビよりプロジェクターを選ぶようにようになるんじゃないかな。
さらにプロジェクターが持ち運び可能なポータブルなものになっていって、必ずしも「壁」を必要としない、「空間」上に映せるようになったら……。そういう時代に来た時、フレームで区切られているテレビを選ぶ理由はもうないんじゃない?
私は「平面表現」はそろそろ現界かな……と感じている。映画の表現にしても、ゲームの表現にしても、平面でできることって、もう現界なんじゃないかな。もう誰も映画の表現に新しいものは期待していない。映画がCGと結びついてから、ありとあらゆるものが表現可能になって、すると映画から本当の意味での「驚き」は消えてしまった。
そういう現状から一歩進む可能性があるとしたら、「ホログラム立体」かな。ちょっと前に流行った、飛び出す絵本のようなゆるめの3Dじゃないよ。回り込んで対象物を見ることができる3D立体。
そういう3D、特にゲームだったら恩恵は一杯あるはずなんだ。ホログラム立体になれば、新しいゲームのアイデアは一杯出てくるはずだから。
映画は立体になって、恩恵を受ける作品と、たいして変わらない映画と分かれるだろう。ジェームズ・キャメロンが制作するような映画はきっとホログラム立体になったらより楽しくなるはずだけど、それ以外のほとんどの映画はさほど変わらないだろう。
そう考えると、これからのコンテンツリーダーはやっぱりゲーム。ゲームがエンタメ文化の最大牽引役になる。
こういった立体表現が可能になって、さらにリアルな触感が加わったら……。部屋全周囲をファンタジー世界にして、その中を歩き回って見ることができたら……。
考えてみようよ、AV女優が空間上に現れて、触れられるかも……ってところを。テレビよりもプロジェクターのほうがいいでしょ(平面のAV女優と立体のAV女優、どっちが良いかい? 実現可能なら、立体のAV女優のほうでしょ)。できれば、だけど。夢みたいな話をしているけれど、全くの不可能じゃないんだ。どれも少なくとも10年くらいで実現する。
まっ、今じゃないけどね。
でもみんながテレビよりもプロジェクターのほうがいいや……そういう選択をするようになるまでのハードルは結構高い。そこを越えられるようになったら、映画もゲームも、そっちに合わせて新しい局面に向かうかな……とは思うけど。きっとそれが一番ハードル高そう。
網膜投影型小型レーザープロジェクタモジュール
網膜に直接画像を照射して、AR画像を映し出す技術。
メガネに組み込むには装置はやや大きいそうだけど……。これが実現すれば、スキーゴーグルみたいなARメガネではなく、普通のメガネっぽいもので、鮮明なAR映像を映し出すことができる。
こういう技術は30年前から提唱はされていたけれど……いよいよ実物が出てきたか。現代は30年前に描かれたSF漫画の世界にいる。面白いなぁ。
私はとりあえず、道行く人をテキトーにスキャンして、テキトーな数字が出る仕組みを作りたい。それで、
「戦闘力……23万……だと!?」
みたいな遊びを1人で勝手にやりたい。
実用? それは道案内してくれれば充分だよ。
でもネットで事業やっている人はだいたいみんなバカだから、いきなり視界全体を覆うような広告をポップアップして、それで事故が起きて、社会問題になる……みたいな事件が起きちゃうんだろうなぁ。それでマスコミが「問題だぁ!」と大騒ぎして……。
なんにしても、こういう新しい技術の話は面白い。いま一番夢を語れるのって、やっぱり「技術」なんだろうなぁ。
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