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12月25日 任天堂の新しいゲーム機は2023年発表????

 まずはIGNさんの記事からどうぞ。

 記事によれば、「その年単体のソフト販売本数」「その年までのハード累計販売台数」を掛け合わせて、「新規装着指数」というものを割り出し、その新規装着指数が「2.0」を下回り、「1.0」前半に落ち込むタイミングで次世代機が発表されている……としている。

 こうやってグラフで出してくれると「ああ、なるほど」と納得。確かに新規装着指数が「1.0」に近付くタイミングで新しいゲーム機を出している。これは任天堂ゲーム機に限らず、たぶんPSでもXboxでも当てはめられるかも知れない。この理論から新しいゲーム機がいつ発表になるかがわかってくるかも知れない。

 ただし、こういう理論の注意点は、書き手が考えた結論に合わせてデータが集められてしまう……という点だ。そういうことは色んな事象にも当てはまるので、少し引いた視点で見るようにしよう。こういうものはもっとデータを集めたほうがよい。

 もうひとつ、Switchの場合、今までのゲーム機と違う特殊要件というものがあって……というのも非常に台数が売れている。ソフトラインナップがあまりにも豊かすぎるということ。データを見てもすでにWii時代を超えている。Wiiは極端にライト層向けに振りすぎてソフトもそういう感じだった……という反省があって、その次ハードであるWiiUはそもそも失敗ハードでソフトもあまり出なかったから、Switchへの移行はスムーズだった。Switchはライトユーザーからミドル、エリートユーザーと全方位に目を向けさせるほどの力を持っていて、ゆえにソフトラインナップがめちゃくちゃに良い。ライトなゲームから古典ゲームのリバイバルまで、非常に豊富。データに出てきてないが、インディーズソフトも一杯出ていて、そちらも非常に売れている。
 おそらく2023年に次世代ゲーム機発表が来る……ということ自体に大きな異論はないけれども(発表は2023年、発売は2024年?)、しかしその後もSwitchに留まってしまうユーザーは非常に多いだろう。私としても新しいゲーム機が出ても、あと数年はSwitchでゲームを楽しんでしまうかも知れない(リングフィットアドベンチャーのように長く続けているゲームもあるわけだし)。
 台数が売れすぎているがゆえに、意図せずに延命してしまう。最悪の場合、新ハードが発売されてもまだSwitchの新作タイトルが出続ける……みたいにもなりかねない。
 大ヒットしたゲーム機の次って難しい。任天堂に限らず、ソニーもPS2の後は世代交代に苦労した。なにしろPS2はソフトラインナップがめちゃくちゃに豊富で名作タイトルも多かったから、ずっとそこに留まってしまうユーザーが出てしまった。
 旧ハードにとどまってしまうユーザーをいかに次ハードに連れて行くか……これがSwitchが間もなく直面しなければいけない課題である。

 業界噂話でSwitch登場後さかんに言われていたやつの一つが「Switch Pro」の存在。私の考えでは、Switch Proは実際に検討され、かなり具体的なところまで進んだんだと考えているんだ。だから業界内噂話としてあんなに言われたんだ……と。
(話がどっかの掲示板で「知り合いのおじさんに聞いたんだ」というレベルのものじゃなく、台湾工場関係者や、韓国のディスプレイ開発者の話とかから出てきていたしね。話のディテールが厚すぎる)
 でも結果的にキャンセルになった。なぜなら新モデルを投入して「ゲーム機の延命」を図る必要がないくらいにSwitchが売れてしまったから。この状況下で無闇に新モデルを出しても、ユーザーの混乱を招くだけ……だからSwitch Proは出てこなかった。
 それくらいのゲーム機販売は業界の潮目をきちんと見なければならない。任天堂は主力商品が一つしかない会社だから、その辺りの潮目は慎重に見ているはずだ。

 なんにしても、ゲーム機&ソフトの売れ行きが目に見えて鈍化してきた……というタイミングで次世代機の発表が来るというのは間違いないでしょう。当然ながら新ハードの準備も裏で結構進めているはず。あとはそれが“いつ”になるか……。任天堂もタイミングを慎重にみているでしょう。

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 ではもう一つの記事を紹介。4Gemarから。

 Switch発売以後、SteamDeckをはじめとしてコンセプトを丸パクリしたかのようなゲーミングPCがポコポコと生まれたけれども、そこからSwitchの次ゲーム機の性能予測はできまいか?

 ただし、SteamDeckをはじめとするゲーミングPCはあくまでもPCなのでお値段高め。9万円以上、12万円未満。お値段高めだから、当然いいパーツも使える。一方Switchは3万2000円。任天堂は今以上に高い値段設定にはしないでしょう……というところから割り引いて考えなければならない。
 また値段さえ高ければゲーム機としてのパフォーマンスがよくなる……というのも違う。上記事の比較では、値段、機械としてのスペックはSteamDeck後発のマシンのほうが上だけど、実際ゲームをやってみた感触としてはSteamDeckのほうがポテンシャルが高かった……と報告している。ゲーム機としてカスタマイズされていたほうが、スペックや値段が高いゲーム機より動きが良いのだ。

 任天堂は今もNVIDIAとコンビを組んでいて、NVIDIAは会社のプライドがかかっているから、当然いいものを用意してくるでしょう。ゲーム機ってライト層・コア層両方にまんべんなく売れる物だから、AMDにしてもNVIDIAにしても自社ブランドを強力にアピールする場になり得るんだ。ここでイマイチなものを出してきたら、「NVIDIAってイマイチだよね」とか言われかねない。だから無理してでもいいものを持ってくるはず(AMDはPS5のCPUに、PCでもまだ出してないものを投入してきたものね)。
 一方、任天堂はあくまでもゲーム機はファミリー層向け……という立場を崩さないから、3万円台前半は絶対にキープするはず。
 PS5は発売後、かなり苦戦したが、それはあまりにも中に入っているパーツが最新鋭過ぎたから。作り手側の理想を詰め込んだ結果、モノを作るのに苦労した……という背景がある。任天堂はあの状況は見ているはずだから、「最新のもの」は避けて、相変わらず「枯れた水平思考」論理であえて一歩遅れたものを出してくるでしょう。お値段3万円以内で、手に入りやすく、この範囲内で一番いいパーツを揃えてくるでしょう。
(PS5の品不足問題だけど、最近の『ファミ通COM』によるデータを見ると、週販5万~7万台……ほぼSwitchと変わらない台数が出ている。「PS5品不足問題」はようやく解消されている状況になっている。PS5の日本販売戦略はようやくスタートした……という感じ。今からどこまで市場を取り戻せるか……が見所だ)
 任天堂次ハードは、まず4K画質は来るだろうと思うが、さらに何を投入してくるだろうか。
 それから、そういうスペック面とは別に、「新要素」は必ず導入される。先行するPS5、SteamDeckと被らず、ゲームの可能性をより高めるような何かが導入される。それはなんだろうか?
(スペックだけの勝負をすると、お値段の高いゲーム機には絶対勝てないものね。私は再び「立体視」が来ると予想している。なぜなら3D技術がニンテンドー3DS時代よりも飛躍的に進化しているからだ。もう一度3Dで勝負をかけてくるのではないか)

 とこんなふうに、「まだ見ぬ物」について想像してアレコレ言い合っているあいだが一番楽しい。未来について考える、ということは楽しいものなのだ。


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