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2022年9月の記事一覧

8月25日 幻覚剤は本当に有害だったのか? 幻覚剤の嘘と本当を巡るお話

 Netflixのドキュメンタリーに『心と意識と 幻覚剤は役に立つのか?』というものがあった。ふむ、どんな内容なんだろう?  このドキュメンタリーは、マイケル・ポーランによる『幻覚剤は役に立つのか?』という本をもとに作られている。著者本人がホストとなって進行する。翻訳本はAmazonから手に入れることができる。かなり気になる本なので、そのうち読んでみたい。  まずは「幻覚剤」について、みんなはどのようなイメージを持っているだろうか。危険性、中毒性、犯罪組織、人間精神を破壊

8月24日 私達の社会はもう後戻りできない。

 この数日、『昨日までの世界』をネタにした雑談をし続けてきたが、今回で最後。最後はこんなお話。  とあるニューギニア人女性は、アメリカに移住してきてもっとも気に入った点は「匿名性」だと語る。狩猟採取民の生活と比較すると、高度工業化社会の文明には驚くべき点は非常に多い。四方壁に囲まれた丈夫な家、水洗トイレ、水道水、照明、ガスレンジ……外に出ればいくらでも食べ物が売っているスーパーマーケットに、移動に便利な車や鉄道。いまだに石器時代の暮らしをしている人から見れば、ほんの些細なも

8月23日 俺が考えるコミューンという理想郷はきっとうまくいかない

 私は常々、ある程度年を取ったら、本当に仲良くなれた10人ほどと一緒に暮らす生活したいなぁ……と考えている。大きなお屋敷を建てて、シェアハウスに近い感じで共有スペースとプライベートスペースを分けて、建物の中心に大きな図書室を作る。  前にも書いたが、この考え方の利点を挙げてみよう。 ① 誰かの助けを得られる  例えば大きな荷物を運ぼうというとき、1人だと大変だ。そこで多人数で暮らしていたら、助けてもらえる。私が持ち得ない技術を持っている人がいたら頼れるし、私にしか持っていな

8月22日 世界にいくつもの言語があったほうがいい理由

方言と別言語を巡る話 ニューギニアというのは実は「多言語文化」である。ニューギニアは地形が険しい土地柄で、峠の向こう側や川の向こう側へ行くといきなり言語が変わる。鳥好きおじさんであるジャレド・ダイアモンドは常に現地の案内人を連れているが、だしぬけにまったく言語の通じない相手と遭遇したこともあったそうだ。  そんなニューギニアの人たちは多言語を操ることができる。少ない人でも5言語。もっとも多い人で15言語も話せた。ニューギニア人が何人か集まって話すと、複数の言語をいくつも同時に

8月21日 なにが危険なのかわからない現代人

日常の危険に無感覚になっている現代人 アフリカのカラハリ砂漠に住むクン族の若者がアメリカ人に招待され、2年ほど田舎町で暮らすということがあった。  この2年という期間、このクン族の若者は、道路が怖くて渡れなかったという。アメリカといっても田舎町だから、道路の車はさほど多くはない。せいぜい1、2分に1回車が横切る程度だ。しかしクン族の若者は「もしも何かあったら……」と怯えて、確実に車が止まってくれる信号のある場所でしか道路を渡ることができなかったという。  このクン族の若者は臆

8月20日 部族社会における、生・性・老・死にまつわる話

 先月『昨日までの世界』の感想文を書いたのだが、あの感想文にはすごい秘密があるんだ。なんと文字数がきっかり22222文字! 別にそう書こうとしたわけではなく、ブログ編集中に文字数が2万2222文字になっていることに気付いて、ああこれは1文字も足したり引いたりしないようにしよう……そういうわけで、誤字も修正していない。  うわっ、すごい記録を達成しちゃった……でもこれ読んでいる人にはなにひとつ伝わらねーや。というわけで、あの読書感想文は文字数が2万2222文字だった……というこ

8月17日 魔女狩りの時代がどういったものか……というお話と、西洋が認めないエロ願望の話。

 今日は書き終えた『天子姉妹の祝福』《漫画ネーム》の再チェック。改めて見返すと、細かいミスがあちこちに……。一日かけて修正を入れる。  それにしても改めて初期の頃を見返すと、コマ構成も構図の作り方もぜんぜん違う。ネームに上手い下手もあるものか……とか思っていたけれど、やっていると上手くなるものなんだなぁ……。最初のほう直したいけど、そんな余裕ない。これ以上直すんだったら、予算出してもらわないと……。  こちらが『天子姉妹の祝福』序盤↓  こちらが同じ作品の終盤↓  今日は

8月6日 作業中にホラー映像を見ていると気分が変なゾーンに入る……とかいう話。

 最近、作業中に見ているビデオがAmazon Prime Videoで配信されている『本当にあった! 呪いのビデオ』。  作品はこちら。  このシリーズは1999年頃から始まり、現在も続くシリーズで、通算なんと97本! 「……おわかりいただけたであろうか」「……とでも言うのだろうか」といった名文句はこのビデオシリーズから生まれたとかなんとか……。ということは「おわかりいただけたであろうか」は1999年生まれなんだ。もっと前からあるものだと思っていた。  まあ長いシリーズなの

8月4日 80年代への愛と逆襲のドラマ 『ストレンジャーシングス』

 Netflixオリジナルドラマ『ストレンジャーシングス』を第1シーズンから第4シーズンまでまとめて視聴! 一ヶ月くらい時間をかけて、ゆっくり見ていたから、最初のほうはもうあまり憶えてないのだけど……。  第1シーズンのお話は1983年。舞台はインディアナ州の田舎。マイクを中心とする、ダスティン、ルーカス、ウィルという4人の少年達が主人公。ある夜、ウィルが家に戻らず、そのまま行方不明になってしまう。それと入れ替わるように、街にイレブンと名乗る謎の少女が出没するようになり……

8月3日 明治時代の成功者と、現代の成功者の違い 石炭王・麻生太吉の功績

 今日は《麻生太吉》という人のお話。  麻生太吉は安政4(1857)年、筑前国嘉麻郡栢森村(※)に生まれる。その4年前である嘉永6(1853)年にはペリーが黒船に来航した頃だったので、日本は開国するしないで大騒ぎになっている最中だった。江戸時代の最末期に生まれ、近代日本が産声を上げる頃に青春期を過ごした人だった。 ※現在の「福岡県飯塚市柏の森」。  九州のとある村の庄屋の子として生まれた麻生太吉は1872(明治4)年頃、最初の炭鉱開発を始める。当時は炭鉱利用はまだ始まっ