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ブログ:アニメの話

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私の個人ブログの中から、アニメに関する話題のみをピックアップしました。
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#映画レビュー

映画感想 好きでも嫌いなあまのじゃく

 孤独を乗り越えるための戦い。  今月はアニメ月間だ……と、決めたものの最後の1本なんにしようか。そこにちょうどよくNetflixオリジナルアニメがあったので、こちらをネタに。『好きでも嫌いなあまのじゃく』2024年5月よりNetflixにて独占配信。劇場公開は、作品が山形県米山市からの制作依頼があって作られた作品なので、山形県内映画館などで上映されたらしい。それ以外の上映情報については、調べた範囲では記述がない。  監督は柴山智隆。Wikipediaすら作られていない、ま

映画感想 鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎

 鬼太郎誕生物語はこれで良かったのだろうか……?  2023年11月に公開された映画鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』は、妖怪作家で知られる水木しげるの生誕100周年を記念して制作された作品である。鬼太郎誕生物語については、その原点である『墓場鬼太郎』でも描かれたが、それよりもさらに以前、鬼太郎の両親がどうしていたか……を掘り下げた作品だ。  監督の古賀豪は東映アニメーション所属で、2018年に『ゲゲゲの鬼太郎』第6シーズンを演出、2008年には『劇場版 ゲゲゲの鬼太郎 日本爆裂!』

映画感想 屋根裏のラジャー

 イマジナリーフレンドは、どこかに実在するかも知れない……。  スタジオジブリ解散後、残されたスタッフたちで立ち上げたアニメーション制作会社スタジオポノック。その現時点での最新作が本作。2023年12月公開の映画『屋根裏のラジャー』。  原作はイギリスの作家A・F・ハロルドによる児童文学『僕が消えないうちに』。イギリス文学協会賞を受賞。ケイト・グリーナウェイ賞、カーネギー賞などにノミネート。世界的に大ヒットした児童文学だ。  監督を務めるのはスタジオジブリでアニメーターとし

映画感想 すずめの戸締まり

 あの時の心残りを辿って。  2022年は大作アニメが次々に公開された年だった。2月に『鹿の王 ユナと約束の旅』、4月にヒットシリーズ『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』、8月に『ONE PIECE FILM RED』、そして12月に『THE FIRST SLAM DUNK』。そんな年の11月に劇場公開されたのが本作『すずめの戸締まり』だ。他にもアニメ映画は多く、ほぼ毎月1本以上公開されていたほどだった。果たしてこの年のアニメ映画を全部見たという人はどれだけいるのやら。  2

映画感想 アリスとテレスのまぼろし工場

 「臭い」は生きていることの証。  岡田麿里監督第2回作品『アリスとテレスのまぼろし工場』。2013年9月に劇場公開。制作は前作『さよならの朝に約束の花をおくろう』に惚れ込んだ制作会社MAAPAが岡田麿里を監督として招聘。岡田麿里はその当時執筆中だった小説をそのまま企画として提出し、映画制作が始まった。  副監督は前作ではコア・ディレクターとして関わった平松禎史。平松禎史が絵コンテから作画までを担当した。  制作会社がPAWORKSからMAPPAに変わったのでスタッフは基本

映画感想 さよならの朝に約束の花をかざろう

 アニメ史上もっとも美しいエンディング。  『さよならの朝に約束の花をかざろう』はPAWORKS制作による2018年の作品。監督・脚本・原案は岡田麿里。岡田麿里といえば、アニメ界隈では知らぬ者はいない大ベテランの脚本家。『あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない』『凪のあすから』『キズナイーバー』など岡田麿里脚本のヒット作は数知れず。その岡田麿里による原案による初の監督作品が本作。  副監督としてサポートに回ったのが篠原俊哉。『色づく世界のあすから』『凪のあすから』『RDG

映画感想 ゆるキャン△

 もう一度自分を見つめ直すために。  『ゆるキャン△』は2015年から『まんがタイムきららフォワード』で連載がスタートし、2019年からは『COMIC FUZ』に移籍して現在も連載が継続。現時点で600万部を超える大人気漫画である。『ゆるキャン△』がアニメになったのは2018年。アニメーション制作C-Station、京極義昭監督によるアニメシリーズは高い評価を獲得し、制作会社を変更しながら現在第3シーズンが放送されている。実在のキャンプ場をロケハンして丁寧に再現しただけでは

映画感想 スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース

 アメリカのアニメーター達の意地!  マイルス・スパイダーマンがニューヨークへ戻ってきた! 2018年に第91回アカデミー賞長編アニメ映画賞受賞した『スパイダーマン:スパイダーバース』の続編。2023年に劇場公開された本作は、アメリカが制作したアニメーション史上最長の140分。制作費は1億ドルに対し、現在のところ6億ドルを稼ぎ出している。まだ劇場公開が終了していない国もあるはずなので、この記録はまだまだ伸びるはずだし、これからホームエンタメでも収益を伸ばしていくはずだ。  

映画感想 長靴をはいた猫と9つの命

アメリカのアニメーションがアップデートされた瞬間。  『長靴をはいた猫と9つの命』はドリームワークス・アニメーション製作の『シュレック』シリーズのスピンオフ作品。実は2011年に『長靴をはいた猫』を主役にしたスピンオフ映画は制作されていた……知らなかった(いや、知っていたけど忘れてたのか?)。今作は11年ぶりに描かれた続編。「長靴を履いた猫」であるプスを主人公にした映画の2作目である。  監督はジョエル・クロフォード。絵コンテアーティストとしてキャリアをスタートし、2017

映画感想 鹿の王 ユナと約束の旅

 日本最高アニメーター・安藤雅司第1回監督作品!  『鹿の王 ユナと約束の旅』は2022年公開のアニメーション映画だ。原作は上橋菜穂子による小説『鹿の王』。監督はジブリきっての実力アニメーター安藤雅司。『もののけ姫』をはじめとして『千と千尋の神隠し』『思い出のマーニー』などのジブリ作品で作画監督を務め、他にも今敏監督『東京ゴッドファーザー』『パプリカ』で作画監督、新海誠監督『君の名は。』で作画監督……我が国を代表する大ヒットアニメーション映画にはだいたい関わっているだけでは

映画感想 犬王

 室町時代にいたかもしれないロックスター。その名は犬王!  『犬王』は室町時代を舞台とした湯浅政明監督による5本目の劇場アニメーション作品だ。タイトルにもなっている「犬王」は15世紀頃、世阿弥と同時代に実在した猿楽の名手であるが、奇妙なことにほとんど記録に残されていない。Wikipediaで「犬王」を見ても、書かれているのはほんの数行。この謎めいた人物を題材にした作品が、古川日出男による小説『平家物語 犬王の巻』だ。湯浅政明監督のもとにオファーが来たとき、企画にロックアーテ

映画感想 ハケンアニメ!

 日本を代表するエンターテインメント、アニメ。その市場規模は2兆円とも言われ、毎クール50本近い新作が今この瞬間も生み出されている。制作現場で働く人々は最も成功するアニメ、つまり覇権を取るために日夜戦っている。彼らが目指す最高の頂、それが覇権アニメなのだ!  原作版『ハケンアニメ!』が発表されたのは女性週刊誌『anan』においてであった。『anan』という媒体だから「仕事小説がいいだろう」……しかし辻村深月は仕事小説の執筆経験がなく、そこで以前から好きだったアニメ業界を取材

映画感想 リズと青い鳥

 「青い鳥」は誰?  業界屈指の存在感を誇る京都アニメーション制作の『響け!ユーフォニアム』が最初にテレビ放送されたのは2015年4月。最初の放送時の評判はさほど高くなく、Newtypeアニメアワードでも中間発表14位。ただ吹奏楽を描いた作品としての評価はすこぶる高く、高校吹奏楽部の内実を当事者なら「わかる」というほどに描き込んでいた。なにより凄かったのは楽器描写。ただでさえ描写の難しい金管楽器を1コマの手抜きなしで描き、演奏シーンの指使いは専門家も太鼓判を押すほどに正確。

映画感想 ギレルモ・デル・トロのピノッキオ

 ストップモーションアニメの新たな名作! それはピノッキオ!  Netflixアニメーション『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』は2022年の終わり頃に公開された作品だけど、もうすでにすごい評判になっている。はじめに作品評価を挙げると、映画批評集積サイトRotten Tomatoesでは批評家支持率97%、平均評価が10点満点中8.3。獲得したアワードは第80回ゴールデングローブ賞アニメ映画賞受賞、第48回ロサンゼルス映画批評家協会賞アニメ賞受賞、第26回ラスベガス映画批評