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映画「砂の器」

1か月ぶりの投稿です。

実はトランボは映画も大好き。今日は映画と原作本の話。

日本映画は小説を超えられないと言われていた時代がありました。大好きな小説が映画化されたと聞き、大喜びで映画館に足を運んだものの……。確かにそんな経験が幾度もありました。

そうした言質を吹き飛ばす一作があります。

「砂の器」

原作は松本清張先生。原作も素晴らしかったですが、映画は想像を遥かに超えるものでした。

なんといっても脚本が素晴らしい! 橋本忍先生と寅さんシリーズの生みの親、山田洋次先生によるものです。(ちなみに渥美清さんもワンシーンだけ出演していましたね。) 橋本先生はこの日本映画史に残る名作を生み出すために、自らプロダクションを設立しています。核心的な成果は個人の情熱によって実を結ぶもの。橋本先生の熱意に敬意。

映画「砂の器」と言えば、ラストのコンサートシーン。まだ観ていない人のために、詳細は控えますが、主人公である作曲家が創ったピアノ協奏曲「宿命」の演奏シーンと主人公の悲しい過去、刑事たちによる捜査会議の様子が並走します。台詞は最小限。映像と音楽だけで主人公が背負った宿命を描きます。

小説では絶対になし得ない斬新な表現方法にトランボ少年は打ちのめされたのでした。トランボが小説を読み、映画を観たのは中学生のときのこと。映画鑑賞後、直ちにレコードを買いに走りました。(CDではなく、レコードですよ、レコード。そんな古い記憶です。) 何度も何度も聞き返しました。その度に映像が蘇るのです。素晴らしい曲でした。

と、こんな記事を書いていたら、また観たくなってきてしまった。

<作品情報>

小説投稿サイトに作品を公開しています。


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