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スカパラの恒岡章オマージュ曲に想う、海外へ追い越していったハイスタ

スカパラが、先に向こうへ行ってしまったツネちゃんへオマージュを捧げている曲、『追い越してく星』…。

"追い越してく星"とは丸ごとツネちゃんのことのようにも思えるし、スカパラとハイスタの関係性のようにも思えちゃう。

君は走って空へと
届く気でいたのさ

追い越してく星を
また一つ見ている

ツネちゃんオマージュ

最新号の『リズム&ドラム・マガジン 2023年 7月号』は

「追悼
ありがとう、ボクらのドラム・ヒーロー
恒岡章」

と題したツネちゃん追悼特集号で、様々なドラマーがツネちゃんの凄さについて語っている永久保存版確定な一冊です。


その中でスカパラのドラマー茂木欣一さんが、スカパラの最新曲『追い越してく星』はツネちゃんのオマージュ曲であることを明かしているんです。

○スカパラの「追い越してく星」という曲は、タイアップでいただいたお話なんですけど、僕の中ではツネちゃんオマージュなんですよ。曲調もあるんですけど、ドラム全体の印象作りというか。ツネちゃんを思い浮かべながら、キックのパターンとか、フィルのパターンを考えました。
●では訃報を受けてから制作が始まったということなんですか。
○そう。2月に訃報があって、そのちょっと後に曲の制作が始まって。歌詞を書いてる谷中(敦)さんも、漠然とそういうことを思いながら書いたって話してたんですよ。だから「追い越してく星」はツネちゃんへの想いというか。いやぁ、本当にツネちゃんはドラマー界の宝物だよね。

『リズム&ドラム・マガジン 2023年 7月号』より

真相がわかった状態で改めて聞くと、動画27秒あたりの「タ、タン」のドラムがハイスタの『ENDLESS TRIP』のド頭の音っぽいなとか、後付けで色々思えてくる。

この曲はJRAとのタイアップだから、表向きは競走馬のことを歌ってるようにしか思えない。でも実はダブルミーニングでひっそり歌詞にハイスタとツネちゃんを潜ませるという詩人・谷中さんのニクいあんちくしょうっぷりも堪らんです。

茂木さんが「ツネちゃんを思い浮かべながらつくった曲」って思って聴いてると、世界を股にかけた2人のドラマー同士の絆が感じられて泣けてきゃうよね。

そう、ハイスタとスカパラは世界を股にかけていた。

スカパラを追い越して海外に打って出たハイスタ

もっといえば、2000年代"にトーキョースカ"の名を海外に轟かせたスカパラよりも先に、ハイスタは90年代から海外に打って出ていた。

ハイスタは91年結成。スカパラは80年代から活動してるのでスカパラの方がバンドとしては先輩にあたる。けど、その先輩を追い越して先に世界の果てでロックしていたのがハイスタだった。

ハイスタとスカパラの海外の話題といえば、ケンくんのコラムに書いてあるこの話がすごい好きで。

オレとスカパラの大きなリンクできるポイントは、海外ツアーなのだ。スカパラは積極的に海外に出てツアーをし、フェスにも参加し、メキシコではなんと単独で6000人を動員したと聞く。ものすごい人気だ。
ある時、ギターの加藤くんがこんなことを言っていた。「ベルギーのどこだかわかんないような会場でやったんですよ。『こんな場所に来た日本人、オレ達くらいだろうなぁ』と思ってたら、壁にハイスタンダードのサインがあって!すげぇ、来たことあるんだ!と思って嬉しくなりましたよ!」、そうです、オレも行ったことあります。また加藤くんはメキシコで飲んでいる時に現地の人に「日本人ならハイスタンダード知ってるか?」と聞かれたそうだ。そこで、いつだかのフェスで二人で一緒に撮った写真を見せると、その現地の人はビックリしていたそうだ。

横山健の別に危なくないコラム Vol.93より

世界の果てまで行っても、既にそこにはハイスタの痕跡があったというこの感じがマジで痺れる。

スカパラ&ハイスタの海外イベント構想

尚、スカパラがやろうとしていた海外のイベントでハイスタと共演する構想があったようです。

実は、メキシコで、自分達のイベントを立ち上げられたら、スカパラとハイスタでやれたらすごいよねっていう、夢のまた夢みたいな話をメンバー内でしたことがあって。ツネちゃんと一緒の飛行機に乗って、一緒に海外の景色を見て、同じステージ上からお互い最高のドラムを鳴らしてみたかったなと、すごく思うんですよね。

『リズム&ドラム・マガジン 2023年 7月号』より

日本から飛び出して世界で名を馳せたこの2バンド。

いつか海外のステージで一緒にSKANKIN' JAMMINするツネちゃんのいるハイスタとスカパラを見てみたかったよね。

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