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スピッツ「春の歌」 どうでもいい、とかそんな言葉で汚れた心 今 放て

スピッツがロックバンドとして歩んでいく上で、「覚悟」を高らかに宣言した歌。そんな風に感じます。
ファンの一人として、ありがとう、という気持ちで聴かせてもらっています。

「誰かを元気にしたい」という草野さんの叫びが凝縮されたような曲ですよね。

前半の

「重い足でぬかるむ道を来た~実はまだ始まったとこだった」

は、スピッツの来歴を語ったのでしょうか。この出だしも見事。ファンならずとも一人一人に、こういった紆余曲折はあって、どこか心を寄せられる部分があるのではないでしょうか?

藤原さくらさんが、映画「3月のライオン(後編)」の主題歌として「春の歌」を歌っていましたよね。こんなこと書いたら、スピッツファンに怒られるかもしれないけど・・・。実は、弾き語りで始まる歌い出しは、スピッツよりも、藤原さんの方が好き。単調な感じで始まって、さびに持っていく感じに聞き入ってしまいます。

そこからの

「『どうでもいい』とか そんな言葉で汚れた心 今放て」

って、とても素敵な文章だと思いませんか?

草野さんが、自分たち自身にも言っているのかもなあ・・・。「どうでもいい」って思ってしまっている己に言い聞かせているような・・・。

物事の本質って、大半は「どうでもいい」ってことが多いと私は思っています。何かに真剣になりすぎて、窮屈になるよりも、実際の力を出し切れる。

もっと言えば、自分が今続けている「仕事」。基本的にはどうでもいい。何と比べてどうでもいいかと言うと、仕事に悩み過ぎて、体調を崩すぐらいなら仕事なんてどうでもいい。健康より大切なものはないからね。

さらに、もっと引いた視点で見ると、健康でさえ、どうでもいいということもできる。自分が生きていようが、生きていまいが、地球的規模から考えると、そんなのどうでもいい。

ただ、草野さんが歌っているのは、「それでも、『どうでもいい』なんて言わないでいこうよ」ってことなのかしら。そこから、元気をもらえる。

2番の冒頭も苦難を並べている。

「平気な顔でかなり無理してたこと 叫びたいのに懸命に微笑んだこと」

ああ、そうだよねえ。そんなことばっかりだよねえ。実社会って。

2022年のサラリーマン川柳で全国3位になっていた「にこやかに マスクの下で 『うっせぇわ!』」。うまい!

「歩いて行くよ サルのままで ひとり」

スピッツとして、これからも歩んでいくという決断をもの悲しさにくるんで表現しているように映る。

ただ、草野さんの曲としては、圧倒的に影が少ない曲だよね。2005年初頭リリース。

「春はみんな、元気出していけるといいね」
そんなメッセージに力をもらう。

夏になりつつある今、春にはこの歌があることを刻んで1年間、生きていこう。

2022年6月7日 トラジロウ

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