適応障害になった時に心を救ってくれた10作品

チャイムが鳴り響く。
近くの高校の授業が終わりを告げる。
僕は図書館で「化物語 上」を読んでいる。
僕が適応障害であることを実感した。

じかんと時かんと時間だけが、
唯唯、只只、ただただ過ぎ去っていく。

適応障害と医師に告げられて、
会社を休職する選択をした。

その前後の記憶がぬけおちている。

というよりもあたまのなかは
しろいきりがかかっていて、
かんがえるというこういすらできない。

いきをすう。
はく。
たべる。
ねる。
ひるとなくよるとなく
アニメをみる。
マンガをよむ。

僕が生きるという行為に対して、
最低限の責務を全うできたことだった。

外に出かける気力もない。
部屋の掃除もできない。
ずっと天井の壁を見ていた。
ようやく頭の中の白い霧があけてきた。


待っていたのは
将来の不安。
過去の失敗。
ながい、長い、時間をかけて考え続けていた。

なにを、どこで、間違えてしまったのか。
まるでイザナミにかけられたカブトの様に
永遠と続く無限ループの日々を
薄暗い部屋の中でひたすらに過ごしていた。

久しぶりに家族に連絡を入れた。

「ウチの一族に精神疾患はいない」

なにかのスイッチが入った。
罵詈雑言を並べた。
怒りではなく、哀しみによって。

それからしばらく経った。
友人に会うために外に出てみた。
街中を歩く。

今まで通りの世界が広がっていた。
人混みにいるだけで吐きそうだった。

僕だけが変わってしまった世界を
受け入れる少し前の話。


適応障害と告げられて

医師から告げられた時、恥ずかしながら適応障害のことを知らなかったです。

絶望と隣り合わせの中で、心を救ってくれた10作品


生きる活力を与えてくれた世界観に没入できる作品

適応障害で休職した頃は何もしませんでした。何もしない事を強制的に行いました。生きようとする気力が戻るまで。ひたすらアニメとマンガを見てました。そんな時に心のエネルギーを与えてくれた3作品です。

『BANANA FISH』

胸を打たれた瀕死の男から薬物のサンプルと「バナナフィッシュに会え…」という言葉を受け取った主人公のアッシュ。「バナナフィッシュ」って何なんだ?と考えているうちに壮大なストーリの深みにハマっていきます。

カメラマンの助手、英ニの視点からアッシュや仲間たちの姿を見ることで世界観に没入していきます。無理ゲーな状況でも立ち向かっていく主人公たちに生きる活力が湧いてくる作品です!


『BLACK LAGOON』

会社員の岡島緑郎は海外出張の際に、ラグーン商会(プロの運び屋)に誘拐され人質になってしまいます。会社に売られた事実を知り、会社員の人生も名前も捨てて、ロックという名前で新しい人生をラグーン商会のメンバーとして歩み始めます。

この作品の魅力はなんと言っても各キャラの個性と台詞がカッコいい!互いの正義や己の信念を抱えていきぬいていく。自分自身の道を歩いていこうと勇気を与えてくれる作品です!


『86ーエイティシックスー』

「レギオン」の侵略を受けるサンマグノリア共和国。そこで戦場に送り出される無人戦闘機。そう報道されているが、実態は「86区」という存在を認められない地区に住む少年少女たちが操縦する有人戦闘機として戦っていた。

世の中の理不尽と向き合いあいながらも。仲間と自分のために、死ぬその日まで諦めないことを約束した、主人公たちエイティシックスの生き様を見届けて欲しい作品です。


推しを推せること、好きの尊さを改めて実感する作品

ゆっくりと休んだあと、好きなことから始めてみました。好きなことばっかりやって良いのか?と思うんですが、今まで頑張りすぎたり、無理させてしまった自分の為に時間を使ってください。好きことを始めてみたくなる2作品です。

『推しが武道館いってくれたら死ぬ』

推し活で全ての収入を貢ぐ。私服は高校時代のジャージを着る主人公のえりぴよさん。そんな推しの舞菜が所属するChamJamが武道館にいくために、オタクとアイドルの2つの視点で楽しめる作品です!

えりぴよさんが舞菜の好きな所を5秒で伝えるシーンがすごく好きなんです。推すことがこんなにも元気をもらえる、尊い行為なんだと教えてくれる作品です!アイドルを推したことがある人には絶対見てほしいです。アイドルじゃなくても自分の好きなものに元気をもらいたくなります!

『図書館戦争』

メディア良化法により本が検閲される時代。図書館は検閲から本を守る防衛隊として「図書隊」を設立する。主人公の笠原郁は高校時代に自分の好きな本がメディア良化委員会の検閲の対象にあうが、図書隊員のお陰でその本は守られることに。助けてくれた憧れの王子様の様な図書隊員を目指すべく図書隊に入隊する!

「図書館の自由に関する宣言」高校の図書室の掲示板に書かれた宣言は、僕が有川浩先生に出会うキッカケになった原点です。自分の原点をもう一度振り返ってみると、自分の好きなものや大切にしている価値観を再認識できた作品です!


自分と向き合う大切さを教えてくれた作品

何が失敗だったのか。このまま社会に復帰できるのか。ストレスの根本の問題は、ストレスを感じていた自分自身を受け入れることでした。嫌いな自分も好きな自分も、受けいるれための勇気を与えれくれる5作品です。

『よふかしのうた』

中学2年生の夜守コウはと不登校になって眠れない日々を送っていました。よふかしをしていたある日、外に出かけてみると、吸血鬼の七草ナズナに出会います。よふかしの楽しい世界へ誘われていきます。

ストレスで眠れない日がありました。人とは違う価値観で悩む日もありました。けど角度を変えてみれば、眠れない日は、よふかしを楽しんだり、色んな生き方や価値観を考えてみたり。違った視点で物事を受け入れるキッカケを作ってくれた作品です!


『オナニーマスター黒沢』

タイトルよりもラストまで読み終わったあとの衝撃の方がすごいです。最後まで読んだあなただけに、このタイトルの本当の意味がわかります。誰にでも失敗はあるけど、そこからもう一度世界へ踏み出す勇気を与えてくれる作品です。


『化物語』

春休みに吸血鬼に出会った主人公の阿良々木暦。怪異と繋がってしまった少女たちを助けるために阿良々木暦が怪異と少女たちの本当の問題に向き合っていく物語です。

見れば見るたびに面白い。個人的には羽川翼と自分のストレスを重ねて感情移入してしまいました。そんな彼女が自分と向き合う姿に、僕自身の切り離してしまったストレスを受け入れる時間を作ってくれた作品です。

『Re:ゼロから始める異世界生活』

引きこもりのスバルはコンビニの帰りに突然、異世界に召喚された。初期の装備も能力も現実と何も変わらない思っていたスバルだが、死んだ後にまた同じ時間を戻ることができる「死に戻り」の力を持っていたことだった。

完全に気持ちも折れて、諦めていた自分に。部屋に引きこもって、コンビニと自宅の往復しかしていなかった自分に。この作品は自分と向き合うことゼロから始めることの大切さを、勇気を改めて教えてくれた作品です。


『妖狐×僕SS』


この作品は原作まで読んで頂きたいです。3巻まではパフェ食べてるかと思ったら、4巻以降は蒙古タンメンくらい味変してもなお楽しめます。自分の嫌いな部分=悪癖があるからこそ、その悪癖に立ち向かうことに価値があると教えてくれた作品です。


自分を受け入れて生きていく

薄暗い部屋の中で引きこもっていた僕に、
生きる気力もなく、
過去をずっと後悔していた僕に、
この記事を見つけてくれた君に、
伝えたい。

何もかも失ったとしても。
失敗も自分の嫌いな部分も、
受け入れて生きていく。

大切なことを10の作品から、
いや、全ての出逢いが教えてくれた。

止まっていた時間を。
ここからまた歩き始めたい。



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