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寺田和代「本と歩くアラ還ヨーロッパひとり旅」

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"海外ひとり旅=若者”イメージをくつがえし、年齢や経験を重ねてこその旅の味わいをつづった大人のひとり旅ガイド『ソリスト』。 その著者で"アラ還の旅人"、寺田和代さん(ライター・編… もっと読む
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#ブックレビュー

寺田和代【Book Review】ノダル・ドゥンバゼ『僕とおばあさんとイリコとイラリオン』…

「本と歩く アラ還ヨーロッパひとり旅」 第2回 ジョージア篇【Book Review】〔1〕◆ノダル・…

寺田和代【Book Review】『20世紀ジョージア(グルジア)短篇集』児島康宏編訳

「本と歩く アラ還ヨーロッパひとり旅」 第2回 ジョージア篇【Book Review】〔2〕◆『20世紀…

寺田和代「本と歩く アラ還ヨーロッパひとり旅」 第1回 アイルランド篇 ――(2)

←(1)旅先から再び人生が始まる高揚感 からのつづき アイルランド篇 ―― (2)リムリッ…

【ブックレビュー】ジェイムズ・ジョイス『ダブリナーズ』 (寺田和代)(「本と歩く…

■ ジェイムズ・ジョイス『ダブリナーズ』柳瀬尚紀訳、新潮文庫 20世紀初め、ダブリンで暮…

【ブックレビュー】ジョン・ミリントン・シング『アラン島』 (寺田和代)(「本と歩…

■ J・M・シング『アラン島』栩木伸明訳、みすず書房 19世紀の終わり、欧州を転々としなが…

【ブックレビュー】アン・エンライト『グリーン・ロード』/クレア・キーガン『青い野…

■アン・エンライト『グリーン・ロード』 伊達淳訳、白水社 モハー断崖やバレンがあるアイルラ…

【ブックレビュー】フランク・マコート『アンジェラの灰』  (寺田和代)(「本と歩く アラ還ヨーロッパひとり旅」第1回 アイルランド篇)

フランク・マコート『アンジェラの灰』上・下、 土屋政雄訳、新潮文庫、2004年1月 アルコール依存症でDV野郎の父と、共依存の母、ネグレクトで命を落とす幼いきょうだい……。 逆境と極貧の家庭で育った著者が、子ども(長男の “ぼく” )の視点でその来歴を綴った自伝的長編小説。児童虐待の坩堝のような記述がつらすぎて、何度も挫折しかけながら読み通さずにいられないのは、そんな暮らしにも息づく詩や歌、シェイクスピア劇に自らの尊厳を保つ、幼い日の著者の“正の走光性”に鼓舞されるから。