野口良平「幕末人物列伝 攘夷と開国」 第一話 大黒屋光太夫(その6)
*ヘッダー画像:ロシアの教会。「魯西亜国漂舶聞書 巻之五」、山下恒夫編纂『大黒屋光太夫史料集 第二巻』日本評論社、p498-499より。
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大黒屋光太夫(その6)【3】(のつづき)
1789年2月7日、イルクーツク到着。
「人家三千余有、甚繁華の地」(『北槎聞略』)の国際交易都市だ。
光太夫は総督府に帰国嘆願書を提出したが、反応は冷淡だった。漂民への支給金は出すが、帰国は論外だというのが当局の方針だった。
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