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《試合観戦記 3/31》 神の子、不思議な子

昔からクラスに必ず一人、何か「持ってる」子っていませんでしたか?

ああ、神様ってこういう子のためにいるのかな。って感じの。

楽天の野村克也元監督が、ルーキーイヤーに奇跡的勝利を収めた田中将大(マー君)投手への言葉として有名な「マー君、神の子、不思議な子」。

私は監督でもなんでもない、素人の阪神ファンだけど言わせてほしい。

「森下、神の子、不思議な子」と。


この日の先発バッテリーは
タイガースが才木ー梅野、ジャイアンツが高橋礼ー大城。

初戦と第2戦目を完封されていることもあって、三塁側では序盤から「今日はどうにかしてくれ」という雰囲気が序盤から漂っていました。ですが、高橋投手には完全に抑えられ、球は打ち上げられるばかり。ああ、またか・・・。

才木投手はボール先行のピッチングが続き、かなり力んでいるようにも見えました。なんとか持ち前のフォークで空振りを奪いながらも、素人なりに見てて思う「良さ」が輝いていないように感じられて、見ていて少し苦しかったです。一ヶ月以上たった今でも、4回と6回裏に二度迎えた満塁のピンチの場面で「頼むよ・・・」と祈りながら見守っていたのを今でもよく覚えています。

球場で心臓が飛び出しそうになる、楽しいような、苦しいような、この気持ち。ああ、プロ野球が帰ってきたんだ・・・。

絶対大丈夫!と選手に対していつもポジティブな気持ちで試合を見ている私でも、スコアボードに「0」が映し出されるたびにひょっとしたら今日もやばいんじゃないか・・・。という思いが頭をよぎっていました。味方の好守備に支えられ、なんとか6回107球無失点で才木投手は東京ドームのマウンドを降りました。

継投した桐敷投手も無失点に抑え、0−0で運命の8回表を迎えます。

マウンドに上がったのは虎の天敵、中川皓太投手。
「中川かぁ〜」隣に座る長年阪神を追いかけてきた友人がそう呟くのを私は聞き逃がしませんでした。ですが、憂いている暇もなく試合は動いていきます。

代打小野寺ができたばかりのヒッティングマーチに後押しされるように右安打を放ち出塁(実は、「おのでら、だん」のリズムに文句つけてたのに、ちゃんと覚えていないという大変恥ずかしい失態をやらかしました。ちゃんと練習します)。そして我らが旧選手会長(いや、そこは理事長やろ)が出塁。待っていたのはこれや!という期待に応えるように、ここでやっと地響きのようなチャンステーマが東京ドームを包みました。

バッターボックスに立ったのは森下。この日は四球、二ゴロ、三ゴロとまだヒットが出ていなかったのですが、三塁側のボルテージはマックス。「ここで森下よ、決めてくれ!」とファンの気持ちが一つになった瞬間でした。

「えっ?!」

初球から振ったやん!と思ったら、打球は阪神ファンの待ち構えるレフトスタンドへ。

オープン戦からなかなか調子があがってこなかった打線に対する不安とか、全てを吹き飛ばすような値千金のホームランでした。今でも思い返すだけですごく鳥肌が立ちます。

そんな今までの負けを払拭する見事な活躍に続き、「ワークマン」こと代打で出てきた糸原がタイムリーヒット、続く小幡もなんと内角のスライダーを捉えてソロホームラン!そして我らがクローザー岩崎が〆、無事5−0で今シーズン初勝利を収めることができました。

実は森下のあの3ラン、中川投手からの公式戦43試合ぶり(最後の得点はなんと2017年の9月末)の得点だったんです。逆に皆んなよくそんなに打てなかったな、と突っ込みたいんですが、それより打ったのが森下翔太・・・というところにうるっときてしまいました。

昨シーズンはここぞというところでタイムリーを放ちチームを救ってきた若き主砲。しかし、あの場面まで11打席がヒットがなくチームも開幕から25イニング得点がない苦しい状況でした。今シーズンの流れや、チームの雰囲気すら変えてしまうであろうあの力はどこからみなぎっているのか。おそらく、それは彼のメンタル(というのが正しいのかわからないけど)から来ていると思っています。

特に印象に残っているのが、(少しあとの4/17の試合でのヒーローインタビュー内容になってしまうのですが)自らチャンスに強いことを「自分のとりえ」と話していたところです。秘訣を聞かれると、「平常心」と。

これ、なかなか言えることじゃないですよね。
明らかに何かを「持ってる」側の人間なんだろうな、という気がします。

ちょっと抜けてるおもしろキャラも踏まえて、やっぱり「神の子、不思議な子」じゃないですか?

最近(5月中旬)はスタメンから外れることもちらほら。けど、そんな時こそたくさんのことを周りから吸収してレベルアップしてくる選手だと信じています。だって、すごく負けず嫌いで、座右の銘は「アグレッシブ」なんだもの。

今年もビジター中心にはなりますが、時間(とお金)が許す限り現地に足を運びたいな。みんなの活躍を見届けたいな。

心からそう思えた試合でした。

責任投手
勝:(阪神)桐敷 (1勝0敗0S)
負:(巨人)中川 (0勝1敗0S)

バッテリー
阪神:才木、桐敷、ゲラ、岩崎 - 梅野
巨人:高橋礼、バルドナード、中川、ケラー、松井 - 大城卓


執筆後記✏️

行った試合の内容って覚えているようで、覚えてないことも多いな〜と。その場で感じた臨場感とか、グッときた場面はもちろん覚えているんだけど、細かい「○回裏の○アウト○塁」とか打った球種は本当にわからなくて・・・。確認するのに意外と時間がかかりました(これで間違ってたらはずかしすぎますが、おっちょこちょいなので一度はやらかす予感がしています。暖かい目で見守っていてください)。いくらその場でスコアをつけながら書いてるとはいえ、記者さんってすごい。

これは書きながら思い出したことなんですが、得点時に前後左右のファンの方々と応援バットでハイタッチする(謎)文化がすごく好きで。現地観戦の醍醐味というか、その日偶然周りにいた人たちと喜びを分かち合える一体感って素敵じゃないですか???!!!あんまり他球団の試合に友人と見に行った時に経験したことがなくて・・・。改めて阪神の応援が「恐れられる」理由はファンの作り出す独特な一体感にあるのではないか、、、なんて思っちゃいました。


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