見出し画像

クライアント役GPT4アップデートと質問力の向上の取り組み

はじめに

前回、chatGPTをクライアント役としてコーチングの練習をするというアイデアを紹介しました。比較的簡単なプロンプトでロールプレイが可能なのですが、解決力が高すぎるなと感じていました。そこで、クライアント役のパラメータにメタ認知を導入してアップデートしてみることにしました。

メタ認知とは?

メタ認知は、自分自身の思考プロセスに対する認識と制御のことを指します。chatGPTによると知識とスキルがあるようですね。
1.メタ認知的知識(Metacognitive Knowledge)
自己に関する知識:自分の学習や思考の特性や限界を理解すること。
課題に関する知識:異なる種類の課題が異なる種類の戦略やアプローチを要することを理解すること。
戦略に関する知識:どのような学習や思考の戦略が特定の状況で有効かを理解すること。
2.メタ認知的スキル(Metacognitive Skills)
計画:課題を効果的に解決するための計画を立てる能力。
監視:自分の学習や思考過程を監視し、理解度や進行状況を評価する能力。
調整:必要に応じて学習や思考のアプローチを変更する能力。

chatGPTによると、コーチングにおいてメタ認知の重要性と必要性について述べられている資料が幾つかあるようです。メタ認知パラメータの高低によってクライアント役の自己認識や自己解決の能力を調節できるのではないかと考えた次第です。

質問力向上を目指して

実際に試してみたのですが、このメタ認知パラメータを導入したクライアント役GPT4のコーチングは、初回はうまくいきませんでした。クライアントの考えがなかなか深まらずに、同じような回答を何度もさせてしまい、無駄に時間が過ぎてしまいました。chatGPTとのやりとりを振り返ってみると、プラットフォームの構築に課題がありそうだなということが見えてきました。併せて取り組んだのが、質問力の向上。丁度、対話の質を向上させるコーチングの技術ーヘスン・ムーン著『未来を変えるコーチング』という本を見つけたので、これを参考にまずは時間をかけて、クライアントにどんな問いかけがよいのかをよく考えてみることにしました。コーチが時間をかけて質問を考えていてもじっと待っていてくれるのも、chatGPTのよいところではないかなと思います。そんな工夫を重ねてやり直したセッションの様子はこんな感じとなりました。ちなみにクライアント役のメタ認知的知識は2/5、メタ認知的スキルは4/5に設定しました。

chatGPTとのコーチングセッション(前半)
chatGPTとのコーチングセッション(後半)

まとめ

『未来を変えるコーチング』には、聴き方の羅針盤-「リスニング・コンパス」が記載されていました。

ヘスン・ムーン著『未来を変えるコーチング』より

この本によると、対話によるストーリー作りの基本は「ごく普通の言葉をポジティブに使う」といういたってシンプルなことであるようです。この考えはソリューションフォーカスにも通じるものがありますね。
最後に、この書籍の中で印象に残った言葉を記載しておきます。
「相談者はコーチの質問に答えることで、質問者の前提に、暗黙のうちに同意しています。私たちがなげかける質問には、世界のありようをきめるはたらきがあるのです」




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?