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「切り絵で世界旅」ベナレスの牛(ベナレス/インド)インドの街の主役は、人間ではなく牛である
インドでは街中を牛が我が物顔で歩いていると日本で聞かされていたが、果たしてその通りであった。道路の真ん中をゆるりと歩いていても、脇に追いやられることもなければ、鞭や棒をで叩かれることもない。もちろんビーフステーキにされる心配もない。
ヒンズー教徒にとって農耕作業の大切な働き手である牛は、神の使いとして神格化され崇拝されている。シヴァ神の乗り物は白い牡牛であり、クリシュナ神は牛飼いの神である。牛にとってインドは天国に違いない。
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しかし農耕をする農村で牛を見かけるのならわかるが、都市部でも牛が多いのはなぜか? 探ってみると、牛肉として食べられるわけではないが、ミルクやバターは重要な栄養源として重宝されていた。さらに都市の方がミルクやバターが高く売れるため、都市で牛を飼う搾乳業者が多いようだ。彼らは街路の奥の空き地や、住宅の小さな空き地や1階部分を利用して飼っている。
では街で見かける牛たちは飼い主から捨てられた野良牛なのだろか、それとも散歩の途中なのだろか?
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