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翻訳のスケジュールについてのよもやま話

こんにちは。プロジェクトマネージャーの小沢です。どの仕事でもそうですが、スケジュール管理はとても大切ですね。特に、フリーランスで仕事をしている方にとってはスケジュールの組み方で収入に差が出ることと思います。

今回の記事では、プロジェクトマネージャーの仕事の1つである「スケジュール調整」についてと、クライアントと翻訳者との間に立つ翻訳会社として、思うところを書いてみたいと思います。

案件いろいろ、打診のパターンもいろいろ

以前、「トップスタジオ翻訳部の基本的な業務フロー」の記事に、「トップスタジオでは、エンドクライアントから直接ご注文をいただくこともあれば、エンドクライアントと弊社の間に別の翻訳会社が入って打診を受ける場合もあります」と書きましたが、今回の記事は、間に翻訳会社が入っているパターンに焦点を当ててみます。間にだれかが入っていると、どうしても不透明な部分が出てきますよね。

打診のタイミングは案件によってさまざまです。定期的に受けている案件の多くの場合は、特に前触れもなくワード数と希望納期の連絡があります。比較的ワード数が少なく、リソースもあまり限定しない、短納期のものはその傾向が強いです。そういった案件の場合は、トップスタジオから翻訳者への連絡も同様に、案件が発生した時点で連絡をします。

いっぽう、前触れがある案件はどういったものかというと、上の例とは逆に、ワード数が多めで、リソースが限定される、納期のスパンが長いもの。まだ具体的な納期は決まっていないけれども、案件が発生する可能性が高いものなどです。

事前のご連絡はありがたい。でも…

前もって、「いつ頃に、どんな案件で、どのくらいのボリュームのもの」がくるのがわかっているのはとてもありがたいことです。なぜならば、過去に対応したことのある案件の場合は、ルールや内容に精通している翻訳者を割り当てることができるからです。当然、過去と同じ翻訳者が対応したほうが高いクオリティーの翻訳を提供できます。また、実際にその案件がスタートするまでに、過去の資料を読んでおくなどして準備をしておくことができるため、ハンドオフをしたらすぐに案件に取り掛かることができます。新規案件の場合も、事前のご連絡があれば、必要な資料の請求や可能な前準備を行うことができます。

ただ一方で、翻訳者のスケジュールを事前に確保しておくということは、その予定通りにハンドオフが来ないと、せっかく空けておいた翻訳者の作業日を無駄にすることになります。「この日に仕事がくるはずだから、他の案件は断っておこう」と翻訳者があらかじめ準備していたのに、その日一日がぽっかり空いてしまいます。これは言いかえると、翻訳者がその日に仕事をして得られるはずだった売上がゼロになることを意味します。お客様からのハンドオフが遅れる理由はいろいろですが、翻訳者や、私たちのようなプロジェクトマネージャーの都合としては、こうしたケースはできるだけない方が助かります。

理想のかたち

私たちはお客様により良い翻訳を納期どおりに提供するため、そして個々の翻訳者に計画どおり安定した作業をしてもらうために、お客様からできるだけ正確なスケジュールとボリュームを事前にお知らせいただくことが重要だと考えています。やむを得ない事情でスケジュールの変更や、ハンドオフの遅れが生じる場合には、その旨を正確にお伝えいただけると助かります。それが翻訳にかかわるすべての人間をハッピーにすることだと信じています。

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