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【翻訳部辞書:W】WC

こんにちは。プロジェクトマネージャーの小沢です。

“WC”と聞いて、思い出す言葉といえばなんでしょう。翻訳業界の方ですと”Word Count(ワード数)”が一番にあたまに浮かぶかもしれないですね。他にも”World Cup(ワールドカップ)”や、”World Champion(ワールドチャンピオン)”、”Wheel Chair(車いす)”の略語であったりもするようです。

今日ここで書くのは”Water Closet(水洗トイレ)”についてです。WといえばWC(トイレ)でしょ~、とトイレにまつわるネタでも書こうと思ったのですが、まずWater Closetについて調べてみたら自分の知らなかった情報が出てきて驚きました。

Water Closetはトイレ全般を指すのではない

子供のころから「WC」という表示を見つけたら「トイレ!」と思っていたのですが、厳密にいうと「水洗トイレ」にしか使わないようです。そして、水洗トイレと、そうではないトイレとを区別するために生まれた言葉だそうです。

物心ついたときの家のトイレはいわゆる汲み取り式のトイレ(通称「ぼっとんトイレ」)だったので、あれはWCの仲間ではなかったのですね。若い方はほとんど使われたことはないでしょうか。暗くて深いトイレの底に吸い込まれそうな恐怖を感じながら用を足すスリル…実際に3歳くらいのときに途中まで落ちた記憶があります(汗)。たまに誤ってスリッパを落として怒られていました。

Water Closetの由来

初期のころの屋内トイレは、アンモニア臭がノミや蛾を寄せ付けないという理由で、衣類を保管する機能も併せ持っていたそうです。16世紀のイギリスで、水洗トイレをそなえた個室という意味でWater Closetと呼ばれるようになったとか(※1)。

水洗トイレの歴史は古く、古代ローマ時代の遺跡に水洗トイレの遺構があったそうです(※2)。

※1https://en.wikipedia.org/wiki/Flush_toilet(英語のサイトです)

※2 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B4%E6%B4%97%E5%BC%8F%E4%BE%BF%E6%89%80#%E4%B8%96%E7%95%8C

トイレ。ところ変われば

むかし、フランスに行って驚いたのが、トイレに入るのにチップを払わないといけない、ということでした。トイレの入り口にちょっと不愛想な感じの女性がドーンと座っていて、その人にチップ(大体50円程度だったかな)を払わないと入れないという。清掃している方への感謝のチップという意味合いなのだと思うのですが、その割にそこまでキレイではない…無人の有料トイレというものもあって、お金(コイン)を入れるとドアが開いて利用できるというものでした。日本のようにコンビニやお店など、気軽にトイレを利用できるところもなかったような気がします。

また、便座がないトイレも存在しました。おしりを浮かせて利用するのがポイントだそうなので、トイレに行くたびに大腿筋が鍛えられますね(ってそうじゃない)。

海外のトイレで苦手なのが、ドアの下から30㎝くらいが開いているというデザインです。誰かが入っているかどうかがわかりやすいといえばわかりやすいのですが、下から覗かれやしないかとヒヤヒヤしました。

国によっては、水洗の水圧が弱いせいで、トイレットペーパーは手前にあるバケツのような入れ物に入れるのが常識だったり、トイレットペーパーは流せてもすぐに詰まったりというところもありました。

日本のトイレのすばらしさよ

もしかしたら日本でも山奥などはまだ汲み取り式のところもあるかもしれませんが、都市部の商業施設に関して言えば、

・ウォシュレットや流水音が聞こえる設備は当たり前
・便座に暖房機能がついていて冬場でも暖かい
・常にキレイに掃除されている
・大体のトイレにおむつの交換台があり、おむつを捨てられる
・簡易シャワーがあったりもする
・着替え用の台があるところもある

と箇条書きにしながら、日本のトイレは本当に素晴らしいなということを実感しました。

ところで、今回ピックアップした「WC」ですが、いまではほとんどすべてのトイレが水洗トイレになっているため、そう書いてあるトイレは少ないとか…本当でしょうかね。しばらくは外出時にトイレの表記に注目して街を歩いてみたいと思います。

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