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読書感想2024#6 「Regeneration リジェネレーション 再生 気候危機を今の世代で終わらせる」

2024年6冊目の読書感想文は「Regeneration リジェネレーション 再生 気候危機を今の世代で終わらせる」ポール・ホーケン編著(山と渓谷社・2022年発行)。

なんだろう、知識の宝箱、みたいな本ですかね。すーごい勉強になった。
以下自分的にほえーって思った部分をまとめました。

読書メモ


  • 人間が変わる一番の要因は、周囲の人が変わるとき。信念が人間の行動を変えるのではなく、行動が人の信念を変える。ストレスは行動を起こすべきだという脳からの合図。(p.17)

  • 森林の炭素は分解されることで、ゆくゆくは炭素のほとんどが大気に戻るが、海中林は炭素を深海に沈めるので、何百年、何千年、温室効果に寄与しなくなる。(p.33)

  • 木は近くにいる動物を視覚で感知し、記憶し、将来の天候を正確に予測する。(p.54)

  • カナダの亜寒帯林の木は伐採されて、トイレットペーパーの原料となっている。(p.58)

  • 熱帯地域で森林破壊の主な推進力となっているのは牛肉、大豆、パーム油、木材でその多くが輸出用。(p.67)

  • 先住民は積極的に火を使い、破壊的な大火事を免れるような生産性の高い豊かな森林や草地を世界中で育ててきた。(p.86)

  • 自然には「個」などというものは存在しないのかもしれない。それは人間も同じ。(p.102)

  • 抗生物質を服用したり、加工食品を食べたり、生活環境を過剰に消毒したりすると内なる野生を破壊してしまう。(p.102)

  • 世界の生態系の健全性が、私たちの未来を決める。技術の力だけで安定した気候環境に戻ることはできない。(p.107)

  • 再野生化とは自然に主導権を手渡すこと(p.126)

  • 「美」は、私たちの最も深い懸念や最も高い期待のすべてを、一番よく捉えるただ一つの基準。(p.151)

  • 除草剤、殺虫剤、化学肥料のような化学物質による撹乱は土壌の生物界をひどく破壊する。(p.158)

  • 再生型で持続可能な農法の大原則は土地で作られたものはその土地に返すということ(p.171)

  • 植物の健康と生長は植物の根と微生物と菌類の間の複雑な「物々交換」システムに依存している(p.180)

  • 私たちの言葉で「食べ物」は名詞ではない。それは動詞だ。なぜなら「食べ物」は物ではなく、動的で常に流動的な生きたプロセスだからだ。(p.205)

  • 自然との隔たりが環境問題への無関心を生み、必然的に共有の生息地のさらなる劣化をもたらす。(p.260)

  • 歩くことは一番安上がりで、一番シンプルで、一番健康的で、一番再生可能な移動手段。(p.265)

  • 私たちは食べるときに選択をしています。世界を良くするのか、害を及ぼすのか。体を大切にするのか、痛めつけるのか。生命を育む条件を維持するのか、劣化させるのか。(p.278)

  • (電気自動車に必要な鉱物の)採掘は野生生物の個体群や、地下資源、生態系の健全性に悪影響を及ぼす(p.325)

  • 単一栽培は土壌にストレスを与えるため、土壌が痩せていく中で利益になる収量を維持するために、肥料や除草剤や殺虫剤の使用を増やしていかなければならなくなる(p.345)

  • 人々の健康と再生型農業に向けた第一の解決策は超加工食品の購入をやめること。企業のカネでつくられる無知から脱却する(p.351)

  • 専門家や政府や企業が気候変動の危機を終わらせ方を考え出せるかどうかを見守っているわけにはいかない。なぜなら彼らだけでは解決は不可能だから。私たちは「私たち」である。何十年、何百年と人々や地球を搾取してきた流れを逆転させるには私たちの連携した取り組みが必要。貧困と気候変動の根本原因は同じです。(p.386)


まとめ


この本で得たことはたくさんありますが、中でも人間も自然の一部であるこということは大きな収穫です。

これまでは人間は自然とは調和できない、汚染しか生まない地球のガンであるように考えていましたが、私たちの祖先や、今でも先住民の人たちは自然に倣い、自分たちもその一部として生態系の中でバランスを保ちながら生きているということが学びとなりました。

私自身も人間であり、地球の一部。美しい地球ができるだけ長く続くようできることをやっていきたいと思いました。

とはいえ、この世に正解なんてないし、たとえ気候変動が進んででしまったとしても、地球には生き物が住めない環境であった時代もあるのだし、地球だっていつか太陽に呑まれてなくなるのだし。
あまりストレスを感じすぎずに自分のできることを、周囲に敬意を持ちながら実行していきたいと思います。

私たちは私たち。
「すべては繋がっている」とこの本に教えてもらったからです。

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