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ミュージカル作品紹介vol.11/アナスタシア

昨日Twitterのトレンドに「コロナ慣れ」という言葉が入っていた。

日に日に感染者が増えていっているのはテレビを点ければ分かるのだけれど、周りに感染者がいないとなると段々この異常な状況に慣れてきてしまっているのもまた事実だと思う。慣れてきてというより感覚が麻痺してきて、という表現が正しいかもしれない。

今日も朝から満員電車に乗っているし、何なら電車には赤ちゃんまで乗ってしまっているし、これまでと違うのはみんながマスクをしていることくらい。

そんな状況もあってか、三連休を機にミュージカルが次々と再開した。

そこで強い意志を持って上演を取り止めたエンドレスショックの選択は勇気のある決断だったと思う。

だからと言って再開を決めた公演のことを「無責任だ」と一蹴しないでほしい。

俳優さんも、照明さんも、制作さんも、みんな複雑な想いを抱えながら再開に踏み切ったと思う。でも、それを生業としている人だって大勢いる。大手はまだしも、個人で演劇をされている人からしたら「上演されない=失業」と同じ。

今、この状況で私自身も職を失って収入が無くなったらどうやって生きていこうと途方に暮れると思う。

私は再開を決めた公演のことも応援したい。頑張ってほしい。

ということで、3/20に上演を再開したミュージカル『アナスタシア』について今日は書いていきたいと思う。

ブロードウェイでは2017年〜2019年まで上演されていて、日本では今回が初上演。アカデミー賞にノミネートされたアニメ映画『アナスタシア』が元になっていて、舞台化したのが今回の演目。

とはいえ友人が言うに、アニメ映画『アナスタシア』を念頭において見てしまうと色々と裏切られてしまうらしい。私は予備知識無しで観劇したのでとても満足してしまった。ので、アニメ映画好きの方が観劇するのであれば別作品を見るつもりで行っていただくことをオススメする。

と、いうことで、ストーリー。


舞台は20世紀初頭、帝政末期のロシア、サンクトペテルブルク。ロシア帝国皇帝ニコライ2世の末娘として生まれたアナスタシアは、パリへ移り住み離ればなれになってしまった祖母マリア皇太后から貰ったオルゴールを宝物に、家族と幸せに暮らしていたが、突如ボリシェビキ(後のソ連共産党)の攻撃を受け、一家は滅びてしまう。しかし、街中ではアナスタシアの生存を噂する声がまことしやかに広がっていた。パリに住むマリア皇太后は、アナスタシアを探すため多額の賞金を懸ける。それを聞いた二人の詐欺師ディミトリとヴラドは、アナスタシアによく似た少女アーニャを利用し、賞金をだまし取ろうと企て、アーニャと三人でマリア皇太后の住むパリへと旅立つ。記憶喪失だったアーニャは次第に昔の記憶を取り戻してゆく…
同じ頃、ロシア政府はボリシェビキの将官グレブにアナスタシアの暗殺命令を下す。マリア皇太后に仕えるリリーの協力を得て、ついにアーニャはマリア皇太后と会う機会を得るが、グレブがアーニャを見つけ出し…(ミュージカル アナスタシア公式HPよりhttps://www.anastasia-japan2020.jp/story.html)

今回のポイントは3つ!

①最後まで飽きないストーリー展開

言い方が悪いのだけれど、こういう作品って「アーニャは王女アナスタシアであり、素敵な王子様を迎えて幸せに暮らしました、チャンチャン♪」っていう展開が王道。

でも、この作品はちょっと違う。

盛大なネタバレになってしまうので詳しい結末は書くことが出来ないが、「え?これ、どうなっちゃうの?」という事が良い感じに登場してくる。かと言って難しいわけではないから、小さい子どもでも楽しめると思う。眠くならないし、飽きない。

ただ、やはり先述のとおりアニメ映画の予備知識を持ってしまうと展開が分かってしまうため、魅力は半減してしまうかも。。出来ればミュージカル観た後に原作アニメも見てみてください。

②明るい曲の多さ

ミュージカルってコメディミュージカルとかじゃない限り、明るく楽しい曲と暗い寂しい曲の比率が6:4くらいのイメージなんだけど、この演目はコメディでもないのに7:3〜8:2くらいの割合。

特に1幕ラストで歌われる「Journey to the Past」は2幕が明るくなることを予感させるようなキラキラした歌。是非聴いてみてほしい。

③映像投影演出

最近のミュージカルでは結構多い、バックがホリゾント的な感じになっていてスクリーンのように使われる。

途中で汽車に乗る場面があるのだけれど、汽車の方向が変わる度に投影された映像も方向が変わっていって面白かった。

その他にも一家が滅びてしまう場面では火の映像が上手く使われていて臨場感が伝わってきた。ファインディング・ネバーランドとかもそうじゃなかったかな?

プロジェクションマッピングとか映像投影は数年前からの流行だな〜と思う。やたらと使ってると萎えちゃうんだけど、使い方によっては良い演出だなぁとなるわけでした。


…以上!東京公演・大阪公演あるので是非観てください!!!

ヘアスプレーもニュージーズもチケット全然取れなかったので、いっそこのまま中止に…なんて自分勝手な気持ちもあるものの、ちゃんと今回みたいに恩恵を受けるものもあるので邪な気持ちは持たないように努めていきたい。

来月は観劇予定が無いので、これまでもしくは今月のストックから紹介していこうと思います。何にしようかな〜🤔

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