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なぜ「一般的な」サポート&レジスタンスは機能しないのか

複数回反発した価格は良いサポート&レジスタンスになり、タッチが多いほど反転する可能性が高い、と言うのがサポレジの定説ですよね?

これはサポレジを利用する際の、理論の根拠となる基礎的な考えです。

しかし、この考えは間違いです。
サポート・レジスタンスのレベルは、複数回タッチする必要はありません。そして、それらはその後のタッチごとに強くなることはありません。

今日は、この理論の背景となっている根拠を踏まえた上で、
なぜこの考え方が間違っているのかを検証していきます。

サポート&レジスタンスレベルの問題

多くの人が知っているように、サポートとレジスタンスの概念は、トレーダーが市場でどのように振る舞うかについての非常に単純な考えに基づいています。この理論では、レベルがどのように形成されるか、なぜ複数のタッチが必要なのか、そして最も重要なのは、価格がレベルから逆転するたびにレベルが強くなる理由を説明しています。

根拠となる考えは次のとおりです。

多くのトレーダーが特定の価格から売買する場合、将来的に同じ価格で売買する可能性が高く、結果として反転します。トレーダーが同じ価格で売買する回数が多いほど(つまりタッチが多いほど)、マーケットが戻ったときに多くのトレーダーが売買をするため、その価格から反転する可能性が高くなります。

これが、タッチを増やすとレベルが強くなると言われる理由です。

一般的なトレーダーにとって、これは完全に理にかなっていますよね。チャートを開くと、タッチの多いレベルが常に反転を引き起こしていることがわかります。

要は、大衆トレーダーはサポートとレジスタンスの概念を信じることでレベルは作られ、それが自己達成的予言になると考えています。言い換えれば、多くの人々がS&Rが存在すると信じることで、それ自体がレベルを作り、価格が戻ったら人々に売買させると言う事です。

つまり、多くの人が自分と同じところで売買することを期待しているだけです。

どうですか?こうして書いてみると、実に脆弱な根拠ではないでしょうか?
他の人が買う「かも」しれない、売る「かも」しれないに、大切なお金を賭けるのは私は抵抗があります。

私はこれを「優位性」だと思いません。あまりにランダムすぎます。

ではどうすれば良いのか。人がいつどこで売買することを予想することなんて不可能ではないか!

そうでもないです。人が確実に買う場合・売る状況は存在します。

価格の反発に対する新しい考え方

多くの人がエントリーするから価格は反発すると言う考えは脆弱と言われても、多くの人のエントリー以外にマーケットの需要と供給のバランスを崩す要素なんてないよ…

果たしてそうでしょうか?

自分のトレードを振り返ればわかるはずです。自分が確実に買う時、売る時…….

そう、損切りする時です!

損切り、ようはトレードから出ていく時です。多くのトレーダーの損切りが期待できる局面ならば反発を予想する事ができるはずです。そして、損切りされると言うことは既にエントリーをしている。そしてトレーダーはいつかは損切りか利確をしなければならない。
つまりテーブル上に確実にチップがあるのです。(ポーカーで例えると)
逆に、他のトレーダーのエントリーを期待すると言うことは、まだテーブルにチップがあるかどうかも分からない状況です。そして、FXはゼロサムゲームです。テーブルにチップがない状況で、一体どうやってお金を稼ぐつもりなのでしょう??私には分かりません。

ここまで理解できればあともうちょっとです。

あとは、「どのような状況になれば、多くの人はエントリーをし、損切りするか」を合理化すれば良いのです。


特別に答えを教えちゃいますが、それは
・トレンドの終盤
・サポレジやトレンドラインなどのテクニカルレベル

です。

こういったところで、強い買いか売りの後に、損切りと思われる反対方向の強い売買が起これば、多くのトレーダは高値・安値でトラップされることになります。エントリーしたらマイナスに、、、この時トレーダーがすることは次の2つです。
・直ちに損切りをする(買った場合は売ることになる)
・塩漬けにして祈る。→多くの場合損失が膨らみロスカット

どちらにせよ、例えば買いでエントリーした場合は売ることになります。
つまり、明確に売りたいと言う心理状況になるのです。
私もこのような経験はあります。
買いでエントリーして直後に暴落。損切りのチャンスを逃して大赤字。頭の中はとにかく早くこの苦痛から解放されたいと言う願望だけ。
早く売って楽になることしか頭にないのです。つまり売ることしか考えてないのです。

このような状況なら、なぜ価格が反発するかをロジカルに合理化できます。誰かが買うかも・売るかもと言う淡い期待ではなく、明確に大衆が買いたい・売りたいと言う状況を想定しているからです。

まとめ

価格はサポレジのようなで反発しているのではなく、その価格で売買する人がいるから反発しているのです。(ここの認識大事)

トレードを単に線をたくさん引いて価格を予想するパズルのようなゲームと捉えるのではなく、常に反対側に対戦相手が存在する対人ゲームとして捉えないと、そもそも人間の心理を活用しようと言う考えは浮かびません。
皆さんも、ぜひトレードは対人ゲームであると言う認識でトレードすることで、今までになかった発見が見つかると思います。

↓ゼロサムゲームについての復習

↓手軽にトレードを始めたい人向け



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