漢字が苦手な子供を漢字検定に合格させた話
子供が通っている小学校では漢字検定を導入していて、年に一回全員が受験をしています。
試験一か月前に過去問を解いて50%程の正答率だったところから、正答率85%を超えて(合格ライン70%)合格するまでのお話です。
最初に話をしたこと(心理的安全性)
1. 1日の勉強時間は15分以内を目指すこと
毎日の宿題をやるだけでも大変でしたので、それ以外の勉強時間を作ることはかなり苦痛になるでしょう。私も子供の頃勉強が嫌いだったことを伝え、1日あたりの勉強時間は15分以内を目指し、無駄なことは一切やらないつもりだと伝えました。
結果としては、忙しかったり疲れてる日はやらなかったので、「その分土日に少し頑張ろうね」として、同意の上で週末にまとめてやることもありましたが、苦痛にならないように臨機応変にできたかと思います。
2. できないことは悪いことではないことを伝える
読めない字、書けない字などがあることは、それができるようになれば点数が上がるので、悪いことじゃないよということを念押ししました。学校から問題集を配布されていたので、試験10日ほど前までは間違ってもいいから、やれるところまで進めて、できないものを見つけよう。最後の10日は間違えたところを復習してできるようにするよと伝えました。
3. 完璧を目指さない
合格ラインは70%なので、30%は間違えられるから完璧を目指す必要はない、できないものはしょうがないけど、できることはやろうと決めました。
4. 達成可能な目標設定
よくある「合格したら〇〇を買ってあげる」というのはやめて、ちゃんと頑張れたらトイザらスに行こうと約束しました。試験は水物なのと、最大の目的は学力を上げることなので、合否に関わらず、一か月頑張ってみようと。不合格だとしても、今よりも点数が取れればそれは決して悪いことじゃないので。
また、合格しないとご褒美がない場合、本人が合格が難しいと判断してしまったら、途中で投げやりになってしまわないかとの心配もありました。
上記、4つのことをしっかり話しました。流行りの言葉で言うと、心理的安全性を担保したということでしょうか。
最初の一週間(記憶の幅を広げる)
負担にならないように、毎日少しずつ問題集を進めました。間違った問題にチェックを入れることと、間違え直しをしました。三週目までは基本的にこの学習スタイルです。
読み方を知らない字を辞書で探すには時間がかかるのと、短時間で済ませたかったので、間違えた問題はその場ですぐ答えを教えたのと、無駄な書き取りはさせませんでした。また、熟語は基本的には音読み、音読みだよ(一部例外はあることも伝えたうえで)ということを繰り返し言い続けます。
一つだけ工夫したのは、熟語になぜその漢字を選ぶのかということや、音読み訓読みに関する雑談をしたことです。
例えば、「散」という字の訓読みが出て来た時に、音読みは散歩の「サン」だよ、散歩って歩いて色んなところに散って行くでしょ。両方とも広がっていくイメージでしょ、という話や、「改札」は昔は切符がメインで、駅員さんが切符をチェックしていたんだ。「札」は切符のことで、「改める」は確認する意味もある。切符を確認するから「改札」なんだよ、という話など、雑談の内容で漢字を思い出せるようにです。
二週間目(勉強をしないために勉強する)
問題集はよくできているもので、定着させるために同じ字が何度も出て来ます。これまで間違った字を再び間違えることが出て来ました。また、読み、書きだけでなく、書き順の問題も始まります。
これまでは勉強を早く終わらせたいためか、間違え直しが少し雑になることがあったのですが、「前に間違えた時にちゃんと覚えていれば、今日の勉強時間は短く済んだでしょ」ということ、私も子供の頃勉強が嫌いだったので、勉強時間を短くするために一度で覚えるように集中したという話をしました。
また、書けるようになった字も、書き順の問題で間違えることもあったので、最初に書き順も覚えてしまおうと。それまで読み書きができれば書き順の必要性を感じていないようでしたが、この後は書き順に注意を払うようになり、本番の試験時には書き順の問題は全問正解を達成しました。
三週間目(自信の獲得)
同じ字が何度も出て来るので、目に見えて正答率が上がってきます(正直な所想像以上でした)。本人も手応えを感じているようで、やる気も増して来ました。
勉強のリズムも安定して来たので、このままの感じでいけば合格できるよ、とこの期間はひたすら褒め続けていたかと思います。
最終週(仕上げ)
この時点で問題集を全て終えてはいませんでしたが、大半は終わっていたのと、70%で合格可能なので、ここからは間違えていた問題の復習に入ります。また、過去問をやらせたところ正答率が70%を超えました。
最初の時点で、合否そのものよりも力をつけることが目標でしたので、過去問の正答率が70%を超えたお祝い(子供ジュースで親お酒で乾杯)をしました。本番は問題の相性もあるから不合格であっても仕方ないことと、合格できる力をつけたことが一番凄いことだという話をしました。
今週はこれまで間違えた字を復習しているから、ここからはできることが増えるだけだから、余裕を持って合格できると思うよと、仕上げに入ります。
試験当日と結果(緊張の緩和)
「頑張れ!」と発破をかける人が多いかと思いますが、「頑張らなくていいから、普段通りやってね。緊張し過ぎて変なミスしないようにね。」と言って送り出しました。合格できる力は十分についていたので。
結果は85%超の正答率で無事合格していました。
この話についての天の声
アンタ偉そうに書いてるけど、頑張ったのアンタじゃなくて子供でしょ。
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