6/11のゆる〜く気になる記事 中計って必要なの?
6/11の日経新聞の記事からです。
中計とは、「中期経営計画」の略で、企業の3年から5ヶ年の中期の経営計画になります。多くの日本企業が中計を発表していますが、味の素が2023年2月に公表した中期経営計画を廃止するとの事です。廃止することにより「ROIC経営」に弾みをつけると言う事です。
ROICとは「投下資本利益率」であり出資者(企業や銀行などの債権者)から調達したお金に対しての利益率を表します。日本の企業では投資家からROICを重要視され、計画や達成に対し開示を求められる事が増えています。
ちなみにROICと共にWACC(加重平均資本コスト=資金を1円調達するのに必要何コスト)の両方を合わせて分析される事があります。コストを上回る利益であれば、経営が健全と言えます。また、記事にもありますが CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル=原材料の仕入れ代金を払ってから製品を売って代金を回収する期間)の短縮も重要視されます。
長くなりましたが、ROICは企業価値を測るために重要な指標ですので、ぜひ頭の片隅に入れておいてください。
さて、記事に戻りますが、味の素は中計に変わり30年を見据えた経営方針を打ち出しています。
中期ASV方針としてホームページで分かりやすくまとまっています。将来のありたい姿は収益などの絶対額ではなく、比率ベースとして大局的に捉え将来の理想像から逆算して成長の道筋を毎年見直す、と言う事です。
私の理解では、中計を数字で明確に示しているのは日本企業であり、日本以外の企業は明確に出していないか、オーガニック成長や、比率ベースです。
元々は投資家やアナリストが企業に開示を求めた歴史があるのかは分かりませんが、社内で運営する為の数字はあるのは当然ですが、一年先が見えないVUCAとも言われる現在に、3年先の姿を語るのにどのくらいの意味があるのか、精度があるのか、非常に疑問です。
3-5年前にコロナやウクライナ紛争、インフレ、円安を予想し、中計に織り込む事がどれだけ可能だったでしょうか?