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2022年8月のTOP5~怪奇・ホラー5番勝負~

東京は品川区、西小山にある銭湯「東京浴場」。その中にあるシェア型書店フロナカ書店街に店を構えるTOP5BOOKSと申します。
毎月テーマを決めて、テーマに沿った本を5冊紹介しています。
2022年8月のテーマは「怪奇・ホラー5番勝負」。
暑い夏、ちょっと涼しくなりたいときにぴったりな、怖~い、不気味~な本を5冊ご紹介します。

2022年8月のTOP5

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|ガンジョリ/いがらしみきお
「ぼのぼの」などギャグ漫画家としても活躍する作者のモダンホラー。
「ガンジョリ」は、闇と人智を超えた存在の不気味さが強烈な印象を残します。バブル期に作られた巨大な観音像が動き出す「観音哀歌(エレジー)」はギャグとホラーを織り交ぜて最後はホッとする作者の真骨頂です。


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|東京怪奇酒/清野とおる
「東京都北区赤羽」でホームレスのペイティさんなどギリギリな人との交流を描いてきた作者。今回はいわくつきの物件で酒を飲むという、ギリギリなのか一線超えているのか、もうわかりません。「奇妙な空き地」の百鬼夜行事件が他の話とは次元の違う不気味さがありました。


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|血を吸う教室/関よしみ
表題作は、遡ること20年以上前、深作欣二監督の遺作となった「バトル・ロワイヤル」と設定が酷似していると話題になった作品です。表題作もですが、「絶望へのカウントダウン」という作品に「バトル・ロワイヤル」以上の衝撃を受けたことを今でも鮮やかに思い出します。


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|怪奇まんが道/あだち つよし (著),宮崎 克 (原著)
怪奇漫画家たちのまんが道を集めたオムニバス。
怪奇と抒情をあわせ持った漫画という誰にも似ていないスタイルに辿り着き、そこから「蔵六の奇病」を丸一年かけて描いたという日野日出志。作者本人から作品以上に鬼気迫るものを感じました。


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|東京日記/内田百閒
映画「ツィゴイネルワイゼン」の原作となった「サラサーテの盤」を含む短編集。演奏者の声が間違って録音されているレコード「サラサーテの盤」。この曰くつきのレコードを夫の遺品なのだと引き取るために暗い玄関先にたびたび現れる後妻のおふさ。その消え入りそうな雰囲気になんとも言えない不気味さが漂います。


※売り切れ、入れ替えなどで本が店頭に無い場合はご容赦ください。

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